PS5 Proの正式発表、および推定性能まとめ

シェアする

前々から出るとは噂されていましたが、PS5 Proが正式に発表されたので、そこに出てきた数字や、事前にあったリーク情報などを元に推定性能をまとめました。

端的に言えば、現行ミドルクラスであるRTX 4060Ti相当のGPUに強化されたPS5なんですが、価格が12万円とあって芳しい声は聞こえてきません戦略をミスっているとしか思えないんですが、ソニーのゲーム事業は本気で立て直しが必要じゃないかと思います。

家庭用機に求められているのは、大衆が手軽に変える価格の範囲で性能を上げることなのでは?

推定性能

項目PS5PS5 Pro
CPU世代Zen2Zen2
CPU性能8C 3.5Ghz8C 3.8Ghz
GPU世代RDNA +RDNA +
CU数3660
GPU性能(基本)8Tflops15.1Tflops
GPU性能(理論値)10.3Tflops
AIコアなしあり
メモリ帯域448GB/s570GB/s
ストレージ容量1TB2TB
ドライブBD無し
GPU同等品(AMD)RX 5700RX 6700XT
GPU同等品(Nvidia)RTX 3060RTX 4060Ti
価格(円)79,980119,980
  • 同等性能のAMD製GPUなどから推測したものです
  • リーク情報も一部入っています

GPU性能の強化

PS5よりもCU数が67%増加し、60ユニットを搭載するようです。それに伴い1.45倍のレンダリング性能になったと解説されています。

気になったのはCU数の割にレンダリング能力が伸びていないことで、同じCU数を持つAMD製GPU「RX 7800XT」よりも動作クロックが低いことが推測されます。元のPS5でも200W~250Wを消費しているので、少しでも消費電力を抑えるための措置でしょう。

提示されているレンダリング能力から逆算すると、GPUクロックは1966Mhzになり、これはRX7800XT本来の動作クロックから20%ほど下げたものです。

同等のチップを搭載しているRX7800XT

PS5などに採用されているNavi系アーキテクチャは、クロックを限界まで上げると、消費電力が跳ね上がる特徴があるので、電力効率を重視して制限運用する人も結構います。20%クロックを下げれば、消費電力を100Wくらいは削減できますし、発熱も10度くらいは抑えられます。

見せかけの数字に拘ってクロックを盛っていたPS5ノーマルとは対照的で、実行性能を重視した現実的な設計とも言えます。PS5ノーマルが誇大広告ぎみの数値を乗せているので、それと比較されて伸び幅が小さく見えるのですが、実際にはPS5から80%増くらいのレンダリング能力がありそうです。

問題はGPU性能が倍増したからといって、特別に画質が良くなるとは言えない点です。フルスペック版のRX 7800XTですら2Kゲーミング用と銘打っているぐらいなので、その80%の性能であるPS5 Proでは4K60FPSは厳しいです。

PSSRという名のFSR4.0?

AIによるアップスケール技術PSSRが導入されると言われていますが、AMDには既存の技術としてFSRがあり、その次世代版を先行実装するのだと思われます。

現行のFSRは3.0ですが処理が軽くて、汎用性があるものの、AIを利用するNvidia社のDLSSに比べて性能面に劣ります。今年の講演によれば、AMDも次世代のFSRとしてAIを利用することを予定しており、PSSRもその関連にある技術だと思われます。

AMD has teased the proposition of leveraging AI for its next-gen FSR "FidelityFX Super Resolution" technology.

AIを利用するとハード的な制約を受けてしまうのですが、家庭用ゲーム機ならばある程度はそのデメリットを緩和できます。フルスペック版のRX 7800XTでも4Kには力不足なので、足りない部分をAIアップスケールで補うという計画なんでしょう。

問題はどれくらいの実行能力があるかですが、AMDはライバルのNvidiaに比べてAI系の技術で大きく後れを取っているので、過度な期待はしない方が良いとは思います。

ゲーミングPCとの比較

搭載されているユニット数だけならRX 7800XT相当なのですが、先にも述べた通り、動作クロックが20%ほど制限されている可能性が高いです。

同じNavi系のGPUでベンチスコアを参照しますと、RX7700XTが10%低下なので、それよりも下なのは分かります。RX6700XTが25%低下なので、恐らくはその近辺の性能が近似値になると思います。PCゲーミングの主流であるNvidiaのGPU換算だとRTX3070とか、RTX4060Ti相当の性能でしょうか。

