クリア後の感想と評価: ゼノブレイド2

なんとか終わらせたという感じで、久々に苦行だった。割と甘めに点を付けたつもりですが、このレビューの主題は被害者を増やさないための警告に近いものです。

  • ストーリー:4点
  • グラフィック:7点
  • サウンド:7点
  • ゲーム性:3点
  • 作り込み:5点
10段階評価。6点以上でお勧め。

ゲームの概要

Wiiで発売、その後Wii U、3DSにも移植されたモノリスソフトのRPG「ゼノブレイド」の続編です。

間に「ゼノブレイド クロス」という作品が入っていますが、ナンバリングタイトルとしては、少し時間が空いてからの2作目。引き続き3パーティー、ロール制の戦闘システムを採用していて、広大なマップと探索要素を含みます。今作からはブレイドと呼ばれる意志を持った人型兵器が登場し、ソーシャルゲームを彷彿とさせる要素が多数追加されました。

メインフレームは主人公レックスが、ヒロインのホムラと出会い、なんか強面の変態集団に追われ、ピンチになったらツンデレのメイン人格が出てきて三角関係になるという話。80年代、90年代にあったOVAをゲームにしたような内容で、ボーイミーツガール+ハーレムの構造を取っています。ヒロインのホムラに命を救われたレックスは、彼女との約束を果たすために「楽園」を目指すのですが……。と導入部分は良いのですが、割と問題な部分が多いです。

グラフィックはアニメ調。固有の姿やイベントを持つレアブレイドが多数登場するので、かなりキャラゲー色の強い内容になっています。反面ゲーム性は結構残念な事になっているので注意が必要です。作業感がべらぼうに強いのでストレスフル。かなり人を選びます。

感想と評価

ストーリー

  • 古いアニメを彷彿とさせるボーイミーツガール……もどき
  • 第1話がピークで急激に完成度が下がっていく
  • ご都合主義な展開がかなり多い
  • 発言と行動に多くの矛盾が見られる
  • 設定を羅列するだけで変化に乏しいシナリオ
  • 主人公とヒロインの関係性が不透明で、共に魅力不足

題材はキリスト教、そしてアーサー王伝説あたりでしょうか。どことなく類似性が見えるので、もしかしたらFate Stay Nightの方かもしれません。それ以外にもウォーターワールド、風の谷のナウシカ、天空の城ラピュタ、フランケンシュタイン、鉄腕アトム等、旧来作のオマージュと思われる部分が散見されます。

割とオーソドックスな設定というか、80年代か90年代のOVA、WOWWOWのノンスクランブル枠あたりを彷彿とさせる内容です。古くさくて、マニア向けで、一般人がどん引きするような表現も多数存在します。私より一回り年上の40代とかの層なら、この当時のアニメをもう少し鮮明に覚えているでしょうし、懐かしさを感じるんではないでしょうか。

反面、露骨なエロやハーレム要素など、今となっては陳腐化したオタク臭さ全開なので慣れてない人には正直厳しいとは思います。私も正直きつかった。ぶっちゃけこの程度は味付けレベルの話なので、こんなことでは減点しませんが、それ以外に大きな問題が山積み状態で、なにから片付ければ良いのやら。

古典的なボーイミーツガールへの回帰を狙ったものかもしれませんが、有り体に言って色々と失敗が多いです。断片的に良いカットがあるものの、全体的にはかなり低調でまとまりの無いシナリオになっています。ミクロな視点でマクロを語ろうとする大局観の無さ、各種設定の杜撰さは目に見えてあります。SF部分に関しては近年のメジャー作品だとまともな方ではあるのですが、やっぱり破綻はしているので下手に説明したから粗が目立つことに。

マルチライターの弊害なのか、パート毎にテイスト変わるどころか、会話内容がおかしかったりするし、同じ展開をなんども繰り返してますし、正直3点にするか迷いましたが、作り直せばまだ形になりそうな雰囲気があるので、おまけして4点にしています。

背景設定だけ無駄に凝っていて、それを活かしたシナリオをまるで書けていないというノベルゲーにありがちな失敗をしているのが、諸悪の原因でしょうか。主人公のレックスがいつも蚊帳の外になっており、ヒロインのホムラ共々キャラクターが埋没しています。

ヒロインのホムラはやたら攫われるお姫様ポジションなんですが、守る側のレックスにイニシアチブが全くないため彼の発言の数々が終始痛いだけになっています。ネタバレ無しに説明するのが難しいのですが、ホムラを守られる側に描写したいのなら、最初の舞台をレックスの土地勘がある場所にして、ジェネレーションギャップのあるホムラに対して知識面で優位にするとか、序盤の展開を新妻とのキャッキャウフフにして、サルベージャーで生計を立てる一家の大黒柱にするとかでしょうか。

