クリア後の感想と評価: スターウォーズ ジェダイ・フォールン・オーダー (AVG 5.7点)

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10段階評価。6点以上がお勧め。
  • 10点: 史上最高(100年に1度)
  • 9点: 10年に1度の水準
  • 8点: 年間トップクラス
  • 7点: 十分におすすめできる
  • 6点: 普通水準で、おすすめできる
  • 5点: 普通水準
  • 4点: 明らかな失敗が見て取れる
  • 3点: 良い部分がほぼない
  • 2点: 失敗では済まされない
  • 1点: 史上最悪(100年に1度)
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ゲーム概要

遠い昔、遥か彼方の銀河系で……

ジェダイ・フォールン・オーダー

政治的腐敗と戦争によって疲弊していた銀河共和国で政変が起きた。銀河共和国の守護者であったジェダイ達は、オーダー66と呼ばれる極秘指令によってその殆どが粛正された。

からくも魔の手から免れたカル・ケスティスは、ジェダイのパダワンであったことを隠し、惑星ブラッカの解体現場で働き始めたが、同僚を救うために使ったフォースによって帝国の尋問官に正体がばれてしまう。

元ジェダイ・ナイトであるシア・ジェンダの助力によって、尋問官の追撃から免れたカルは、ジェダイ・オーダーの復活を目指して、幼いフォース感応者のリストが収められたホロクロンを手に入れるため銀河に飛び立つこととなった。

ストーリー

  • 序盤の堅実な作り
  • BD-1のキャクター性
  • ファン向け
  • 中盤以降のエピソード不足
  • 派手さに欠けるエンディング

スターウォーズのファンなら6点(お勧め水準)にしても良いと思います。。

スターウォーズらしさのある物語

私は映画を一通り見ただけなので、スターウォーズに詳しいわけでも無いのですが、スターウォーズらしさを出そうという意図が感じられます。

特に旧三部作のテイストが強めになっており、役割の配置や大まかな展開はそれを踏襲しています。

日々の生活にストレスを抱えている主人公が、ひょんな切っ掛けから仲間を作り、英雄的な活躍をするという、エピソード1やエピソード4の展開を踏襲した王道の物語。

続編を作るときのコツとしては、出てくる登場人物や大まかな展開を前作と同じにしてファンの期待をまず掴むことですが、本作はそういったセオリーに対して忠実です。

演出面でもスターウォーズらしさを補っており、ファンの期待に対して十分に答えようとしています。

中盤辺りから粗さが目立つ

ウーキー族を解放して序盤が終わると、ストーリー展開に粗さが出てきて、本作のストーリー面では最大の減点になっています。

旧三部作と同じように、主人公の挫折からの覚醒イベント、ダークサイドからの復帰など、大まかには同じ展開を取っていますが、脇を固めるエピソードが大味なのが残念です。

エピソードが不足していて、話の流れも分かりにくいです。

ヒロインも最後の最後で主人公に抱きついてなかったら、ヒロイン枠だってことに気付きません。開発側もやばいと思って、登場のタイミングを速める努力はしてるんですが、やっぱり中途半端になってしまった。

つか、君たち死人が出るレベルで争ってたと思うんですけど、色んな意味でそれで良いのか……。

映画の筋書きを取り込んでいるので掴みは良いのですが、それに終始しすぎて類似作品という枠から出られませんでした。物語をどう畳めば良いのか苦心しています。

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グラフィック

  • 原本デザインは再現度が高い
  • ぎこちないライティング
  • 人工的な不自然さの残る風景
  • ムービーシーンの出来不出来が激しい

服飾、生物、メカニックなどはスタウォーズらしいデザインになっています。登場人物も概ねそんな感じです。物語の導入部分もそうですが、スターウォーズのファミリーであろうという努力が見られます。

一方で足を引っ張ったのは技術的な部分になります。

テクスチャや、ライティング周りがちょっと残念な感じ。設定を下げてもフレームレートが安定しないので、珍しく最高設定にしていたんですが、それでもちょっとなぁ……って雰囲気でした(PC版)。

空飛ぶ宇宙船を例に挙げると、それに対する光源による歪みや、空気による輪郭のぼかしも付いてないから、遠近感がなくて特撮模型感があります。

ムービーシーンも良く作り込まれているカットと、そうでないカットの差が大きいです。序盤の旅立ち部分や、最終決戦からの流れは演出まで含めて練られているのですが、駄目なところは光源処理からして目に見えて雑だったりします。

