MTG: 食肉鉤虐殺事件が消える

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スタンダードローテーションによって3年ぶりくらいに禁止カードなしの環境になったと思いきや、1ヶ月のうちに新たなる禁止カードが生まれた件について。

私が紙でプレイしていた頃の禁止カードって本気でヤバい奴しかいなかったんですけど、最近は本当に簡単に禁止カードを出すんだなぁ……って。

食肉鉤虐殺事件とは

MTGの拡張セット「イニストラード 真夜中の狩り」に封入されている神話レアのカードです。

かなり多機能なカードで、全体へのマイナス修正、敵プレイヤーのライフロス、自身のライフゲインを1枚でこなせるのが強みです。不利な盤面であればXマナを注ぎ込んでリセットできるし、有利な盤面だったらX=0で置いて最後の押し込みを掛けられます。

マイナス修正なので再生や破壊不能では防げません。

除去として使ったあとでも場に残ることが曲者で、一掃した後でも継続的にライフを回復し続けるため、小型クリーチャーを並べるアグロデッキの天敵みたいな1枚です。

コントロール以外でもサクリファイス系のデッキであればダメージ源として普通に採用される場合もあり、スタンダードの黒系デッキでは幅広く使われていました。

封入されていた「真夜中の狩り」が不人気だったので、市場で流通している枚数が少なく、1枚1万円まで高騰していた高額カードです。

使いやすいユーティリティとして、スタンダード以外のフォーマットでも一部使われているので、スタン番長特有の急激な値下がりは起きないでしょうが、今後バイヤーたちの熾烈な争いが起こると見られます。

スタンダード環境の偏り

では《食肉鉤虐殺事件》が禁止に至ったかと言うと、「団結のドミナリア」が発売して以来の大会シーンが黒系のデッキばかりになったからです。

ジャパンオープンも終わりまして、すっかり黒環境なのが白日のものとなってきた団結のドミナリアがリリースされた直後のスタン環境についての所感で...

上記はJAPAN OPENという比較的にカジュアルな公式大会の結果を元に執筆した投稿ですが、黒系のデッキの隆盛を物語っています。

トップ64の時点で黒が絡まないデッキは「その他」だけになっています。その他の中にもドメインなどの黒も入ったデッキが含まれているのですが、白赤招来、青単、白単、赤単などは、BO3のトーナメントレベルになると、かなりの少数派ということになります。

この大会から更に研究は進み、多色系のマナ基盤として《英雄の公有地》が何枚か採用されたりしていますが、黒系デッキが基本であることは変わっていません。

ある種アーティファクトのように黒が使われている状況のため、影響を押さえるために禁止カードという流れになったわけです。

現在の黒を物語るカードとしては色々ありますが、《黙示録、シオルドレッド》などの新しいカードを守るため、リリースから1年が経過している《食肉鉤虐殺事件》に白羽の矢が立ったということみたいです。

Announcing changes to Standard and Modern formats effective October 10, 2022.

ウルザブロックとか、ミラディンブロックとか、対策カードまみれでも対策できない環境を経験している身としては、そんな程度で禁止にしていいのかという印象はあるわけですが、昨今のMTGは禁止の水準が下がってきているのだと思います。

今基準だったら、マスクスの《リシャーダの港》とか、神河謀反の《梅沢の十手》とかは普通に禁止になっていた気はします。

食肉禁止後のメタ予想

公式はこれでアグロデッキが復活するのを予想していますが、そもそも《食肉鉤虐殺事件》を大量に搭載しているデッキが少ないので、普通のアグロが復権するのは難しいだろうな……と思います。

時代はすでに大ミッドレンジ時代。ミッドレンジに対してアグロデッキは不利なので、パーツ不足の赤単などで風穴を開けられるかは怪しいです。

そもそもミッドレンジに対してはそこまで刺さらないから《食肉鉤虐殺事件》のメイン採用は多くて2枚、ミラーを意識している場合だとメイン0枚の場合もあるのが現状のメタゲームなので、アグロに対するガードが下がっている現状でも無理なら、《食肉鉤虐殺事件》が禁止されても同じじゃないか……という気もします。

また元々強かった《婚礼の発表》は益々強くなるため、エスパー(白青黒)は依然として安泰だと思います。

赤系のデッキだと《鏡割りの寓話》を並べやすくなるので、これを利用したデッキは更に強くなるでしょう。

可能性があるのはむしろフェアデッキとは言い難いコンボチックなデッキの方で、トークンを並べる特化型のアーキタイプが復権してくる可能性はありそうです。

ナヤ(白赤緑)、バント(白青緑)、ジャンド(黒赤緑)辺りに新機軸のデッキがトーナメントシーンに出てくるかもしれません。

おまけ:ヨーリオン

モダンで禁止されました。

理由がデッキ枚数が多いと紙でのプレイが大変だから……ということで、トーナメントで時間が掛かるデッキが増えるのを危惧した模様。

モダンだとフェッチランドが使える筈なので、毎回毎回シャッフルってなると手間がかかるし、高額カードが多いから物理的な事故の危険がある……ってことぉ?

まぁ《師範の独楽》が禁止されている位ですしね。スタンダードリーガルのときは私も独楽をグルグルさせてましたが、相手からしたら面倒くさかったでしょう。

ということは、数が増えたら《機知の戦い》も禁止される可能性が微レ存。こやつデッキ枚数を240枚とかにしてくるので、偶にいたら笑えるけど、流行したらシャッフルの大変さはヨーリオンの比に成らぬ。

初めて収録されたオデッセイの直後からエクステンデッド(今で言うパイオニア)にチラホラいましたが、こんなカードが再録されるなんて当時の人は思うまい。