クリア後の感想と評価: リトルナイトメア2(Little Nightmares2)

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  • ストーリー: 6点
  • グラフィック:7点
  • サウンド:5点
  • ゲーム性:6点
  • 作り込み:5点
  • 10点: 史上最高(100年に1度)
  • 9点: 10年に1度の水準
  • 8点: 年間トップクラス
  • 7点: 十分におすすめできる
  • 6点: 普通水準で、おすすめできる
  • 5点: 普通水準で、勧められない
  • 4点: 明らかな失敗が見て取れる
  • 3点: 失敗だからけで良い部分がない
  • 2点: 失敗では済まされない
  • 1点: 史上最悪(100年に1度)

概要

子供の見る悪夢を表のテーマとして展開されているゲームシリーズの第二作で、主人公のモノを操作して、物語の舞台を冒険・探索するホラー系アドベンチャーです。

謎解き、戦闘、チェイスなどの要素を満遍なく盛り込んでおり、各種ホラー作品やミームの集大成、オマージュ性の強い内容になっています。

モノ

主人公であるモノはカーキ色の服を着た紙袋少年です。本作からの登場になる新キャラクターで、近接攻撃できる武器を使って、自分より大きな敵と戦える勇気を持っています。

シックス

シックスは前作の主人公ですが、雰囲気や役回りは大きく変更されており、モノと行動を共にしたり、助けられたりするヒロインのポジションです。

表向きにはファンタジーなんですが、実は現実の世界で起こった出来事であるというライフ・オブ・パスみたいな物語構成になっています。どちらとも取れる多面性が魅力のシリーズであり、現代で作られた寓話のゲームです。

2作目では物語の舞台となる時代が下り、それに即して背景世界も少し近代化しましたが、出てくる怪物などのデザインは生々しく、クレイアニメ調のグラフィックも完成度が高いです。

学校の怖い先生

脚本の完成度や、世界観の作り込み、ゲームデザインに関しては、前作の完成度が高かった故に、それと比べてしまうと評価が下がると思いますが、2作目としてはまずまずの仕上がりになったと思います。

以降、本編のネタバレが含まれます。

ストーリー

  • 完成度の高いプロット
  • 帰ってきたリドルストーリー
  • ホラーの基本を押さえている
  • キャラクター性が弱い
  • 派手さのない尻すぼみの展開
  • 1作目に比べると、まとまりがない

ほぼ完ぺきだった1作目の構成・脚本からすると、2作目ゆえの難しさに直面しています。

1作目から引き続いて、ファンタジーとリアルの両面を持っていますが、前作で開発の意図があまり伝わらなかった反動なのか、本作ではリアルの側面がより強調された構成になっています。

立ちふさがる大人

1作目は最後のイベントシーンから過去の要素を振り返ってみないと、話の内容が分からなかったわけですが、2作目では各種描写がかなり直接的になりました。

時代背景も1980年代まで下っているので、近視感が少なからずあり、開発の意図が読み取りやすくなっています。

前作は旧時代の孤児や児童労働などの問題を根幹に描いていたのですが、本作では親の無関心、学級崩壊などの現代にも通じるテーマへと変わっています。

主人公であるモノが子供の頃に犯した罪、傲慢さからでた失敗、すれ違いの体験をファンタジックな世界観で抽象的に表現したというのが、素直な捉え方だと思われます。

本作のターニングポイントで、医療事故を起こしてしまうシーン

これらの変更には悪い側面も少しあって、描写の裏事情があまりに透けて見えるので、幻想と現実のバランスが崩れています。

現代でも通じる題材を選択したゆえの独自性の低下や、分かりやすいゆえに先が見える展開、キャラクター描写も薄くなりました。シックスのヒロイン性も弱いので、中盤辺りからの展開がどうしても弱々しく映ります。

1作目が抜群の完成度を誇っていた故に、スケールダウンした感は否めません。

グラフィック

  • クレイアニメの完成度が高い
  • 洗練されたモンスターデザイン
  • 1作目よりリアリティが増した
  • 1作目よりファンタジー性が薄れた

クレイアニメ調の絵作りは完成度が高いです。フォトリアル系だと10年もすれば陳腐化しますが、それとは無縁なのが本作の強みです。

特に序章のような童話チックな世界感とは特に相性が良い。

童話の世界より

モンスターデザインに関しては、1作目よりも洗練された感があり、特に病院までのパートは秀逸です。おどろおどろしさと、抽象化されたキャラクター性を上手くまとめ上げています。

