2024年8月24日に発売されたヒーローシューター「Concord(コンコード)」が記録的な大爆死を遂げ、販売元のソニーが10日にして、サービス中止と返金対応を始めるという歴史的な事件が起きました。
2024年になって明確になってきた反ポリコレの流れを明確にするもので、失敗に至るまでの経緯から、ゲーム開発における数多の教訓を秘めています。
本稿ではそんな爆死ゲー「Concord」についてと、事件に至るまでの経緯についてまとめています。失敗に至るまでの経緯が様々なところから漏れていますが、明確な裏付けがあるわけではない点には注意してください。
目次
CONCORDとは?

Concordはソニー傘下の「Firewalk Studios」が開発したヒーローシューターです。同じくソニーが販売を担当したヘルダイバー2と同じで、リードプラットフォームはPS5ですが、STEAM版も同時リリースの形式となりました。
同じゲームジャンルの作品としては、2016年にリリースされたオーバーウォッチ、2007年に発売されたTeam Fortress2で有名です。
Concordはそんな先達の後を追った作品ではあるものの、キャラクターデザインがあまりにも酷いことで有名となりました。こういうとき擁護に回る筈の海外メディアですら醜いと言うくらいなので、外国人的に看破できない酷さなのかもしれません。




全15キャラクターのうち黒人が6名、エイリアン5名、ロボ1名と、明らかな偏りが見て取れます(うち1名はパイロット姿で黒人であることは判別できませんが、設定上は黒人です)。
ゲームプレイはまずまず良好という話も聞きますが、オーバーウォッチで言うところのウルトがないので、爽快感に欠けていて、すぐに飽きるとの証言もあります。ウルトはバランスブレイカーになりやすいので、開発が作為的に消したとのことです。

発売前のゲームプレイトレーラーのBAD数は6.9万件で、すでに危険な兆候があったようです。見たものに嫌悪を与えるという点で優れたトレーラーなのかもしれません。
結果、発売初日におけるSTEAMの最大同接は700名止まりで、AAAタイトル扱いのゲームとは思えない悲惨な滑り出しとなりました。このゲーム辿ることになった悲惨な未来は、この時点でおおよそ定まっていたと言えるでしょう……。
産声から、墓場まで(関連年表)
- 2016年
- ProbablyMonsters Inc.創設
- 2018年
- ProbablyMonsters Inc.の傘下として、Firewalk Studios設立
- 2021年
- Firewalk Studiosとソニーが独占販売契約を結ぶ
- 2023年4月21日
- Firewalk Studiosがソニーに買収される(参考)
- 2024年7月13日
- Concord ベータ先行アクセスの開始(参考)
- 2024年7月19日
- Concord オープンベータの開始
- 通算で最高のSTEAM同接数2338名を記録
- 2024年8月24日
- Concordの発売
- 発売後で最高の同接数697名を記録
- 2024年9月4日
- Concordのサービス中断、販売中止が告知(参考)
- 2024年9月6日
- Concordのサービス中止
- 2024年9月20日
- Firewalks StudiosのCEOが辞任
- 2024年10月30日
- Firewalks Studiosが閉鎖
開発に8年掛かった?
ヒーローシューターと言えば、アクブリのオーバーウォッチが有名ですが、本作はそんなオーバーウォッチの流行に際して企画が立ち上がったと言われているゲームです。

オーバーウォッチを知っている人なら違和感を感じたかもしれませんが、Concordの開発スタートは8年前の2016年だと関係者が証言しています(参考)。本当かどうかは定かではありません。
確かに親会社である「ProbablyMonsters Inc.」は、元BungieのCEOだったHarold Ryan氏によって、2016年に設立されていますが、開発スタジオであるFirewalk Studiosは2018年設立です。ソニーとの独占販売契約が2021年なので、実際の開発スタートはこの辺りじゃないかとも思えます。
仮に8年も開発していたとしたら、企画立ち上げから4年後にPS5が発売され、その更に4年後になってようやく発売にこぎ着けるというふざけた長期開発タイトルです。何かしらのトラブルや、プラットフォームの変更に伴う作業があったのは間違いなさそうですが、それにしたって時間が掛かり過ぎです。
予算を使い過ぎてもはや後退の2文字が無くなる心理現象をコンコルド効果と呼びますが、それを端的に表現したゲームなのかもしれません。
歴史に名が残る同接の低さ
ベータ時(最大同接2338名)

オープンベータの初日におけるピーク同接は約900名、翌日になって最大同接2388名を記録しますが、それがこのゲームのピークとなりました。全期間においてのピークです。
これはPC版だけの数字なのですが、先に発売されたヘルダイバー2のことを考えますと、市場規模はSTEAM > PS5の情勢です。最も数が多い筈のSTEAMでこの数ですから、PS5版の惨状も容易に想像できます。
ベータの最終日には同接が15名まで減少していましたが、真に恐ろしいのはこのゲームが有償販売であることでした。
そして、伝説へ(最大同接697名)
2024年8月24日にCONCORDは発売され、当日におけるSTEAMの同接は697名となりました。翌日は土曜日なのに更に人口は減少し、1週間後には40名以下まで落ち込みました。

