MTG: アルケミーのデッキと初期環境について

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アルケミーはMTGアリーナで突如として発表され、リリースされる流れとなった新フォーマット。専用の強力なカードが追加され、一部のカードが弱体化されています。

2021年度の年末イベントでも初日のテーマとして採用されており、規定数の勝利を得ることで本選への出場に繋がるトークンが貰えます。

同イベントでは参加者のデッキが玉石混交状態過ぎて、どうこう言う前に当たり運に左右される印象ですが(ガチデッキに当たるときは本当に当たるし、当たらないときは全く当たらない)、アルケミー環境下の流行やメタについて残しておこうと思います。

白い悪魔(審問官の隊長)によるクレリックの躍進

同時代のスタンダードではTier1に相当する緑単と白単なんですが、アルケミー環境では奮っていない状況です。そうなった原因の一つとして、審問官の隊長を得たクレリックが大きく躍進したことが挙げられます。

審問官の隊長は瑠璃池のミミックと組み合わせることで能力が連鎖し、4マナで盤面のクロックが急増します。

とても4マナの動きではないのでそれだけでも強いのですが、クレリックの場合はライフゲインによる横のシナジーがあるので、隊長からの連鎖で地上のクリーチャーが巨大化しやすく、一般的なアグロデッキに対して有利になります。

アルケミー環境下において、緑系のアグロや通常の白単が一気に衰退した最大の要因と見られます。

クレリックならば、審問官の隊長を英雄たちの送り火でサーチできるし、隊長から出てきたガチャハズレすら送り火の種になるしで、この白い悪魔を最大限に活用しています。

瑠璃池のミミックの関係から白青黒、白青、白青緑のいずれかになりますが、白青黒のエスパークレリックが恐らくは最大勢力です。

一般的なエスパークレリックの構成
デッキ
4 月皇の古参兵 (MID) 27
1 平地 (MID) 380
4 審問官の隊長 (Y22) 8
4 正義の戦乙女 (KHM) 24
3 スカイクレイブの秘儀司祭、オラー (ZNR) 233
2 精鋭呪文縛り (STX) 17
4 祝福されし者の声 (VOW) 44
4 陽光昇りの小道 (ZNR) 259
4 英雄たちの送り火 (KHM) 241
4 砕かれた聖域 (VOW) 264
4 玻璃池のミミック (ZNR) 60
1 スカイクレイブの亡霊 (ZNR) 39
4 連門の小道 (KHM) 260
4 清水の小道 (ZNR) 260
2 さびれた浜 (MID) 260
2 スカイクレイブの僧侶 (ZNR) 40
2 見捨てられた交差路 (Y22) 63
4 生命の絆の僧侶 (ZNR) 222
2 消失の詩句 (STX) 244
1 シガルダ教の福音者 (Y22) 9

サイドボード
2 強迫 (MID) 98
2 レイ・オヴ・エンフィーブルメント (AFR) 116
2 真っ白 (STX) 72
1 スレイベンの守護者、サリア (VOW) 38
2 スカイクレイブの亡霊 (ZNR) 39
2 精鋭呪文縛り (STX) 17
1 勇敢な姿勢 (VOW) 42
2 スレイベンの守護者、サリア (VOW) 38
1 消失の詩句 (STX) 244

ただしクリーチャーの枚数が多すぎるので器用さに欠けるという欠点を持ちます。隊長の条件は3マナ以下のクリーチャー枚数なので、あるいはデッキ総数を80枚くらいにして、デッキのバランスを整えた方が良いのかもしれません。

恐ろしい子 (ドラゴン)

MTG界のコッコルピアこと恐るべき仔竜を使ったドラゴンの部族デッキです。

仔竜を除去されなければ、ドラゴンのコストがドンドン下がっていくので、各種バウンスに耐性が付き、青系のコントロール全般に対して強いです。白青の厳粛なる粛清にもドラゴンが引っ掛からないので、ごり押しされると対処方法が無くなります。

大型のドラゴンとしては、弱体化されたけど今だ健在な黄金架のドラゴンの他、アルケミーからの新顔である街裂きの暴君は大抵採用されます。

あとは採用色によって左右されますが、赤を基本色にして様々なバリエーションが存在しています。白で対クレリックに寄せたり、黒で宝物シナジーを取り入れたり、緑でマグダグルールの形にしたりです。

