2025年1月7日にnVidiaの新型GPU「RTX5000」シリーズが発表されました。
前々からリーク情報が出ていたRTX5000ですが、正式な発表でお披露目されたRTX5090、RTX5080、RTX5070は予想以上の高性能。登壇していたCEOは従来までの最高性能RTX4090とRTX5070が同等の性能だと豪語しました。
流石にそれは無理だと思うわけですが、新機能DLSS4がありAI機能は大幅に向上。RTX5070 = RTX 4070Ti superなので、価格面で大きな進歩なのは間違いなさそうです。
RTX 5000の公称スペック一覧
項目 | RTX 5090 | RTX 5080 | RTX 5070Ti | RTX 5070 |
---|---|---|---|---|
アーキテクチャ | Blackwell | Blackwell | Blackwell | Blackwell |
DLSS | DLSS4 | DLSS4 | DLSS4 | DLSS4 |
AT TOPS | 3352 | 1801 | 1406 | 988 |
NVENC | 3 | 2 | 2 | 1 |
NVDEC | 2 | 2 | 1 | 1 |
メモリ規格 | GDDR7 | GDDR7 | GDDR7 | GDDR7 |
メモリ容量 | 32GB | 16GB | 16GB | 12GB |
メモリ帯域 | 1792GB/s | 960GB/s | 896GB/s | 672GB/s |
初動価格(ドル) | 1999 | 999 | 749 | 549 |
初動価格(円) | 393800 | 198800 | 148800 | 108800 |
1ドル200円くらいのレート換算になっており、盛大なご祝儀価格となっています。
現在の4070が549ドル = 8万円なので、落ち着いてくれば8万円と言わずとも、10万円を割り込む価格にはなりそうです。
RTX5070 = RTX4090は本当か?
基本講演で登壇したCEO ジェン・スン・フアン氏(通称:革ジャン)は、新たに登場するRTX5070とRTX4090が同等の性能を持つと豪語しました。
RTX4090は現行では最も高性能なGPUで、圧倒的なパフォーマンスを持っています。どれくらい凄いかというと、コンシューマで最も性能が高いPS5 PROの2.5倍~3倍のラスタライズ性能を持っています。価格は30万円、電力消費も500W越えの化け物GPUです。
これでも過去のフラグシップに比べればコスパが改善されて、ベンチマーカーには意外と人気があったモデルなんですが、下位モデルのRTX4060~4070に比べると半分以下のコスパなので、普通のゲーマー層は見向きもしないでしょう。
そんなRTX4090とRTX5070が同等というのは、にわかには信じがたい話です。
これにはカラクリがあって、RTX5000シリーズから使えるDLSS4の新機能「Multi Frame Generation」の効果を含んだもので、単純なラスタライズ性能ではそこまで伸びていません。
DLSS4:Multi Frame Generation
DLSSというのはnVidiaが開発してきたAI技術の一つです。古くはRTX2000世代から採用されており、近々発表されるだろうNintendo Switch2にもDLSS3が搭載されると噂されています。
DLSSには解像度の疑似的な向上、フレーム生成などの機能が含まれており、専用のテンサーコアによって処理されます。RTX5000ではテンサーコアの強化、DLSSの改善によって性能向上を果たしており、昨今のAIトレンドが強く反映されています。
半導体の微細化による性能向上が怪しい状況になっているので、恐らくは今後のコンシューマーハード開発もその方向に進むのでしょう。
そんなRTX5000シリーズで採用されるMFG機能は、RTX4000の持つフレーム生成を更に進歩させたもので、テンサーコアの性能向上と改善によって、最大3枚までのフレーム生成を実現したようです。
この辺りはnVidiaが業界最大手になっている要因なので一日の長があります。
これにより、DLSS同士の比較で1.7倍のフレームレートになるので、RTX5070 = RTX4090も完全なウソではないものの、問題なのはDLSS非対応のゲームです。素のレンダリング性能では大差があるので、生成AIなどでの利用も含めてどうなるか……といったところです。
フレーム生成しても応答性は同じなので、動きの速い対人ゲームでは使われないでしょうしね。
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