サウンド

  • スターウォーズらしさを再現
  • 流石に本家には及ばない
  • 吹き替えが所々微妙

こちらもスターウォーズらしさを求めたサウンドエフェクト、楽曲になっています。

今となっては古くて不自然さもあるんですが、伝統的なライト・セイバー音、伝統的なブラスター音は明確に再現されています。

ただ新スコアに関しては、歴史に残るレベルの楽曲を残している本家本元のジョン・ウィリアムズ氏と比べてしまうと、流石にね……。

吹き替えはサブキャラが微妙。サブキャラという名の本家メインキャラクターもいるので、違和感が少なからずあります。「コーホー」の人とかね。

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ゲーム性

  • コンパクトにまとまった戦闘
  • パルクールによる移動
  • 選べる難易度
  • フォースが強力
  • やや冗長な探索要素
  • 後半の発展性不足

他にも色んなゲームを参考にしたのだろう様子が見て取れますが、最大の影響はゴッドオブウォー(2018)だと思います。

メインとなる戦闘部分はシンプルな剣戟アクション。スタミナの概念がちょっと形骸化していますが、攻防が速やかに入れ替わるスピーディーな戦闘が特色です。

敵はガードしてくるし、簡単には怯まないので、力押しできるタイプではありません。

それを補ってくれるフォース各種はかなり強力なので、ライトセイバーによる直接攻撃よりもよっぽど重要だったりします。

難易度が4段階に分かれていて、最高難易度だと完全に死にゲー。

ノーマル、ストーリーと難易度が下がっていくと、受けるダメージが一気に下がって死ににくくなります。アクションゲームが苦手な人でも、難易度を下げて、フォースを多用するように心がければ楽に進めると思います。

探索要素についてもそれなりに完備しており、メインルート以外で少し寄り道しながら進めると、隠された成長アイテム、隠しボスなどを見つけることができる作りです。箱庭感は脱却できていませんが、自由度はそれなりに高いです。

ただし成長要素が弱くて、探索が段々と面倒になっていきます。またスキルも死に要素が多くて、達成感や無双感を味わいにくいのはゲームプレイを地味にしてしまいました。

作り込み

  • スターウォーズらしさを重視
  • 世界が割と広い
  • 竜頭蛇尾
  • バグが割と目立つ
  • ロードなどが不安定
  • リプレイ性は低い

荒くても良いから、コンテンツの再現性と物量を重視したゲームだと思われます。

スターウォーズらしさを出そうという意図が随所にあり、特に序盤の演出等はよく研究されています。ストーリーラインも旧三部作を踏襲していますし、各種エフェクトなどもそれらしいものが使われています。

マップもかなり広大になっていて探索要素もあるのですが、マップ規模に比べてパワーアップ系のアイテムが少なすぎるのと、寄り道に付随するストーリー性が弱いことが残念。

マップ上で即座に船に戻るショートカットも欲しかったです。

これらコンテンツの物量のために犠牲になったのがシステム周りで、相当数のバグとゲーム動作の不安定さに繋がっています。敵味方のキャラクターが変な挙動をすることは珍しくないです。

またSSDを使っていないと、テクスチャの読み込みが間に合わずにフレームレートが急激に下がります。PC版でそれなりの性能、且つSSDにインストールすること推奨のゲームってのは問題があると思います。

のちにパッチで修正されたかもしれませんが、初版はメモリリークも起こしているので、長時間プレイしていると10ギガ越えのメモリを消費し始めます。メモリを潤沢に詰めるPCでも危なくなるので、コンソールのメモリ量だと結構危ないと思います。

総括と後書き

総評としては、良作になり損ねた努力賞のゲームってところです。ゲームとしては面白いんだけど、欠点も目立ちます。

序盤こそ完成度の高いゲームなんですが、時間切れなのか後半のクオリティダウンが目立つ作品になっています。細かいバグが目立つほか、メモリリークも起こしているので、デスマーチ臭がはんぱではない

開発元のRespownは、親会社のEAから仕事を振られすぎな気もします。

スターウォーズらしさを重視していて、他のゲームの良いところを研究実践しているものの、技術的な問題に躓いているのもマイナスです。グラフィックの再現性不足は目立ってますし、ちょくちょく挙動がおかしくなります。

導入部分のクオリティを最後まで維持できていれば、年に1本レベルの良作アクションになれたのでしょうが、おしいことをしました。映画とのタイアップもあるので、これ以上の開発期間を取れなかったのでしょうが……。

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