以下はオーソドックスな黒赤の一例。

デッキ
2 山 (VOW) 401
1 沼 (VOW) 400
4 隠棲した絵描き、カレイン (AFR) 225
2 ヴォルダーレンの末裔、フロリアン (MID) 223
2 イマースタームの捕食者 (KHM) 214
3 冥府の掌握 (MID) 107
2 棘平原の危険 (ZNR) 166
2 星山脈の業火 (AFR) 151
4 街裂きの暴君 (Y22) 45
2 月の帳の執政 (MID) 149
4 A-黄金架のドラゴン (KHM) 139
4 恐るべき仔竜 (Y22) 40
4 憑依された峰 (MID) 263
4 荒廃踏みの小道 (KHM) 252
2 髑髏砕きの一撃 (ZNR) 161
2 目玉の暴君の住処 (AFR) 258
2 バグベアの居住地 (AFR) 254
2 見捨てられた交差路 (Y22) 63
4 よろめく怪異 (AFR) 119
4 ドラゴンの女王の寺院 (AFR) 260
2 命取りの論争 (AFR) 94
2 無謀な嵐探し (MID) 157

サイドボード
1 真っ白 (STX) 72
4 強迫 (MID) 98
2 レイ・オヴ・エンフィーブルメント (AFR) 116
1 真っ白 (STX) 72
2 墓地の侵入者 (MID) 104
2 脆性破 (Y22) 37
2 影の評決 (ZNR) 124
1 食肉鉤虐殺事件 (MID) 112

新たなる青

アールンドの天啓が弱体化されすぎて空気になりましたが、霊媒者書庫の鍵公式発見を得たことで別の形へと変貌しました。

特に書庫の鍵は勝ち手段を兼任したマナ加速なので、ドラフトでピックできたカードによっては、それから数ターンのうちに勝利できる場合もあります。

書庫の鍵から出てくるランダムなカードとしては、悪魔の教示者時間のねじれ副陽の接近の3枚が当りカードです。これらのカードを溺神の信奉者リーアで2回使って制圧するというのが大まかな動きですが、最終的にはドラフトの運次第なので、出たところ勝負な側面は残ります。

最初はクレリックに対しての強さから神聖なる粛清を採用した青白の形が流行しましたが、大振りなので相性が悪い相手も多く、霊媒者と組み合わせて強いカードも少ないので、BO3での立ち位置は奮っていません。

神聖なる粛清

青黒の形はハンデスを採用できるのが利点で、霊媒師で軽量化したペラッカの捕食真っ白をリーアで連打でき、墓地対策も兼ねた影の評決があるのでクレリックにも耐性があります。ドラゴンのぶん周りには対応しにくいですが、コントロール同系なども含めてバランスが良い。

青赤は感電の反復で天啓をコピーするという黄金ムーブこそ無くなったものの、鍵から出てくるカードをコピーするという勝ち筋があるのと、霊媒師と相性が良いカードが多い、重たいカードに繋げやすいなどの利点があります。棘平原の危険で恐るべき仔竜を除去しやすいので、ドラゴン相手にも耐性があります。

イゼットの場合(デカスロン初日7勝したもの)
デッキ
4 山 (MID) 383
4 ゼロ除算 (STX) 41
4 河川滑りの小道 (ZNR) 264
3 表現の反復 (STX) 186
3 ジュワー島の撹乱 (ZNR) 64
3 書庫の鍵 (Y22) 59
3 予想外の授かり物 (AFR) 164
2 ストーム・ジャイアントの聖堂 (AFR) 257
2 感電の反復 (MID) 224
3 島 (MID) 381
2 廃墟の地 (MID) 262
2 消えゆく希望 (MID) 51
4 棘平原の危険 (ZNR) 166
2 見捨てられた交差路 (Y22) 63
1 家の焼き払い (MID) 131
4 嵐削りの海岸 (VOW) 265
4 霊媒者 (Y22) 17
2 悪魔の稲妻 (KHM) 129
2 溺神の信奉者、リーア (MID) 59
2 燃えがら地獄 (ZNR) 136
3 公式発見 (Y22) 15
1 船砕きの怪物 (VOW) 63

サイドボード
1 環境科学 (STX) 1
1 マスコット展示会 (STX) 5
2 才能の試験 (STX) 59
1 アルカイックの教え (STX) 57
2 軽蔑的な一撃 (KHM) 54
1 脆性破 (Y22) 37
2 くすぶる卵 (MID) 159
1 竜巻の召喚士 (KHM) 52
1 燃えがら地獄 (ZNR) 136
1 家の焼き払い (MID) 131
2 炎恵みの稲妻 (VOW) 158

