クリア後の感想と評価: バイオハザード ヴィレッジ

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  • ストーリー: 4点
  • グラフィック: 7点
  • 音響: 5点
  • ゲームプレイ: 5点
  • 作り込み: 5点
  • 10点: 史上最高(100年に1度)
  • 9点: 10年に1度の水準
  • 8点: 年間トップクラス
  • 7点: 十分におすすめできる
  • 6点: 普通水準で、おすすめできる
  • 5点: 普通水準
  • 4点: 明らかな失敗が見て取れる
  • 3点: 良い部分がない
  • 2点: 失敗では済まされない
  • 1点: 史上最悪(100年に1度)

概要

バイオハザード ヴィレッジはシリーズのナンバリングタイトル第8作に当たるもので、実質的にバイオハザード8と呼んでよい作品になっています。

バイオハザードシリーズは生物災害を題材にしたサバイバルホラーシリーズですが、ナンバリングタイトルだけでも様変わりしていることが特徴で、本作では直接的な前作であるバイオハザード7の仕組みを概ね踏襲しています。

操作キャラクターの主観視点から映したFPSになっており、物語の主要キャラクターも続投しています。

妻を訪ねて三千里。おじさんにパンチされたり、逆ロリババアに襲われたりした主人公イーサンのその後が描かれています。ただしシナリオのガバさは前作以上。突っ込みどころ満載なので、これならコメディに寄せた方が受けが良かったと思います。

シリーズでも評価が高いだろうバイオハザード4の影響を受けている雰囲気はありますが、根本的な部分がかなり違うので、類似作品だとは思わない方が良いです。

本作を総評するならごく平凡な作品と言わざる得ませんが、時間に追われていたのか相当粗削りな面が見られます。

2021年7月中にはリリースされる筈だった同梱のマルチも2022年に延期されてしまいました。DLCももう待ってられないし、本編をまたプレイする機会もないと思うので、これで最終評価ということで。

当然ながらネタバレがあります。

ストーリー: 4点

直接の前作である「バイオハザード7」でもまとまりに欠ける内容でしたが、本作でもその点は変わっておらず。前後関係を考慮していないため、犠牲になってしまった部分はあまりに多いです。

キャラクターの行動は多くの場合が支離滅裂で、特に重要な人物ほど言動の整合性が取れていません。

主人公イーサンのサイコパス感も前作から引き続きであり、言動がブレまくるので機械が人間の真似をしているみたいな不信感を抱かせます。家族のことなんて実はどうでも良くて、最後に滅茶苦茶しはじめる方が整合性が取れているくらいです。

そんな状態ですから細かい部分まで上げるときりがないですが、

  • 何度も村に帰ってくるなら村の住人は生かしておいた方がドラマになっただろうとか
  • ラスボスの変身能力もいくらでも使い道があっただろうとか
  • 赤ん坊の復活話に持っていく流れが不自然過ぎるだろうとか
  • ハイゼンベルクの下りはなんだったのかとか
  • クリスの行動が理にかなっていないとか
  • ミランダの行動が輪をかけて滅茶苦茶だとか

総じてB級映画にも満たない状態なので、クオリティについては期待しない方が良いと思います。

物語に勢いがないことも手伝って、違和感ばかりが先行します。まるで締め切りギリギリになって、ようやく初稿が上がってきたみたいな雰囲気が漂っています。

開発側もこれは突っ込まれると思ったのか、劇中で色々と言い訳をしていますが、それで何かが改善されるわけでもなく……。むしろ下手に拾わず、勢いでごまかしてしまった方が良かったのではないかと思います。

下手に触れてしまうと、普段そういう部分に鈍感な人にも馬脚を現しやすくなります。

いわゆる感動ポルノ的な演出に頼っていますが、行動の矛盾をキャラクターに押し付けたからポンコツまみれになっているし、違和感を感じるような演出が多すぎのが茶番感を増幅させています。

