従来までの作品と異なって、こうげきの種族値に影響されにくい内容になっていることの検証です。
火力不足で敵が落とせないというケースが減ったので、従来までだと活躍させにくかった可愛い系もパワフルに(ただし耐久力が弱点)。
せいかく、わざタイプの選択でも、多少なりとも変化が見られます。
こうげき、とっこうの価値が激減
上記は「こうげき」ステータスが299、428のラムパルドを使いフェアリー2倍の「アイアンヘッド」で攻撃したときのダメージ量です。その差129もあるのにダメージの増加は僅かに5%だけ。実数だと約13ダメージの増加です。
これは「とっこう」のステータスも同様であり、これらのステータスを向上させてもダメージ量にはあんまり反映されません。
実際にはダメージが下がったというより、「こうげき」が低くてもダメージが出るようになったと表現すべきなんですが、旧来まで「こうげき」の種族値が高いことから強かったポケモンは相対的に下方修正される結果となりました。
代わりに「こうげき」が低くて、敵を倒せなかったポケモンたちにとっては有利になりました。種族値5だったラッキーのすてみタックルが輝きだした。
流石に極端な差がつくと火力差が生じますが、 それでもタイプ一致(1.25倍)くらいの差に収まっている点は、これまでにないことです。
下記はガチグマ(Lv75)、ピンプク(Lv77)を比較したときの様子です。
ガチグマのこうげき種族値は140、片やピンプクは僅かの5。最も差がつく両者であってもこの程度なので、一般的なポケモンにおいては乱数の上振れ、下振れによって逆転してしまう程度の差しか生まれないとみられます。
HP、ぼうぎょ、とくぼうの重要性
じゃあ他のステータスはどうなのか……というと、こちらは結構反映されます。
「ぼうぎょ」が84増えると、受けるダメージが39低下しています。割合でいうと30%のダメージが削減されました。
これは「とくぼう」においても同じであり、防御系については従来どおりに反映される環境になっていると言えるでしょう。
がんばりアイテムが少ないのなら、取りあえずはHPやぼうぎょに振っておくとダメージレースで優位になりやすいです。
せいかく厳選における影響
100以上もステータスが伸びていても5%程度しかダメージが増えないので、「こうげき」が上昇するせいかくの価値が激減しています。
ポケモンの性格は1.1倍の補正なのですが、「こうげき」のステータスが元々400あっても実数は40しか伸びないわけです。これだと相当に高レベル、高ステータスの状況でも5ダメージ程度しか稼げません。
極端に「こうげき」が高いポケモンならまだしも、オールラウンドタイプのポケモンにとっては、「こうげき」が上がる系の性格はハズレになると思います。精々1、2ダメージしか増えないのに、「ぼうぎょ」や「すばやさ」を捨ててしまうのは勿体無い。
特に「ぼうぎょ」が下がって、「こうげき」が上がる性格は殴り合いでのダメージ差分で大損になるので、「こうげき」特化のポケモンでも避けた方が良さそうです。
技タイプにおける影響
ポケモンの技には物理と特殊があり、わざ説明で見ることができます。
物理の技は「こうげき」が高いと高ダメージ、特殊の技は「とっこう」が高いと高ダメージになります。
ただし本作では「こうげき」、「とっこう」のステータスが実ダメージに殆んど影響しません。最大で25%程度の伸びはありますが、「こうげき」が高いからと言って、物理技に固執する必要性は薄れました。
下記はガチグマを使った物理、特殊のダメージ差です。
検証に使ったガチグマほどに、極端な物理優勢があるポケモンも珍しいため、純粋に威力の高いわざがあるのなら、物理、特殊に関係なく採用した方が良いでしょう。
「じならし(物理60)」と「だいちのちから(特殊80)」だと、ここまでステータスに差がついていてもダメージ量自体は大差なくなります。
むしろ技を受ける側の「ぼうぎょ」、「とくほう」は従来どおりに反映されるので、攻撃ポケモンの得意よりも防御ポケモンの不得意を突く方が大事なわけです。
「ぼうぎょ」が極端に高いポケモンが多い岩、鋼の弱点を突ける、地面、水、草などのわざならば、物理アタッカーであっても特殊技を優先する方が良いという判断も十分にあり得ます。
乱数の考慮はしましたか?