MTG: スパイダーマン(領界路の彼方)のドラフト攻略

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海外マーベルの有名アメコミ「スパイダーマン」とのコラボ。MTG x スパイダーマンにおけるドラフトの攻略についてです。

2ピックドラフトが本格実装された初のセットなんですが、コスパが良かったので、普段より多めに回してミシック600位くらいまで上げての所感になります。

お互いのレアをぶつけ合う友好2色環境であり、白緑のウェブスリングと蜘蛛が環境を牽引しています。

MTGアリーナでは版権の問題から「領界路の彼方」となっており、イラストと一部のテキストが変更されていますが、本稿では原型である「スパイダーマン」前提になっています。

概要

2ピックのコツ

公式が設計段階で2ピックを意識したセットであると述べており、近年では珍しい友好2色のみを意識したセットになっています。

今回、初めての実装となる2ピックですが、決め打ちドラフトをすると失敗しやすい一方、卓の流れを見てデッキを構築する受けドラフトだと戦績が安定します。

パックの中から2枚ピックなので、上家からの主張が見えやすく、下家の色をコントロールしやすい利点があります。パックの中で取りあえず強いカードを取るのは基本ですが、下家にどの色のカードを流すかを考慮しておくと、プレミアドラフトよりも上手くいきます。

例えば、初手のパックにプレイアブルな緑のカードが4枚あった場合、緑および緑友好色のデッキは下家と被るリスクが高まります。プレアイブルなカードが2枚~3枚くらいの色を狙い撃ちし、上からの主張を見つつ色を決めると勝率が安定します。

なお、スパイダーマン環境は明確な赤一弱の状況なので、下家が赤を握ってくれるのがベストです。自分自身はできるだけ赤に触れないようにしましょう。赤の除去などを流して、下を赤く染めましょう。

友好色レア環境

レアも全体的に強力で、取りあえず場に出れば活躍してくれることが多いです。

最近のセットだと「タルキール龍嵐録」に近いものの、IHHの中央値、偏差値共に少しずつ上回るので、それ以上にお互いにレアを出し合って戦う展開になりやすいです。

友好色についてはマナ基盤も比較的に整えやすいので、強力なカードをタッチで採用でき、特に緑軸だと黒ダブルシンボルみたいな無茶なタッチもできます。

そしてレアゲーになりやすい都合上、それを排除できる各種除去の価値も大きくなります。

私も色々試したんですが、除去の枚数さえあればクリーチャーは小粒がズラズラ揃っているだけでも完勝できる一方、レアは多いけど除去が全然取れなかったパターンは勝ち切れないケースが多いです。

テンポ負けしない小型クリーチャー、そしてボムに対応できる除去を意識してピックすると良いです。

ウェブスリングとコンバット

ウェブスリングは過去に存在していた忍術にも似たギミックで、タップ状態のクリーチャーを手札に戻すことで、正規より少ないマナコストで唱えられます

クリーチャーを手札に戻すのはデメリットではあるものの、出たとき能力を再利用できるので、上手く使えば更なるアドバンテージにも繋がります。

出たときに1ドローや、出たときに+1/+1カウンターをばら撒く、出たときに土地を1枚サーチするなど、長期戦に強くなるアクションなので、狙えるときに狙っておきたいです。

逆を言えば、相手が再利用を狙っている状況ならブロッカーを積極的に立てる必要がありますし、多少不利でもブロックせざるを得ない状況も発生します。

警戒や接死持ちのクリーチャーが意外と役立ったり、計画を狂わせるジャイグロ系のスペルが普段より強かったりする一因になっています。

主だったアーキタイプ

中心色評価方向性

(アゾリウス)
B改善を利用したアグロ
+1/+1カウンターを上手く使うと強力

(オルゾフ)

(ボロス)

(セレズニア)
Aウェブスリング特化
マルチアンコが強力で一番人気

(ディミーア)
B墓地肥やしコントロール
悪人に依存した部族色も強いです

(イゼット)

(シミック)

(ラクドス)
C大混乱に特化
かなり不安定でデッキになりにくい

(ゴルガリ)

(グルール)
C赤の大混乱が不発になりやすく
除去も白に比べて貧弱
アーキタイプ一覧

緑軸であれば、対抗色でもデッキになることはあるものの、基本的には友好色でデッキを組みたいです。

また赤系が明らかに凹んでいる状態なので、それを避けたアゾリウス、ディミーア、セレズニアを取り合う形になるので、速い段階で色を決めて、下家をコントロールするのが良いでしょう。

各色の状況

優秀な除去を有する色で、白青、白緑と受けが広いのが強みです。

《壮大な作戦》は普段ならアンコモン枠だろうカードなんですが、何故かコモンで収録されているので、リミテッドでは攻防の要となる1枚です。大型クリーチャーに対する除去としても優秀なんですが、呪禁で自身のクリーチャーを除去から守れるので強力です。

