2024年10月13日にポケットモンスターの開発元であるゲームフリークから機密情報が大量流出し、海外を中心に様々な資料が公開されています。
本稿はそんなリーク情報の中に含まれていた文書のうち、《ケンタロス》の創作民話と考察です。誤字脱字の修正、改行の調整、「」の追加などの編集を入れているので原文とは若干異なります。
《ケンタロス》はオスしかいないので盛大に矛盾した内容なのですが、それをどういう風に捉えるかで、ちょっと解釈が分かれてくる文面となっています。ただのミスだとは思うんですが、父親が嘘をついていたと考えると……。
本文
P1
狩人の家族がいた。年老いた父と母と兄と妹の家族だった。
母と妹はいつものように森に木の実を集めに出かけた。父と兄はいつものように狩りにでかけた。いつものように山を越え、野原に出るとそこに一匹のケンタロスがいた。
ケンタロスは、物凄い勢いで二人に向かって突進してきた。怯えた兄はその場に立ちすくんでしまった。父親はケンタロスの前に飛び出して兄を庇って怪我をした。しかし、父は素早く矢を放つと、ケンタロスはその場に倒れた。
父は仕留めた獲物に近づくと、まずその角を切った。そして祈りを捧げて、空に投げた。それから大きなナイフで皮と肉を切り分けながら、兄に言った。
「ケンタロスを仕留められたら、必ず始めに角を切れ。そして祈りを忘れるな」
次の日。母と妹はいつものように森に木の実を集めに出かけた。年老いた父は怪我をしていたし、昨日仕留めた獲物がまだあったので、休むよう言った。だが、早く一人前になりたい兄は狩りにでかけた。
山に入ると、そこに一匹のオタチがいた。兄は素早く矢を放ち、オタチを仕留めた。兄は昔父に習った通りに、仕留めたオタチの尾を切って、祈りを捧げて土に埋めた。そして皮と肉を切り分けて、再び山の奥へと進んだ。
森の途中にある湖で、オタチを捌いた刀を洗っていると、湖のほとりにマリルが現れた。兄は素早く弓を構えて矢を放ち、マリルを仕留めた。兄は昔父に習った通りに、仕留めたルリリの尾を切り、祈りを捧げて土に埋めた。そして皮と肉を切り分けて、再び山の奥へと進んだ。
山を越えて、野原に出るとそこに、またオタチがいた。兄は素早く矢を放ったが、外れ、オタチは逃げていった。
野原を進むとそこに一匹のケンタロスがいた。
P2
兄は素早く矢を放ち、ケンタロスを仕留めた。父は仕留めた獲物に近づくと、まずはその角を切って祈りを捧げた。そして、祈りを捧げて土に埋めた。そして皮と肉を切り分け、家へと帰った。
夜が更ける頃、家に着くと、部屋中が荒らされていた。そこら中にケンタロスの足跡があった。部屋の奥に父親が倒れていた。父は言った。
「お前がケンタロスとの約束を守らなかったので、女たちに角が生えて、ケンタロスになってしまった。ケンタロスの牝は半分人間なのだ。角を切れば人間、角を伸ばせばケンタロスなのだ。だけどもう2人は全部ケンタロスになってしまった」
翌朝、親子が野原に行くと、そこに二匹のケンタロスがいた。二人を見ると、二匹は野原の向こうに駆けていった。
考察と備考
ケンタロス
獲物に狙いを定めると一直線に突進する。荒っぽい性格で有名
ポケモン DP
ケンタロスにはメスがいないので、「ケンタロスのメスは半分人間なのだ」というセリフには大きな矛盾があります。このテキストを書いた人物が失念していたのか、意図的に《ケンタロス》にしているのか。
意図的にそうしているなら、
- 部屋中が荒らされていたのには別の理由があり、父親が嘘をついたという暗喩
- 過去からの迷信に対しての非難、批判が主題だった
- 弔いを無下にするような者はいない、という人間賛歌
――あたりの理由が想定されます。まぁ普通に考えたら1番でしょう。
なお、ポケモンの半分は人間であるというのは《バクフーン》の稿で使われていますし、古代においては人間とポケモンは同一のものだったという考え方は、古代シンオウにおいては普遍的な設定なのかと思われます。
元々、人間だったとゲーム内の図鑑説明に書かれているポケモンは複数いますが、ポケモン世界の都市伝説を図鑑に採用しているだけなのか、本当にそうなのかは明かされていません。
関連の人気投稿