最近やばそう UBI Softの歴史

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時期的にホラーネタでいきたかったけど、何も思いつかなかったので、ある意味でホラーになっている昨今話題のUBIソフトについてのまとめです。

2010年前後に最盛期を迎えたUBIでしたが、2015年から敵対的買収によってマネーゲームに突入し、ゲーム開発に費やす予算を大きく失いました。また2020年からは、あいつぐ社内の不祥事によって、開発スタジオは半壊状態になり、海外では悪徳企業として名をはせることになりました。

この時点でおよそ死に体だったのですが、資金繰りのためにポリコレに傾倒した結果、ゲーマーからの更なる反発を招き、不買運動にまで発展しています。

ざっくり年表

  • 1986年
    • UBIが創業
  • 1987年
    • 「ゾンビ」をリリース
  • 1995年
    • 「レイマン」をリリース
  • 1996年
    • フランスのゲーム会社で初めての上場
  • 1999年
    • 創業者の姉妹企業としてゲームロフトが設立
  • 2000年
    • レッドストーンエンターテインメントを買収
    • ザ・ラーニングカンパニーを買収
  • 2003年
    • 「プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂」がリリース
  • 2004年
    • Cryteckが開発を担当、UBIが販売を担当し「Farcry」がリリース
  • 2007年
    • 「アサシンクリード」がリリース
  • 2009年
    • 「アサシンクリード2」がリリース
  • 2010年
    • 「アサシンクリード ブラザーフッド」がリリース
  • 2011年
    • 「アサシンクリード リベレーション」がリリース
  • 2012年
    • 「Farcry3」がリリース
    • 「アサシンクリード3」がリリース
  • 2014年
    • 「Farcry4」がリリース
    • 「ウォッチドッグ」がリリース
  • 2015年
    • イヴェンディによるUBIの敵対的買収が始まる
    • 「レインボーシックスシージ」がリリース
  • 2016年
    • 姉妹企業のゲームロフトがイヴェンディに買収される
    • 「ディヴィジョン」がリリース
  • 2018年
    • 株価が最高値を記録
    • イヴェンディが買収を断念し、株式をテンセントなどに売却
  • 2020年
    • UBI内でセクハラ等の告発が多発
  • 2023年
    • MS社から社内IPのクラウド配信権を獲得
  • 2024年
    • 「アサシンクリード シャドウズ」で歴史的な大炎上

創業(1986年~1986年)

ギルモ5兄弟によって、UBI Softwareは1986年に創業されました。ギルモ兄弟はパソコンソフトの輸入、代理販売を行う事業を行っていましたが、ゲームソフトを自社開発できないかと思い立ちました。本社をパリに移転し、ブルターニュ地方に開発スタジオを構えます。

同年には最初のファーストタイトルである「Zombi」をリリースし、5000本の売り上げを出しました。

1988年にはUBI飛躍の立役者となったゲームデザイナー ミシェル・アンセル氏が若干17歳の若さで入社しました。3Dアニメーションの出来栄えを評価され、グラフィックデザイナーとしてスカウトされたと言われています。

しかし、ミシェル氏は2年後にあった開発スタジオのパリ移転に伴って退社。パリで暮らすには給料が少なすぎることが原因らしいですが、どんな薄給だったんでしょうか……。2年後に1度は退社したミシェル氏が個人開発した「レイマン」の企画を持ち込み復社、同作の大ヒットを持って、UBIの名前が欧州で広く知られるようになりました。

1996年にはフランス初のゲーム企業としてUBIが上場、8000万ドル以上の資金を調達して、各国に支社を設立しました。そのうちカナダのモントリオールに構えたスタジオは、後にUBI最大のスタジオへと成長していきます。

買収と成長(2000年~2015年)

UBIは2000年になるとアメリカ市場への参入、知名度向上を狙って「レッドストーム エンターテインメント」を買収しました。同社はミリタリー作家トム・クランシー氏が経営する会社で、ミリタリー系のゲームを得意とするスタジオでした。UBIがその後に発売するミリタリー系作品へと繋がっていきます。

同年には「ザ・ラーニングカンパニー」も買収し、プリンス・オブ・ペルシャの権利を入手しました。プリンス・オブ・ペルシャの知的財産権を保有していたジョーダン・メックナー氏は、買収後のバイオレンス路線に反発し、2004年以降はシリーズの開発から離れています。