クリーチャーとしては《スカイワード・スパイダー》と《デイリー・ビューグル社の記者》が強力で、今回の白は+1/+1を活用した高速アグロを得意とします

白緑のマルチアンコが強力なので、白緑が1番人気ではあるものの、白青の飛行アグロも優秀なので、どちらに寄せるかの自由度がるので、初手で白レアを拾いやすいです。

何よりマナ基盤の強さがレア環境での助けになってくれる色です。

《蜘蛛の顕現》は2マナのマナクリーチャーながら、到達持ちで飛行アグロに対しての備えになりますし、4マナ以上でアンタップするので、中盤の展開を見た目以上に助けてくれます。

《プロレスラー》と《ブルックリンの空想家、スパイダーマン》は多色サポートとして優秀で、後半に強力な他色のボムを採用しやすくなります。盤面を支えつつ、後発に繋げる優良コモンです。これらのおかげで強力なレアを無理矢理採用するデッキを実現します。

除去については頼りないよりの色なんですが、アンコモンの《見事な連携》と《ライノの猛威》があるので、それらは積極的に取っておきたいです。

なお、赤緑にすると除去が弱くなって奮わないことが多いので、できるだけ白緑の形にしたいです。

リミテッド環境の黒では毎度おなじみのパターンですが、除去の強さが本質の色です。

コモンにある《スコーピオンの毒針》と《ヴェノムの飢え》、アンコモンの《スポットのポータル》は黒を支える優秀な除去カードです。

相手のレア対策に除去はいくらでも必要な、分かりやすく需要の高いカード群なので、これらが3手目あたりに流れてくれば、黒は空いていると考えて色替えも考慮したいです。

クリーチャーは打撃力控えめなんですが、接死などをうまく活用して防ぎたいです。攻撃面は相方の色に頼む部分が多いと思います。

黒赤は不安定で形になりにくいので、青黒の形にするのが本命です。悪人が多いので部族デッキとしてまとめたり、除去とドローで重コントロールも狙えます。

メインカラーにするには不安が残るものの、縁の下の力持ち的な色です。

主力になるのは飛行を持ったクリーチャー群で、コモンの《ミステリオの幻》とアンコモンの《空飛ぶオクトボット》は、地味に敵のライフを削る能力があります。

白青だと+1/+1カウンターを載せてみたり、青黒だと墓地から使える起動能力や悪人シナジーを利用できるので、見た目よりも影響力があります。

欠点は除去の弱さであり、今回は2マナの不確定カウンターすらありません。レアが強い環境だと、カウンターも有用なケースが多いのですが、ダブルシンボル3マナの《アメイジング・アクロバティック》だと、後手で構えるのがしんどいケースがあります。

白や黒のサポート色として、飛行の水増し、+1/+1カウンターの利用、悪人の部族シナジーの確保などに役立つものの、メインカラーにするにはアンプレ1なカードが多いので注意が必要です。

今回の露骨なルーザーカラーで、迂闊に参入すると火傷する色です。

まずコモンのカードが軒並みアンプレよりであり、入れるとしても3マナ4点の《エレクトロの電撃》くらいという悲惨な状況になっています。再録されている《ショック》も環境的に刺さりにくい。

アンコモンについては3マナで5/4速攻の《怒り狂うゴブリノイド》や、2点火力を内蔵した《揺るがぬ者、ショッカー》など有力なカードはあるものの、それだけで参入するにも怖さがあります。

特に赤黒の形はテーマの大混乱が不安定なので、戦績を安定させるのが難しいです。正直、レアの《ゴブリンの影》ありきだと思います。

緑軸の場合は、純正赤緑になることが好ましくないので、白の除去を足すなどして戦力不足を補いたいです。デッキ中の赤が濃い程に勝率が下がる傾向にあります。

今回のボムレア

蜘蛛を貪る者、モーラン

強力なレアが多い環境なんですが、その中でも飛びぬけた強さを持っている1枚です。

本体X点のドレインがゲームを決めることが多く、場に残るとダメージレースを崩壊させる大型の絆魂生物になります。バウンス、墓地回収、ウェブスリングで再利用できれば更なる活躍も見込めます。

黒のダブルシンボルではありますが、緑絡みだとピック次第で普通にタッチできるので、採用できるデッキは意外と広いです。

狡猾な怪盗、ブラックキャット

やっぱり強力な黒のレアで、相手のデッキの上から9枚を見て、そのうち2枚を奪い取れるというトンデモなカードです。

抱き合わせだけあってコストパフォーマンスに優れており、《食料補充(DFT)》の強化版に2/3クリーチャーが付いてきます。

リミテッドではデッキの中の強いカードは限られているので、それを相手のデッキから奪い取って、将来的な脅威を軽減できるという点も優秀です。

  1. アンプレ: アンプレイアブルの略。実戦レベルにないカードのこと。 ↩︎
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