現在RTX4060Tiの実売価格が6万~7万円ですし、SSD容量が1TB増加しているので、4万円分の価格上昇は順当と言えば、順当です。家庭用ゲーム機として求められている価格帯ではない――という点を除けば。

RTX 4060Ti搭載のゲーミングPCを買う場合、BTOなら15~17万円くらいするので、PS5 Proの方が安上がりなのは事実です。ただし、同じ性能のゲーミングPCというのは、使用用途の広さ、ハードの拡張性などから、ゲーム機に勝る部分を多数持ち合わせています。

セール品のパーツを狙って自作すれば、RTX4060Tiを使っても12万くらいには抑えられると思いますし、最悪、中古で型落ちのRTX3070を買えば、4万円で手持ちのPCをPS5 Pro並にできるので、自作経験が豊富ならコスパの悪ささえ感じると思います。

Xbox Series Xとの比較

Xbox Series Xは12Tflops相当の性能があるので、PS5ノーマルとプロの中間に位置する性能です。7万のXSXでもRTX4060相当の性能があるので、コスパではXbox Series Xが圧倒しています。10月に発売予定のドライブなしXSXに至っては6万円と、初期PS5並みの価格設定です。

高機能なコントローラー、SSDを搭載しない分だけ、GPUのコア数に振った設計であり、基本設計に無駄がないのが、価格的な優位性に繋がっているのだと思われます。

問題は日本向けのタイトルが出ないかも……ということですが、最近は改善傾向ではありますし、新規のユーザーにとっては良い立ち位置のゲーム機なのかもしれません。すでにPS4を持っている場合、ソフト資産を引き継げない点が欠点になります。

申し込む
注目する
guest

7 Comments
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る
ななし
ななし
5 日々 前に

RDNA3だの4だの導入しておいてCPU部分はZEN2のままってのも無いだろうし、最新アーキテクチャで7700XTクラスだの7800XTクラスだのはデマだったんだろうな
ZEN2とRDNA2のままで色々増量して、FSR3ベースのソフト的な専用機能を追加しただけみたいな
XBOXの高いほうも50CU以上積んでるけど、同じRDNA2の6600XT(32CU)より上で6700XT(40CU)より下って性能してたし、60CUで6700XTや4060Tiと並ぶ程度でもおかしかないというか

元を辿ると噂話というか、どっかのリーカーがほざいただけっぽいのもある
しかもその人、グラボには強くても、ソニーのゲーム機やらの情報に強いわけではなかったという…

匿名
匿名
6 日々 前に

もうPCで良いし
綺麗なグラフィックでポリコレブスを見るって進化の袋小路感すごい

ななし
ななし
7 日々 前に

ゲーム機に12万は出せないですね
PCなら多用途に使えるのにゲームに制限されるんでは厳しい

ななし
ななし
7 日々 前に

SIEが買収したEVOってゲーム大会で後ろ側のUSBが廃熱で溶けるって言う欠陥設計による問題が起きてたのに見るからに改善無しなのもヤバい
性能上がるって事は廃熱も増えるだろうからもはやUSBトースターと言って差し支えないだろう

ななし
ななし
7 日々 前に

単純な描画性能ではPS5proが4060tiに匹敵するかもしれんけど
DLSSやFGが使えないって時点で同じパフォーマンスは出せないんよな
無印PS5が出てから4年の間にn社と他とではAI技術でとんでもない差ができてしまった

ななし
ななし
7 日々 前に

確かに言うほどコスパは良くねえよなぁ…とは思うけど、OSチョメチョメ前提だったり、地方民には手が出せないような限定販売のセール品や中古品持ち出してコスパがどうこう言うのは強引なネガキャン過ぎない…?
それならPS5側も中古流通品の価格で比較しないとおかしいでしょ

ななし
ななし
7 日々 前に

PS5大幅値上げ!からのproは控えめな価格に設定して移行を促す!!なんて販売戦略だったらいいなぁと思ってたんですけどねHAHAHA