そんなプリンス・オブ・ペルシャの派生タイトルとして生まれたのが、後の「アサシンクリード」であり、開発当初は「プリンス・オブ・ペルシャ アサシン」と呼ばれていました。「アサシンクリード」は2007年に登場し、続編の「アサシンクリード2」で流行の兆しを見せていたオープンワールドゲームの試金石となりました。

アサシンクリードで手ごたえを感じたUBIは、以降にも同じスタイルのオープンワールドを多数輩出していき、2012年の「Farcry3」でも成功を収めました。2014年には新規IPとして「ウォッチドック」もリリースされ、UBIの最盛期を迎えました。

UBIの買収危機(2015年~)

2015年、UBIは同じフランスの企業ヴィヴェンディから敵対的な買収を受けるようになりました。ヴィヴェンディは現在はMS傘下のブリザード社を保有していたこともあり、ゲーム業界への再進出を狙っていました。

ヴィヴェンディは2016年にUBIの姉妹会社であるゲームロフトを買収します。また本命としてUBI本体の株を買い集めていましたが、UBI社のCEOのイヴ・ギユモは、社員に自社株を買わせることで妨害しました。

買収騒ぎによる株価の高騰

結果、UBIの株価は2018年に最高値を記録しますが、同年にはヴィヴェンディ社が買収を諦め、保有していた株式はテンセントなどに売却されました。

 「アサシン クリード」シリーズなどのタイトルで日本での知名度も高いゲームメーカーUbisoft Entertainmentを,フランスの巨大メディア企業Vivendiが買収しようとしていると報道された。かつて世界最大のパブリッシャ,Activision Blizzardを保有していたVivendiが,再びゲーム業界へ...

なんとか敵対的な買収を阻止したUBIでしたが、この買収劇によってUBIが受けたダメージは少なくないもので、ゲーム開発の現場にも大きな影響を与えました。この時期に発表された新規タイトル「スカル&ボーンズ」は、その後7度に渡る壮絶な発売延期を重ねることになります。

新規タイトルの立ち上げに失敗しているだけではなく、主要タイトルのマンネリ化も進みました。不完全なゲーム、いつも70点のオープンワールドゲームを連発したので、段々とゲーマーの心は離れていくことになりましました。

開発チームの崩壊(2020年~)

2020年には欧米においてMeeto運動が活発化しました。ゲーム業界では様々な会社でセクハラ問題が大きく取り上げられ、告発を受けた企業に大きなダメージを与えました。

UBIでは多数の告発があり、中には逮捕されるものまでいました。UBI社の評判は急激に悪化し、ベテラン開発者を含む、数多のまともな従業員までも離職していきました。UBI飛躍のきっかけとなったミシェル氏もこのときに退社しています(参考)。

有能な人物ほど他の就職先があるので簡単に止めていきます。UBIの人材的な質は緩やかに低下していき、以降の粗製乱造へと繋がっていったのだと思われます。

また、UBIは会社のマイナスイメージを払拭するため、悪化した資金繰りを解消するため、投資会社に迎合してポリコレに傾倒するようになります。過去のゲームからして左翼的な傾向があったのですが、この事件を境にカルト的になっていきました。

どうなる、UBI(現在)

バグまみれのゲームを出し続けたことにより、UBIの評判は急速に悪化していきました。

7回も発売延期した「スカル&ボーンズ」が2024年になってようやく販売されますが販売数は低迷、その後に発表された「アサシンクリード シャドウズ」は海外で大炎上します。UBIの不誠実さ、思慮不足から、後から日本でも大炎上したのは記憶に新しいと思います。

9月には「スターウォーズ 無法者たち」をリリースしますが、こちらも販売は低迷しており、株価を下落させる要因となっています。1年で59%もの株価下落というのは、相当に珍しいです。時価総額が1年で10億ユーロ、日本円だと1500億円も下がったことになります。

9月13日付けの年間チャート

レビュアーに対する露骨な接待、BOTを利用したゲーム動画の水増し評価などが発覚し、評判の低下は留まることを知りません。

2022年にはCEOが買収も検討すると発言していましたが、いよいよどこかに買収される流れが濃厚なのかもしれません。とはいえ、放っておいたら更に株価が安くなりそうな状況なので、ゲーム史に残る大事件へと繋がっていく可能性もありそうです。

――いうて時価総額だと、日本のサード系ゲーム会社の半分~3分の1くらいなので、私が思っていたよりも小さな会社なのかもしれないです。単純に日本のゲーム会社が強いということなのかもしれませんが、先に倒産するならUBIやろなぁ……。

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