グラフィック: 7点

直近の前作であるバイオハザード7に比べると、表情の付け方などが自然になり、不気味さの谷を乗り越えたように見えます(ミアとか)。

ただし無難に良くできているものの、芸術面が今一つという点で近年のカプコンを踏襲しており、自然といえば自然なのかもしれませんが、ケレン味がないので印象に残りにくいです。

絵本のムービーは力作ですが、実プレイにおける風景や、モンスターについては何かしらのワンポイントが必要だったとは思います。

ただしドミトレスク城のパートは登場するキャラクターも、ロケーションとしても良くできており、それ以降のパートに比べると頭一つ抜けています。これで力尽きたのか、主戦力が集まっていたのか……。

全編このクオリティで進めてくれれば、あるいは8点にしかかもしれないです。

ムービーシーンは怖がらせようとするあまりか、過剰演出になっています。これは世にあるホラー映画でも良くやる失敗なんですが、やり過ぎるとギャグになったり、白けたりしてしまうので匙加減をミスってるなとは思います。

サウンド: 5点

可もなく不可も無く。

BGMも印象に残らないし、吹替も無難だし。

ホラー作品にとっては不安を掻き立てるという用途でSEが使われることも多いですが、本作では突然の驚かせ以外に使われている様子もないです。

ゲーム性: 5点

シンプルな探索シューターです。似たようなシステムのゲームはいくらでもありますが、欠点もそれらと共通しています。

例えばクラフトなんかはマップの自由度や、再帰性があって初めて成立するのですが、本作にはそのような下地はありません。これだとアイテムの取得にリアリティをもたらす側面も生まれず、無駄な作業がちょっと増えただけです。

探索ゲーとしても、最初のドミトレスク城で力尽きた感があり、段々と一本道になっていくあたりに時間が無かったことを窺わせます。

別に探索要素が薄くても、戦闘が形になっていれば良いのですが、シューターとしてはプレーン過ぎて良いとも悪いとも言いにくい。

敵のモーションが無駄に華麗なので(ラスボスとか)、これシューターじゃなくて近接バトルにした方が受けが良かったのではないか……と思う部分もあります。

ホラーゲームとしても中途半端であり、その取ってつけた演出のためにゲーム性が犠牲になっていたり、周回プレイにおけるマイナス要素にもなっています。

アンジーのパートなんかが代表的ですが、導入部分があまりに露骨すぎるので白けますし、冷静に考えると武器を取り上げる理由も無いです。別に消費した弾薬はロールバックすれば良いだけだし、無駄な演出を減らして武器の通用しない正体不明の敵で、あとから正体が分かって罪悪感を抱く……という流れにする方が口当たりが良かったのではないかと。

まぁ、この辺りはストーリー面の駄目さと共通していますが、演出面の粗っぽさがホラーとしての側面を喪失させているのだと思います。

作り込み: 5点

PC版だと虫がたかるシーンで急激なフレームドロップが起りますが、どうもパッチで修正されるらしいです(コピープロテクトの影響らしい)。

それを除けば目立つバグもないですし、無難なゲームには仕上がっています。

とはいえ、ホラーゲームとしては世界観の構築に失敗しており、時間切れになってしまった大味さが前面に出ています。

序盤のドミトレスク城までと、それ以降のパートでエネルギー量の差が顕著。ゲームデザインも危なげなので、予定していたレベルで作るにはリソースが足りていなかったとみられます。

周回要素もあるものの、新しい何かが増えるというわけでもないので、加点要素になるような要素ではありません。

そもそも挿入されているホラーパートが周回プレイの妨げになっています。この手のウォーキングシミュレーターというのは1週目の体験のみが全てなので、2度目になると無為に時間を過ごす感覚になります。どうせなら丸ごとカットできるような措置があっても良かったでしょう。

ゲームとしての規模は拡大したものの、リソース不足なのは前作から変わっておらず、それが色々と災いしてしまったのではないか……と推測されます。