MTG: 機械兵団の進軍ドラフトのまとめ

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いつものパターンでおよそのカードが揃うまでドラフトを回したあとでの所感などです。

デッキの構成にもよるのですが、ドラフトにしては先手有利な環境です。

デッキが弱くても、先手が続けば4勝できる。逆に強く組めたとしても、後手とボム連打で惨敗も度々起こります。かなり運と噛み合いに左右される環境だと思います。

青が1強で、それとの相性が良い白青、青黒にするがベストなんですが、レアパワーの影響も受けやすいので、その辺りも考慮する必要があります。

環境の概要

バトルのせいで先手有利

今回のセットから新しく登場したカードタイプがバトルです。クリーチャーで殴れるプレインズウォーカーにも似たパーマネントカードで、全てのカウンターを削りきると、裏面の状態で唱えることができます。

《アモンケットへの侵攻》なんかは非常に強力なバトルであり、アンコモンとは思えない性能を持っています。

アモンケットへの侵攻

これらバトルの裏返し安さという点で、先手側が明らかに有利な環境になっています。リーサル(ゲームの決着)自体はミッドレンジ水準なんですが、一旦形成が固まると、取り返せずに負けるパターンが多いです。

最近のセットだと「ファイレクシア:完全なる統一」「アルケミーホライゾン バルターズゲート」も露骨な先手有利でしたが、それに勝るとも劣らずな状態です。

先手後手をひっくり返すには、バトルを守りきる必要があり、チャンプブロックで時間稼ぎができるクリーチャー、軽量の除去、打ち消しなどが有用です。打ち消しについては、裏返るバトルに対しても使えます。

培養がいぶし銀

培養は裏面を持ったトークンを出すという変則的なギミックです。これの追加によって、トークンも裏面の特性を持つようにルール変更されました。

培養については、バトルほどの派手さはないものの、アドバンテージ源としてミッドレンジ環境を支えています。

例えば《ノーンの審問官》は強力なアンコモン・クリーチャーです。後続の培養も強化しつつ、自身も4マナ4/4相当の高スタッツさを持ちます。

ノーンの審問官

培養によるトークンが馬鹿にならない環境であるため、それを対処できるバウンスが重宝します。

レアボムと噛み合い

ドラフトパックの配分が通常のセットと異なっており、神話、レア、アンコモンの出現率が高いです。レア土地が収録されていないので、有用なレアの比率も高い。

従来のドラフトデッキだとレア1枚~2枚あれば、良くできたと言えたのですが、今回は3~4枚は普通に入っていそうなデッキが多いです。

結果、レアボムを叩きつけあう展開になったり、レアで盤面を取って相手が即爆発、レアで盤面を取られて成すすべ無しなどの展開が起きます。

良いデッキを組めても相手次第でどうしようもないパターンが結構あり、初動の噛み合いに左右されやすい環境になっています。

バトルのせいで横並びしやすいので、全体除去がここまで刺さる環境もそうありません。警戒してもどうしようもないので、撃たれたら負けだと思いましょう。

色の強弱について

青>黒>白、緑>赤

今回の青は環境的に有利な要素が多く、間違いなくトップ1強の色になっています。

バトルが目に見えているので従来より腐りにくいカウンター、培養に刺さる各種バウンスがあり、中速環境特有のアドバンテージ稼ぎにも優れています。

小型の飛行クリーチャーも今回は強力で、バトルを裏返す際にかなり役立ちます。飛行クリーチャー単体で20点のライフを削るのは難しくても、4点、5点のバトルを裏返すくらいはできます。

《羽づくろう勇者》は青のトップコモンで、下手なアンコモン、レアより影響力があります。2/2飛行で打点になり、おまけの1/1が召集の弾になったり、バトルのお守りになったりします。

召集と書いてあるカードは大体強く、それをサポートするカードも豊富です。

バウンス以外の除去が弱いのが欠点ですが、打消しである程度は対応できますし、極端に相性が悪い色がないので安定感があります。環境のソリューションと言ってよい色だと思います。

優秀な除去を多数抱えるのが最大の長所です。ドラフト環境では良くあるパターンですが、除去ありきの色ではあるでしょう。

今回は軽量の除去群があると後手になったときの不利さが軽減されますし、敵のボムを対処しやすい利点があります。

ボム環境なので墓地から色々回収できるのも持ち味です。

ただしクリーチャーの質が全体的に悪いので、バトルを捲るのが最も不得手です。その点は他の色に担当して貰いたいところ。

騎士とファイレクシアンという二つの部族を抱えており、青との相性が良い騎士軸が強いです。

横並びした警戒持ちの騎士は、召集の弾にもなりますし、バトルを守るという点でも優秀です。

そういった騎士の特性を生かしにくくなるので、青以外の色と組むと案外微妙な色になりがちです。白黒、白緑だと培養軸になるのですが、培養トークンがトップメタの青に弱いのも問題です。

