MTG: 「ファウンデーション」ドラフト攻略

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売り上げが芳しくないという理由でたびたび廃止になってきた基本セットが帰ってきた。初心者向けセットのリミテッドとあって、オーソドックスなミッドレンジ環境となりました。

あんまりアーキタイプを意識する必要はなく、パワーカードを集めるのが良いです。地力の勝負になるので、追加でカード引けたり、継続的にトークンを出せるカードが強い。

あんまり色の強弱は無いのですが、頭でっかちな緑だけがクラスに馴染めず浮いている感じです。二人組になったときに、長期戦が苦手という欠点が出てしまうので、ローグよりのポジションになっています。

概要

ミッドレンジ環境

ここ最近のドラフトでは珍しく、先手後手の勝率差が少ないです。例によって2色が推奨されている環境なのですが、採用されているアーキタイプが全体的に防御的で、中速の方が有利だからだと思われます。

速効になるのが白赤、赤緑くらいで、動き出しが緩やかになりがち。3~5マナのクリーチャーが強いので、無暗にテンポを取っても勝ちきれないです。クリーチャーのサイズ、カードアドバンテージの重要性が高いミッドレンジ環境だと言えます。

中盤あたりにカードを組み合わせたシナジー効果を利用したり、マナ域に沿ったサイズのクリーチャーを叩きつけたりで、ボード差が急激に拡大し、そこからは速やかに終了するような展開が一番多いと思います。もし終わらなかったら、怒涛の延長戦に突入です。

色の強弱もあんまり無いので、各色の強いところだけを拾って、グッドスタッフになるのが理想のピックだと思います。あまりアーキタイプに拘ると、カードの質が下がるので勝率が下がります。単体で強い、緩い条件でアドバンテージが稼げるカードを集めるのが基本戦略となります。

メタはコントロールへ……

ミッドレンジ環境の常として、除去とドローが取りあえず強いです。

小型地上クリーチャーの賞味期限が短く、中型のクリーチャーに依存しているので、除去系のカードが全体的に刺さり安いです。少し重たい4マナの除去も安心して使えます。

手札を増やせるドローやルーティングも強力であり、今回は2ターン目に《熟慮》も普通です。それを受けて白青、青黒のコントロールの勢力が拡大しつつあります。《戦慄翼の掃除屋》なんかは後から評価が上がったタイプです。

戦慄翼の掃除屋

アグロチックな構築もまだまだ多いですが、その場合でもマナフラ受けができるカードは必ず採用したいです。全ツッパだと息切れして負ける展開に陥ります。

主だったアーキタイプ

例によって2色毎にテーマがあるのですが、普段よりも機能していないパターンが多いです。

テーマに沿った方が強いのがボロス、グルールぐらいで、後は無視して強いカードを拾うなり、部族シナジーを優先した方が良いと思います。

中心色速度評価方向性

(アゾリウス)
A一応、飛行アグロ
コントロールになることも多い(参考)

(オルゾフ)
B一応、ライフゲイン
速効系には耐性がある

(ボロス)
B横並べアグロ
飛行が揃っていると強い

(セレズニア)
B一応、+1/+1カウンター
横並べ+全体強化が本命か?

(ディミーア)
A一応、スレッショルド
コントロールが強い環境なのが追い風(参考)

(イゼット)
C果敢
カードパワー不足。成立難易度が高い

(シミック)
C一応、上陸
緑の壁能力が不足していて厳しい

(ラクドス)
A一応、強襲
コモンでパクリファイスできるのが強み(参考)

(ゴルガリ)
C一応、陰鬱
死亡誘発を生かせるカードがない……

(グルール)
Aパワー4参照
少数派故に強いローグポジション(参考)
アーキタイプ一覧

各色の状況

白、 黒 > 青 、 赤 > 緑

緑だけは明確に負け組なんですが、他はそこまで大きな差はありません。緑は単独のパワーではそこそこの水準なのですが、方向性のギャップに苦しんでいる印象です。

普段のリミテッドよりも防御的で、前のめりなデッキには向かない色になっています。ライフゲインできるカードがかなり多く、普段よりも長期戦志向です。

全体的にカードの質が高いので、どの色と組んでもそこそこ戦えるのが強みです。軽量な飛行が揃えば白赤アグロも強力ですし、白青は長期戦にも強い有力ミッドレンジです。

白青はリリース前の下馬評でも高い評価を受けており、実際にも強力だった有力アーキタイプです。飛行クリーチャーを並べ、ロードで強化して殴りきる...