冒険の舞台は薄暗い雰囲気で統一されていますが、童話の世界、学校、病院と推移します。1900年~1950年を想定した1作目から時代が下り、1980年くらいを彷彿とさせる近代的な街並みが主体になりました。

近代的な街並み

これによってリアリティが増したものの、前作にあったような古さからくる牧歌性、寓話っぽさ、世界観の独自性などが薄れました。良くなった部分もあるけど、悪くなった部分もあるという感じです。

サウンド

  • 基本メインBGMのみ
  • 物音をホラー要素として利用
  • 地味オブ地味

ゲーム性

  • 優しめな謎解きとパズル
  • チェイス部分のタイミングが割とシビア
  • 再挑戦しやすい
  • 初見殺しのトラップが多い
  • 1作目に比べて多様性が低下した

自機キャラクターであるモノを操作して、各種パズルやアクションに挑戦、敵から逃げたり、鈍器片手に戦ったりします。

バイオハザードが元ネタのエリア

パズル部分の難易度は1作目から軽減され、迷う要素が殆んど無くなりました。代わりに見えない位置からの攻撃とか、予想するのが難しい初見殺しが大幅に増えています。

敵に追いかけられるチェイス展開は増えましたが、タイミングが結構シビアで、初見だと無理だろって場合がチラホラあります。

全体のバランスとして、謎解き、逃亡、戦闘が1:1:1になるよう調整したのだと思いますが、無駄なくシェイプアップされていた1作目からすると、取捨選択の甘さが見え隠れしており、似通ったようなパートが増えた印象が残ります。

シックスが付いてくるバディ仕様もゲームとして活用できていないし、総合的に見ると、1作目の完成度には及びません。

普遍的な水準はギリギリ保った……と思いますが、ちょっと贔屓が入っているかもしれません。1作目でホラーゲームの総合商社みたいなことをやったので、普通にネタ切れだった可能性も高いです。

作り込み

  • 多少詰まって4時間くらい
  • バグは殆んどない
  • リプレイ性はない
  • チュートリアルがやや不足
  • キーボードの初期配置がおかしい
  • ネタ切れ感がある

説明が無かったので、ライトの向きを変えられず、病院のパートで結構詰まったのですが、それでも4時間に届かないくらいでした。

向きを変えられることに気が付かないと詰まります

初見でも1日で終わるだろうコンパクトな構成で、リプレイ性も殆んどありません。いくつかコンプ要素がありますが、初回プレイの体験こそが全てのゲームだと思います。

先にも述べたとおり、初見殺しは多いのですが、再トライのしやすさで十分にカバーしています。ロード時間も気になりません(PC + SSD環境だと)。

バグは何カ所かありましたが、目立つようなものではないので、あんまり気にする必要はないです。再トライでロードし直すと、大抵は解決します。基本的な完成度は満たしています。

その一方で操作説明やヒントの出し方に問題があり、これに関しては明らかに不親切です。この点は前作でも気になりましたが、今回は追加のアイテム等の利用に関して操作説明等が一切ないので、そこで詰まる人が出てもおかしくないです。

またコントローラー操作が推奨されていますが、マウス・キーボードだとキーバインド初期設定がおかしいです。1作目よりも開発現場がドタバタしていたのかもしれません。

まとめ

シナリオに関してはゲーム作品の中では高い水準を保っているのですが、相変わらず人を選ぶだろう暗い物語であるし、ゲームパートは斬新さとは無縁の作風なが欠点です。

そもそも前作の直接的な続編でもないので、それを期待していた人にはやや肩透かしになると思います。

とはいえ、前作における最大のバックボーンであったウィルス・パンデミックは、昨今の事情においては扱いにくいネタなので、オーソドックスな海外ホラーのテイストになってしまったのは致し方ないとは思います。

シリーズ未経験なら、まずは前作をプレイすることをお勧めしますが、本作も外れの作品ではないですし、優等生だった前作のテイストを受け継いだ第二作で、パワーダウンこそしたものの、依然として良作には含まれると思います。