相方の色次第でピックが不安定という欠点があるので、黒に次いで3番手くらいかな……という印象です。

培養軸の色であり、土地を伸ばして培養トークンを並べる動きが強いです。問題は培養がトップ色の青が有するバウンスに弱いことで、先手番をあっさり取り返されたりします。

また今回の緑は到達持ちも少ないので、飛行にマウントされると脆さがでやすい。培養、到達、格闘をメインとして、先手後手を逆転させる中速~低速くらいのデッキを目指したいです。

多色化しやすいのでボムをタッチしやすいのは利点ですが、安定して強くなるとは言いにくいと思います。割とダブルシンボルなどが多いので、そうなると流石にマナ基盤が付いていきません。

恐らくは最弱の色だと思います。

軽量な火力はバトルを巡る攻防で役立つものの、クリーチャーが守りに向きません。攻めている分には強いものの、後手になったときが脆いです。

横並べに向いている賛助持ちのクリーチャー達も取り回しが悪く、また緑以上に飛行への脆さが見られます。環境的に先手側が有利なのは当たり前なので、後手で捲れないと勝利が安定しないです。

召集は強いんですが、安定性だと青白の方が良いですし、攻撃目標であるバトルが取れない場合もあるので、運しだいのどっかんデッキになりやすいです。

主だったアーキタイプ

中心色評価速度方向性

(アゾリウス)
A騎士と召集による中速アグロ

(オルゾフ)
Cファイレクシアンによる中速アグロ
ファイレクシアンが弱く、テンポを失いやすい

(ボロス)
C賛助と装備の中速アグロ
騎士が微妙、プレイアブルなカード不足

(セレズニア)
B賛助と培養の中速アグロ
マナ加速で培養のテンポが良い

(ディミーア)
A除去とアドバンテージ稼ぎに優れたコントロール

(イゼット)
B召集特化
赤の横並べ能力が不足気味

(シミック)
B培養とファイレクシアン
マナ加速でテンポ不足を補いたい

(ラクドス)
Bいつもの生贄だけど横並べがやや苦手

(ゴルガリ)
B培養と墓地利用で根強い

(グルール)
Cバトル特化
後手になったときが鬼門
アーキタイプ一覧

基本的には2色で組んだ方が良いですが、《アモンケットへの侵攻》みたいなクソ強アンコモンとかのためならタッチの可能性はあります。

緑系は多色化しやすい利点がありますが、流石にダブルシンボルとかだと無理なので、安定感には欠けています。

有力アーキタイプの構築例

真面目に青白、青黒だけ飛び抜けているので、どちらかに寄せたいです。

青白

騎士を主軸とした中速アグロが理想です。マルチアンコモンである《ザルファーの指令》という部族強化、タッパーがおり、膠着を突破する能力に長けています。

警戒持ちも多いので召集の頭数も用意しやすく、バトルを巡る攻防でもかなり有利な立ち位置です。序盤から圧を掛けられます。

下記は青白タッチ黒の例。

プラチナ帯7勝
デッキ
1 フェアリーの黒幕 (MOM) 58
1 スカイクレイブの曲芸士 (MOM) 78
1 サイバの暗号術師 (MOM) 76
1 キセレクスの投光騎士 (MOM) 85
1 本質の同化 (MOM) 47
1 ウェザーライトの重鎮、ラフ (MUL) 121
1 平穏な入り江 (MOM) 275
1 アモンケットへの侵攻 (MOM) 231
1 イーオスの遍歴の騎士 (MOM) 26
3 ザルファーの司令官 (MOM) 246
1 ファイレクシアの覚醒 (MOM) 30
1 ギタクシアスの眼 (MOM) 57
1 剣誓いの騎兵 (MOM) 42
2 陰鬱な僻地 (MOM) 269
1 決定的瞬間 (MOM) 67
1 存在の封印 (MOM) 35
1 都和市の堕落 (MOM) 53
1 眼魔の仔 (MOM) 69
1 羽づくろう勇者 (MOM) 73
2 経時的浄化 (MOM) 80
1 キセレクスへの侵攻 (MOM) 242
1 光素蓄積のスカーブ (MOM) 60
7 平地 (ANA) 1
6 島 (ANA) 3
1 沼 (ANA) 5