主力アンコモン

条件付きでアドバンテージを稼げる優秀なアンコモンが多いです。《セラの天使》は他の3枚に比べると明らかに力不足なんですが、4/4飛行、警戒が環境にフィットしているので、フィニッシャーとして採用できます。

主力コモン

白系のアグロを組むなら《癒し手の鷹》の枚数が重要で、《絢爛たる天使》がタフネス3のフライヤーで信頼性があります。どちらもライフゲインの誘発キーなので、色を選ばない活躍が見込めます。

普段より低速化しているので、ドロー系のスペルなどが使いやすい点が追い風です。カウンターも慌てて撃つ必要がないので、ピンポイントで強く使えます。

青のアンコモンは全体的に強力なカードが多いです。白青、青黒の組み合わせで猛威を振るいます

青黒のスレッショルドデッキは、ファウンデーションのドラフト環境において、後から頭角を現してきたメタゲームの産物的なアーキタイプです。 ...

主力アンコモン

《悪戯な神秘家》がチャンプ要員を出しつつ、フィニッシャーにもなる強力なカードです。最速で出してもいいのですが、4ターン目にダブルアクション狙いも良いです。

主力コモン

《熟慮》はトーナメント実績もある優秀なドローで、赤緑以外には2ターン目に撃てるので使いやすいです。《論破》も後半になると土地をスペルに変換しつつ、ボムを弾けるのが強力。

  • 優秀な除去
  • 墓地回収によるレアの再利用
  • 妙にでかいデーモン

――と普段と大差ないラインナップながらも、今回は環境適性があるので強いです。黒が強いのでメインカラーにしやすく、ダブルシンボルの除去も撃ちやすいです。

青黒は優秀なコントロールになりますし、黒赤は安上がりにパクリファイスができるのが強みです。

黒赤サクリファイスは「ファウンデーション」のドラフトにおける有力アーキタイプの一つです。ミッドレンジにおいて除去を厚く取れるのが利点であり...

主力のアンコモン

主力のコモン

《寄生の賢者》は生贄シナジーの種で、1/1飛行が後から出てくるので序盤の航空戦力にもなります。

環境がミッドレンジ、それへのメタでコントロールが増えているので、環境的な逆風がある色です。除去は優秀で、他色の補助には向いていますが、メインになるような色ではないと思います。

主力アンコモン

主力コモン

《噴出の稲妻》がずば抜けて強く、次点は《血まみれ角の略奪者》ですが、あとは積極的に取るかは怪しい立ち位置です。《不本意な雇用》は赤黒なら強く使えますが、早い手順で取るには難しいところがあります。

環境的に逆風が強い色です。特に今回の緑は妙に尖っているというか、アグロよりのミッドレンジしか道がないという状態です。

普段の緑というと《蜂蜜マンモス》みたいな6マナのライフゲイン付きの大型生物、4マナの手ごろな壁役がいて防御もできる色なのですが、今回は頭でっかちなクリーチャーだらけ。除去もここ数年で最弱のレベルなので、受け身になると負け筋になります。

意外とカードパワーは高くて、粒自体は揃っているものの、地上クリーチャーで殴り勝つだけの肉質が必要です。現状、緑が不人気で緑単に近い構成を取りやすいので、地味に狙い目です。

ファウンデーションのドラフト環境において、最もアグロ戦略に適しているのが赤緑ミッドレンジです。マナクリーチャーから3マナ、4マナのクリーチ...

主力アンコモン

《伐採の一撃》は緑における数少ない優秀な除去で、カウンターを乗せつつビームを飛ばします。緑の強いセットだったら、同じ水準のカードがコモンで収録されている気も……。

主力コモン

兎にも角にも《ラノワールのエルフ》が大事です。環境的にコントロールが増えているので、今環境では珍しい先手最強ムーブの立役者です。

今回のリミテ番長

力戦の斧

装備コストが重いので微妙かと思いきや、リミテッドでは1枚で勝てるレベルの強さがあります。しかも無色なのでどのデッキでも入る。マジ物のマストピックです。

魂を紡ぐもの

3マナ4/3到達と信頼できるスペックに加え、相打ちしたらカード損になるという凄まじい効果を掛けます。

単純に緑系アグロで強力な3マナ圏ですし、黒系なら生贄のシナジーがあるので、タッチで入れるべき1枚。《死体の偽装》があるので、そこからでる宝物で色マナもカバーできます。

運命の管理者

偽の《嘘か誠か》を搭載したクリーチャーです。打ち消せないのも地味に強力で、ミシック帯がコントロール塗れになりつつあるので、環境的にも最適な1枚です。《論破》されません。

スタンダードだと絶対に使われないけど、変なところで市民権を得てしまった

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