《残響の力戦》は「ダスクモーン 戦慄の館」に登場したエンチャントで、「グルール果敢」の大流行を生み出す元凶となったカードです。
登場前から問題視されており、登場後は主にBO1において猛威を振るっていました。土地補正のあるBO1では2ターンキル率が7.5%もあるので、デッキ構成の自由度を著しく下げていました。
いずれ禁止されると話題になっていましたが、10月23日付でアリーナBO1で禁止。スタンダードでも禁止秒読みの段階へと突入しました。
残響の力戦とは?
残響の力線があなたのゲーム開始時の手札にあるなら、これが戦場に出ている状態でゲームを開始してもよい。
あなたが、あなたがコントロールしているクリーチャー1体だけを対象としていて、インスタントやソーサリーである呪文1つを唱えるたび、その呪文をコピーする。そのコピーの新しい対象を選んでもよい。そのコピーの新しい対象を選んでもよい。
自身のクリーチャーに掛ける呪文を倍増するエンチャントです。リリース前から不味いんじゃないかという意見もあり、実際問題環境を大きく変える結果となりました。
グルール果敢(グルールアグロ)
《残響の力戦》を利用した代表的なデッキです。
デッキリスト
デッキ
4 騒(そう)音(おん)の悪(あく)獣(じゅう) (ONE) 124
8 山 (ANA) 7
4 心(しん)火(か)の英(えい)雄(ゆう) (BLB) 138
4 巨(きょ)怪(かい)の怒(いか)り (WOE) 142
4 裏(うら)の裏(うら)まで (DSK) 160
4 精(せい)鋭(えい)射(しゃ)手(しゅ)団(だん)の目(め)立(だ)ちたがり (OTJ) 146
4 熾(おき)火(び)心(しん)の挑(ちょう)戦(せん)者(しゃ) (BLB) 133
2 蛇(じゃ)皮(び)のヴェール (OTJ) 181
3 無(む)感(かん)情(じょう)の売(ばい)剣(けん) (WOE) 221
4 僧(そう)院(いん)の速(そく)槍(そう) (BRO) 144
4 銅(どう)線(せん)の地(ち)溝(こう) (ONE) 249
4 カープルーザンの森(もり) (DMU) 250
4 ソーンスパイアの境(きょう)界(かい) (DSK) 270
3 弱(じゃく)者(しゃ)の力(ちから) (BLB) 144
4 残(ざん)響(きょう)の力(りき)線(せん) (DSK) 143
サイドボード
4 ウラブラスクの溶(よう)鉱(こう)炉(ろ) (ONE) 153
3 塔(とう)の点(てん)火(か) (WOE) 153
1 塔(とう)の点(てん)火(か) (WOE) 153
3 脚(あし)当(あ)ての陣(じん)形(けい) (BLB) 186
3 石(せき)術(じゅつ)の連(れん)射(しゃ) (MOM) 152
1 抹(まっ)消(しょう)する稲(いな)妻(づま) (BRO) 145
「ダスクモーン 戦慄の館」のリリース直後に登場した最初期のバージョンでは、2ターンキル率を重視した構造でしたが、あっという間に警戒度マックスになったので、安定性を重視する構成に変わっていきました。
2ターンキルの手札
《残響の力戦》は確定であり、後は1マナクリーチャー1枚、スペル2種類の組み合わせによって先手2ターン目に削り切れるかが決まります。《残響の力戦》が初手にある確率が40%、マリガン2回までの間に引ける確率が73%です。
上記は《騒音の害獣》を1ターン目に出すパターンの2ターンキル確定の手札です。《騒音の害獣》以外だと《無感情の売剣》が必要になるので、なかなか2ターンキルは決まりません。
これらの組み合わせを踏まえまして、マリガンなしで2ターンキルが狙える手札になる確率は2%、1マリガン後に条件を達成する確率は2.5%です。
なおBO1では土地補正があるので、それを踏まえるとマリガンなしで2ターンキルが狙える手札になる確率は5%、1マリガン後に条件を達成する確率は7.5%です。こちらは計算がちょっと怪しい部分もありますが、土地の制約がなくなるだけで2キル率が跳ね上がっています。
悪名高きMOMA1の1ターンキル率が5%だと言われているので、流石に伝説のデッキ級ではないものの、スタンダードで2ターンキルが存在すること自体に問題があると思います。
残響の力戦の影響
公式によれば、「ダスクモーン 戦慄の館」以降で3ターン以内に決着が付くゲームが倍増したらしいです。前述のとおり2ターンキルの確率は2.5%程度に留まるのですが、3ターンになると2マナ速攻クリーチャーも使えるようになるので、大幅に受けが広くなります。
それを受けて、小型生物に対するメタは一気に重くなり、軽量の除去、追放付きの除去が大量に搭載されるようになりました。環境の高速化は凄まじいものがあり、4マナのクリーチャーすら殆ど使われない有様となっています。
ことスタンダードBO1では《残響の力戦》だけでは環境の歪さは解消されていないというか、《騒音の害獣》と《心火の英雄》あたりは追加で飛ばさないと、健全化は難しい状態ではあります。《熊野と渇苛斬の対峙》はアルケミーで弱体化されつつもスタンダードは完走しましたが、《残響の力戦》についてはどうでしょうか。
今回の禁止措置はBO1のみですが、昨今のウィザーズは比較的簡単に禁止を出すので、次の禁止改定に向けての警告措置とも捉えることができます。この先、スタンダード落ちなしに3つのエキスパンションが加わるので、ワンサイドゲームを誘発する《残響の力戦》を残しておくリスクは非常に高いです。
そもそも2キルありで3キルが比較的に安定するデッキが許されて良いのか。勝率がそこまで高くなかった《地質鑑定士》が駄目だったんだから、《残響の力戦》も駄目そうな香りがします。
- MOMA: ウルザズブロック時代のスタンダードデッキ。大量の禁止カードを輩出した ↩︎
主さんはポケポケは遊ばれませんか?勝手わがままが過ぎましが、主さんの分析解説記事がみてみたい&一緒に楽しみたいと思いました。
ちょっとやって諦めました
実はポケモンカードの第一弾~Eまでやっていて、大会とかも出てた古参プレイヤーなんですが、ゲームとして好きなのであって、コレクター気質はあんまり無いので、プレイが簡略化されてないのは前提条件って感じです
当時のカードは捨ててないので、プロモ含めてほぼ揃ってますけど、別に大切に保管しているって感じでもなくて、現在のファン層とはちょっと違うんですよね
ご確認ありがとうございました、とても納得&理解しました笑