「サンダージャンクションの無法者」をそれなりに回したあとの所感まとめです。
騎乗を有するセレズニアがトップの環境で、主要パーツが揃うとすさまじい打撃力を発揮します。白黒の除去を有したゴルガリ、オルゾフのコントロールよりのデッキがそれに対抗する形となっています。
騎乗以外はシナジーが機能不全ゆえにグッドスタッフ系の環境なので、レアの枚数等も重要です。
ビッグスコアのレアが通常パックよりも出やすいのですが(4倍以上)、ドラフトでは使えないカードが多いので、通常枠のレアが一番重要です。上位帯はボムの応酬になっていて世紀末感が凄いです。
目次
主要メカニズム
騎乗
騎乗は既存メカニズムである搭乗をクリーチャーへと変えたものですが、騎乗はソーサリータイミングでしか使えません。騎乗を条件に能力を誘発でき、その後の攻撃が効果的になります。
騎乗を持つクリーチャーは、全てが乗騎というクリーチャータイプを持っています。
乗騎を参照するメカニズムがおおよそ強力、乗騎のメインカラーである白緑クリーチャーの質が高いので、環境をリードしている存在と言って良いでしょう。
乗騎を強化するロード《群れと話す者、ミリアム》は、攻撃さえ通せば永続強化になるので特に強力です。
悪事を働く
敵プレイヤー自身や、敵プレイヤーのコントロールするパーマネントを対象に取ることを指します。悪事を働くことで誘発する能力も各色、各パーマネントに存在します。
散発的に悪事を働くことは難しくないものの、それを継続的に起こせるかは運次第です。メインにするよりは脇を固めるサブプラン。
極端に寄せるとデッキパワーが下がって勝てなくなります。
レア、神話レアになると、1枚でとんでもないことになるカードもあるので、それを軸に成立させる少数精鋭の形で利用する方が無難。
無法者
- 暗殺者
- 海賊
- 邪術師
- ならず者
- 傭兵
――それらをまとめて無法者で括る。お前も! お前も! お前も! 俺の為に死ねっ!
そんな無法者ですが、部族的な運用はあんまりです。関連カードが弱いので遭遇率も低い。やっぱり無法者には協調性が無いということなのか……。
計画
1ターン犠牲にすることになりますが、コストが軽減されたり、特殊な能力が付与される誘発能力です。計画した次の自ターンにて、コスト0でプレイできます。
問題はクリーチャーのカードパワーが上がり過ぎているので、1ターンのロスが極端なマイナスになりやすいこと。
カードアドバンテージを取れる計画については、コントロールミラーみたいな状況で強いですが、盤面を取り合っている際の迂闊な計画は命取りになります。
各色の特徴
緑 > 白、黒 > 赤 >青
緑
クリーチャーサイズがかなりインフレしており、サンダージャンクションの環境を主導している最強色です。
単純にサイズが大きいだけでなく、警戒、到達、護法などが充実しており、壁になる能力が高いです。他色のクリーチャーに対して優位性があります。
緑系の特有のマナサポートもあるので、ボムレアにアクセスしやすいのも魅力。
カルロフ邸の白ほどは偏っていないと思いますが、緑をやれるなら緑を素直に選んでおく方が無難です。
白
前回の「カルロフ邸殺人事件」では圧倒的な質の高さを持って環境を完全に支配していた色ですが、今回は少し強いくらいのポジションです。
他の色に比べて2マナ圏の選択肢が多く、攻撃的なものから防御的なものまで揃えており、序盤の安定性を高めてくれます。
また、今回は緑の大型クリーチャーがすこぶる強大なので、単体除去の種類が豊富な白は対応能力にも優れています。
黒
アドバンテージを稼ぐことに長けた色で、中盤から終盤にかけての強さが光ります。コモンでも1対2交換になるカードが揃っているので、青以上に手札が充実します。
緑の大型生物が強いことから、単体除去の信頼性も高いです。
ここ数セットは、小物が多すぎて速度不足だったり、護法持ちが多すぎて使いにくかったりで、質はあっても不発だった黒の除去ですが、環境のせいもあって立ち位置が大分良くなっています。
赤
全体的にパワー不足で不遇な色です。
緑と同じく攻撃的なクリーチャーが多いのですが、サイズが微妙に足りてないので、緑相手に抑え込まれやすい欠点を持ちます。
クリーチャーサイズが全体的に上がったせいで、火力系の呪文も通りが悪い場合が多いです。素直に4点飛ばせる《爆発的な脱線》は意外と貴重です。
素直に強いカードから拾うとあんまり赤にはならないというか、レア以外から参入するなら、赤緑のマルチカード由来であるパターンが多い気はします。
青
赤以上に初手で取りたいカードが少なく、恐らくは最弱の色です。線が細すぎるし、計画もテンポが悪すぎるので、兎に角プランが崩壊しやすい……。
色拘束も無駄にきつめで潰しが効かず、青絡みマルチカラーのカードも割と弱いので、ボムレア以外からの参入は止めておいた方が良いです。
主だったアーキタイプ
セレズニア、グルールの緑系ミッドレンジと、それに対抗するオルゾフ、ゴルガリのコントロールが拮抗する形になっています。
緑のマナサポートが強いのでタッチで3色になる場合も多々あり、グッドスタッフが強い環境なので、それぞれの境界線は曖昧にはなっています。
ミッドレンジ側は攻め手を除去されると辛いので、除去耐性を付与できるカードがあると勝ちやすくなります。コントロール側は黒の墓地利用を活用したいです。
中心色 | 評価 | 速度 | 方向性 |
---|---|---|---|
(アゾリウス) | C | 低 | ドローゴー テンポロスが酷過ぎてまず成立しません |
(オルゾフ) | A | 低 | トークン利用と言いつつ、ほぼ除去コン 確定除去が大量に積める |
(ボロス) | B | 高 | 傭兵アグロ アドバンテージを取れないのが欠点 |
(セレズニア) | A | 中 | 騎乗。クリーチャーとロードの質が共に高い (参考) |
(ディミーア) | B | 低 | 悪事に特化 トリガーとフックが揃う必要があり不安定 |
(イゼット) | C | 中 | 呪文2回キャスト 継続性が低いわりに、突破力がない |
(シミック) | B | 低 | 計画メインだけど、ランプ戦略の方が良い |
(ラクドス) | B | 高 | 無法者の部族 部族サポートがそこまで強くない |
(ゴルガリ) | A | 低 | リアニメイト特化 釣り元、先ともに豊富で高品質 |
(グルール) | B | 中 | パワー4以上 クリーチャーの質が高いので比較的狙い目 |
今回のリミテ番長
誰が呼び始めたかリミテ番長。レアなので頻出する割に強いので、今宵の番長たちも暴れています。
落星の学者、ロクサーヌ
新しい顧客を得るためなのか、いきなりプッシュされ始めた獣人シリーズの先駆けで、場に出るときにも、攻撃するときにもメテオを降らせてくる危険なメス猫です。
《隕石》に5マナ相当の価値があるかは別であると言っても、流石に2個、3個と出せれば、盤面が崩壊します。
乱伐者、ボニー・ポール
ローテーション後になると構築で使われる可能性もありそうなので、明確にリミテ番長かは怪しいものの、出てきたら大体終わりになるファッティ。
青x2とシンボルが重たいので、マナ基盤が厳しいのが欠点。
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