最初は黒軸の予定だったので、カード枚数が足りておらず、騎士とファイレクシアンの両軸構えです。

タッチ黒で《アモンケットへの侵攻》を足しています。アンコモンとは思えない圧倒的な強さがあるので、タッチするに相応しい1枚だと思っています。

下記は、奇をてらってエンチャントに寄せてしまった例です。

ダイヤ帯7勝
デッキ
2 停滞域 (MOM) 79
1 テーロスへの侵攻 (MOM) 23
1 救済の波濤 (MOM) 41
2 鏡の騎士団 (MOM) 72
1 芸術的な拒絶 (MOM) 46
1 雪花石の徒党の聖別者 (MOM) 4
1 光輝の夜明け、ヘリオッド (MOM) 17
1 ザルファーの槍騎兵 (MOM) 45
1 ファイレクシアの検閲官 (MOM) 31
1 経時的浄化 (MOM) 80
2 印章持ちの歩哨 (MOM) 37
2 儀礼の騎士 (MOM) 74
2 ザルファーの司令官 (MOM) 246
1 次元壊しの掌握 (MOM) 33
8 島 (ANA) 3
1 イーオスの遍歴の騎士 (MOM) 26
2 剣誓いの騎兵 (MOM) 42
1 平穏な入り江 (MOM) 275
1 羽づくろう勇者 (MOM) 73
8 平地 (ANA) 1

結果的に勝てたから良いものの、そうとう苦戦してました。

青の疑似除去である《停滞域》なんですが、従来の環境でもクリーチャー機能が残ると評価が悪い傾向にあるものの、今回はバトルを殴る際の壁になってしまうので、真面目に外れのカードだと思います。

エンチャントをサーチできる《テーロスへの侵攻》があるから、わざわざ採用しているんですが、別のカードをピックするべきだったと思いました。《光輝の夜明け、ヘリオッド》が来た時には運命すら感じたのですが……。

青黒

白青に比べて横並びしにくいものの、除去が優秀なのが利点です。

墓地からスペルを再利用できる《光素を漁る者》もあり、《アモンケットへの侵攻》もあるので、アドバンテージを稼ぎながらゆっくりと締め上げていく動きを得意とします。

下記は割と理想的に組めた青黒の例です。

ダイヤ帯7勝
デッキ
1 深海の破滅、ジャイルーダ (MUL) 107
1 集団的悪夢 (MOM) 95
1 空を放浪するもの、ヨーリオン (MUL) 129
1 最期の一花 (MOM) 104
2 サイバの暗号術師 (MOM) 76
1 シェオルドレッドの心酔者、ローナ (MUL) 123
1 ヴリンへの侵攻 (MOM) 64
1 微風の歌い手 (MOM) 86
1 命を奪う嘲笑 (MOM) 99
1 弱者成敗 (MOM) 129
1 死より選ばれしティマレット (MUL) 83
1 霊気刃の工作員 (MOM) 88
1 高潮の恐怖 (MOM) 82
1 精神の交差 (MOM) 66
1 お告げの行商人 (MOM) 70
1 碑出告と開璃 (MOM) 228
1 軽蔑剣の狂戦士 (MOM) 124
1 羽づくろう勇者 (MOM) 73
1 鼠の密通者 (MOM) 120
1 ギタクシアスの眼 (MOM) 57
1 儀礼の騎士 (MOM) 74
1 衝撃的な啓示 (MOM) 127
8 沼 (SIR) 285
9 島 (SIR) 282

かなりピックが上振れしていて、これで7勝できないとか嘘やろって感じの化け物みたいな完成度になりました。ボムレアが4枚も取れたし、黒の除去も十分過ぎる程に取れて言うことなし。

下記はバトルと変身に寄せたバージョンです。

ミシック7勝
デッキ
1 陰鬱な僻地 (MOM) 269
1 イニストラードへの侵攻 (MOM) 115
1 完成化という名の贈り物 (MOM) 106
1 芸術的な拒絶 (MOM) 46
2 お告げの行商人 (MOM) 70
1 弱者成敗 (MOM) 129
2 光素蓄積のスカーブ (MOM) 60
1 侵略樹、次元壊し (MOM) 263
1 光素を漁る者 (MOM) 227
1 霊気刃の工作員 (MOM) 88
1 荒廃刈りのサリッド (MOM) 92
1 無力化 (MOM) 123
2 アモンケットへの侵攻 (MOM) 231
1 ルーン目のインガ (MUL) 75
8 島 (ANA) 3
1 命を奪う嘲笑 (MOM) 99
2 ギタクシアスの眼 (MOM) 57
1 探検隊の見張り (MOM) 56
1 キセレクスの投光騎士 (MOM) 85
1 ウルグローサへの侵攻 (MOM) 116
1 集団的悪夢 (MOM) 95
8 沼 (ANA) 5

強いバトルが揃ったので、《光素蓄積のスカーブ》で再利用して、敵陣を滅茶苦茶にしてやろうという魂胆です。

2マナ圏が不足気味なんですが《お告げの行商人》が出すマナのおかげで、培養が高速化していてかなり助かりました。

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