それぞれ長所短所があるので、どの色の組み合わせが今後残るのかはメタゲーム次第だと思います。

アールンドの天啓については前述のとおり採用率が急落していますが、悪魔の教示者でサーチするために1枚だけ採用しているパターンはあるのかも。

吸い過ぎ黒コン(血塗られた刷毛)

血塗られた刷毛が加わり、死亡誘発時のドレイン効果が相当に強化されました。本体のエンチャントも血トークンを使ったときにドレインする効果が付いていますが、一緒に出てくるクリーチャー「血の芸術家」の方が重要です。

血塗られた刷毛

血塗られた画家は食肉鉤虐殺事件と比べて4倍の効果を持っており、クリーチャーが並ぶ展開になると恐ろしい速度でドレインしていきます。この手のデッキの特性としてクレリック相手には有利に戦えます。

また血塗られた刷毛がもたらす吸引効果があまりに強力なので、これまで苦手だった青系に対しても戦えるようになりました。特に決定力の乏しい青白などはむしろ微有利な相手です。ハンデスで厳粛なる粛清を抜けば、処理も難しくなるからです。

氷雪を採用して黒単色で固めるか、黒を基本色として白や赤を足すことになります。下記は対クレリックを見た黒赤の構築例です。吸血鬼のシナジーを強めに採用しています。

デッキ
4 血塗られた刷毛 (Y22) 32
3 山 (VOW) 401
3 ヴォルダーレンの投血士 (VOW) 137
3 棘平原の危険 (ZNR) 166
4 よろめく怪異 (AFR) 119
3 沼 (VOW) 400
3 命取りの論争 (AFR) 94
4 ヴォルダーレンの美食家 (VOW) 182
4 不吉なとげ刺し (VOW) 112
4 憑依された峰 (MID) 263
4 荒廃踏みの小道 (KHM) 252
2 バグベアの居住地 (AFR) 254
2 目玉の暴君の住処 (AFR) 258
3 イマースタームの捕食者 (KHM) 214
2 アガディームの覚醒 (ZNR) 90
2 冥府の掌握 (MID) 107
3 食肉鉤虐殺事件 (MID) 112
1 面汚しの乙女、エインジー (VOW) 231
2 見捨てられた交差路 (Y22) 63
2 呪い縛りの魔女 (Y22) 24
2 税血の収穫者 (VOW) 232

サイドボード
3 強迫 (MID) 98
2 真っ白 (STX) 72
2 墓地の侵入者 (MID) 104
2 レイ・オヴ・エンフィーブルメント (AFR) 116
2 威圧する吸血鬼 (VOW) 154
1 罠を探す (AFR) 92
1 蜘蛛の女王、ロルス (AFR) 112
2 スカイクレイブの影 (ZNR) 125

まとめ

緑単、白単、イゼット天啓の3強になっていたスタンダードをベースに特殊な改良を施したアルケミーですが、バランス調整は大味と言うか、追加されたカードが異様に強いです。

猫戦車、野心家、天啓、黄金架と弱体化を受けたカードはあるんですが、元のそれらに匹敵するか、あるいは超えているだろうカードが無造作に追加されており、今にも弱体化されそうな雰囲気を醸し出しています。

上記で挙げたカード達はその候補で、特に審問官の隊長なんかは筆頭だと思います。これのせいで多くのデッキが環境から抹殺されました。

またアルケミーの大きな欠点なんですが、弱すぎたカードを強化するのはまだしも、強かったカードを弱体化というのはどの環境を目線にするかで話が変わってきます。

スタンダードだとヘイトを集めるくらいに強くても、ヒストリックの環境では違うので、そんなことを繰り返していたら今後のカードがヒストリックで全く使えない状態になるのでは……という疑念があります。

スタンダードとの差別化を図ろうとすると、少数の専用カードが強すぎて滅茶苦茶になるし、そうでなければスタンダードで良いやとなる。どちらに転んでも失敗が見え隠れしています。

はっきり言って、すでに暗雲垂れこめている状態で、このフォーマットが定着する可能性は低そうな気がします。

コメント

  1. 匿名 より:

    ミシック1位の方は審問官ミミックコンボ搭載のラクドス赤黒白青の4色カラーでした。
    強いギミックは無理矢理詰め込む感じ。
    土地基盤がガタガタだけど、血塗られた刷毛の吸引で鬼のようにドレイン&盤面も審問官がヤッチャウコンボ!