恐らくはソニー傘下では史上最悪のリリースだったと思われます。ゲーム業界全体でも、大手から出されてコレなのは例を見ないと思います。
下記の記事によれば、アメリカにおける予想販売本数は2万本と言われていますが、本当に2万も売れたのかも怪しいです(参考)。一説によれば開発予算に300億~500億円を投じたとも言われているので、圧倒的な赤字を計上したと推測されます。
この悲惨な売れ行きに対して、元開発者が「このゲームをプレイしないのは才能の無い変人」と責任転嫁しています。なんか、この手の界隈だとよく見る光景です。

10日でサービス中止を告知
燦燦たるありさまとなったConcordでしたが、Sony側もこれは無理だと判断したのか、何とリリースから10日にしてConcordの販売を中止、サービスの中断が予告されました。サービス中止の予定日は9月6日なので、僅か12日間の命でした。
すでに発売から10年レベルのプレイヤー数なので、ソニー側の対応が正しいのは間違いありません。間違いだったのは、こんな開発を2023年に買収してしまったことです(参考)。
購入済みのプレイヤーに対しては返金対応するとのことですが、パッケージ版もあるので、それらの回収をどうするのか……。海外においてはパッケージがプレミア化しており、高額で転売されていました。
開発スタジオが閉鎖
あくまでサービス中断なので、場合によっては基本無料で復活するのかと思われたのですが、サービス停止から1か月して「Firewalks Studios」の閉鎖が告知されました。
同スタジオについては真偽不明の黒い噂が色々と漏れ出ている状態で、まさに活動家の巣窟となっていたと言われています(後述)。
記録的な失敗の原因は?
対戦専用タイトルで有償販売は時代遅れ
2018年に登場したフォートナイトの大成功によって、ゲーム業界では大きな変革が起こりました。プレイヤー人数が重要となる対戦ゲームでは、基本プレイ無料のスタイルがすっかり定着し、プレイヤーの持つ可処分時間を大きく占有するようになったのです。

これはかつての栄光を誇ったCall of Dutyシリーズですら例外ではなく、新作の売り上げは年々低下しており、無料のCall of Duty Warzoneによって話題を繋いでいる有様です。ヒーローシューターの火つけ役となってオーバーウォッチも2022年に無料化しました。
Concordはそんな中に4000円という価格で販売されたタイトルです。仮に無料だったとしても、すでに存在するタイトルより優先して時間を使ってくれるかも怪しいのに、無名スタジオの処女作、キャッチーな要素なし、目立った新要素なしなので、これで売れると考える方がおかしいです。
反ポリコレ運動の浸透
ゲーム業界において政治的な要素を梱包し、歴史修正を行おうという活動が始まったのが2016年頃ですが、今年になって業界の明暗が分かれてきました。
8年の間に様々な論争が発生しましたが、否定され続けてポリコレ推進派は先鋭化。それに伴って全体の80%を占めると言われるノンポリ層まですっかり敵に回してしまった感があります。そんな中でポリコレ全開のConcordを出しても、大多数からは見向きもされないし、ネガティブな意見が集まって当然でした。

また、キャラクターの美醜云々を抜きにしてもデザインセンスが異様に古いです。関係者の発言が本当ならば、8年前からの企画なので、全てが時代遅れのゲームなのかもしれません。
もう駄目、転職しよう
真偽不明の内部告発がいくつか存在しています。これによれば、開発会社Firewalk Stuidiosが目覚め切っており、閉鎖的で非実力主義的な言説に支配されていたと噂があります。

あるシニア開発者は自身をノンバイナリだと宣言し、He、SheではなくProfessor(教授)と呼ぶように強要。また自身の開催した勉強会に参加するようにパワハラを働いていたとのこと(参考)。ソースが怪しかったので、噂止まりかと思っていましたが、エンドロールでこの人物が確認されています。

同じソース元の情報によれば、スタジオ内部で白人差別、男性差別が横行しており、DEI用語の強要があったとも述べています(参考)。
別のシニアデザイナーは白人は今ある特権を捨てるべきで、それに反対する奴は差別主義者――のような言説をポストしています。その後、攻撃的な言葉でゲーマーを罵倒、Xにて大暴れしている姿を見られています(参考)。
私もゲーム開発にちらっと関わっていたことがあり、やべぇ奴等の巣窟だと逃げた経験があるので(普通にゲーム開発を仕事にするのを止めました)、こういう集団が形成されていても驚きはなかったりします。
あからさまに人種差別、LGBT差別的な文章が目立つなこの記事…犬笛記事ってやつか
黒人しかいないのは逆にポリコレ違反な気がする…(アジア人は!?)
その点エペとかヴァロはバランスが良い
ダサすぎて寒気がする
OWの人気を支えてるのはディーヴァやトレーサーなのになぜこれで行けると思ったの
ドラクエ3もポリに汚されたしもう許せねえよ洋ゲーはここで自浄出来ないなら滅びろ
見た目の時点でプレイしたいと思えない
twitchで広告入ってきてソニーの文字と古臭い印象だったことしか覚えてない
ヘルダイバーと一緒に地の底に沈んだまま掘り起こさないでくれ
あとゲーム開発者にsnsで発信させないほうがいい
自由にさせるんだったら、リスク低減のため社内でネットリテラシー教育する必要がある
150億ドルはさすがに間違いと思いたい
海外で数百万ドルの損害を与えたみたいに発言している人はいますが、まず誇張表現だと思うので訂正しました。2021年に資金調達しているので、それを全て使ったとしたら、300億円ほどだといわれています。