劇中、主人公のレックスがやたらホムラを守ると発言をしていますが、人を守る方法は武力だけによらないってことです。本編だと一切守ってないし、役に立ってないしで、後半の展開に支障をきたしています。ホムラがレックスに惹かれる理由が全く見えない事や、彼女のいきすぎた秘密主義も、序盤の展開を平和な新米ドライバー生活にするだけで、多少は補完できたのに……(ネタバレになるので、なぜそうなるかは言えない)。

そもそもブレイド周りの諸設定はRPGに使うには不向きすぎで、ゲームの方向性とは食い違いが大きいです。前作のヴィジョンが行動の理由付けをしてくれて、良い感じにストーリー粗を消し、ゲーム中の事故死や二度手間を防ぐガジェットになっていたのとは対照的。あと劇中でやたら場面転換からの回想シーンが発生しますが、なんでそのエピソードを本編に組み込まなかったんだろうと疑問。材料は良いけど、料理の仕方がすごく下手。ついでに要らない隠し味(隠せてない)をぶち込んでます。有り体に言って、初代ゼノブレイドには遠く及ばないと考えて貰って良いです。

良くてキャラゲーなんですけど、メインキャラクターが総じて立ってないのが……。私が担当編集だったら、こんなプロット通さないよ。

グラフィック

  • 機体性能に見合った堅調なグラフィック
  • アニメ調のキャラクターデザイン
  • ゲストライター多数
  • 3Dモデルの再現度は高いが、一部に違和感がある
  • ムービーの完成度は高いが、その使い方に問題あり

初代ゼノブレイドから色々退化しているゲームですが、グラフィック面だけは一気に近代化しました。地形等の3D描画に関しても、ハードの性能を鑑みれば十二分な水準になっていて、あとは独自性や景観の作り込みなど、技術以外の部分に依存すると考えて貰って良いです。かなりムービーゲーに寄っている嫌いはありますが、ムービー自体は良い水準に収まっており、サウンド面の良さも手伝って、シナリオ部分の駄目さをある程度ケアしています。

ただし多用されているムービーが、ゲーム部分に喧嘩を売っている面は強く、途中で余計なイベントを挟んで戦闘計画を崩壊させてくれたりします。戦闘は楽勝だったのに、終わったら苦戦しているムービーが流れたりと、脚色がいきすぎていて没入感を削いでいる面は否めません。様々な過剰演出も気になるところで、もう少し使い方というものがあった気がします。

シナリオが残念すぎるので、良くてキャラゲー。下手するとそれにすら届いていないのがネックですが、キャラクターデザインは各属性を満遍なく取り入れては居ます。シナリオがマルチライターの弊害でカオス化しているのと同様に、キャラクターデザインも結構カオスになっていますが、本作の数少ない長所です。ゼノブレイド1作目の方向性とギャップがあるのは分かりますが、このキャラの見た目が駄目なら、素直にお勧めできる部分がありません。本気で。

個人的にはニア(通常)のデザインがが良かったかなぁ。次がカサネ、レックス(覚醒)、ヒカリ、ホムラ(覚醒)あたり。平成ライダーとかだと、覚醒するとむしろ悪くなるんですけど、覚醒時の方がデザインが良くなる点は評価できます。ニアは……まぁ前とのギャップはすごいと思いました。

ちなみにキャラクターデザインの立ち絵はそこまで気にならないのに、3Dモデルになった途端セクシャリティな部分が気になるのは何故なんだろう。まぁ絵がのっぺりしていたので意識されなかっただけで、初代ゼノブレイドも露出は大胆だった気がしますが、ホムラの性格と出で立ちの不一致感が半端ではない。背中周りがかなり不安になりますし、モデル体型がいきすぎていて流石に不自然です。私はエロに堅いタイプではないですが、もう少し露骨さを押さえた方が万人受けしたと思います。下半身がどっしりしているニア(通常)になんか安心感を覚えてしまう……。

サウンド

  • 戦闘BGMが優れている
  • シナリオ面の残念さを補っている
  • 手堅いキャスティング
  • 戦闘時のボイスパターンが少ない

汎用ネームド系BGMを筆頭に、いくらかの良スコアが存在します。やや選曲に無理のある部分もありますが、全体としては高水準に纏まっています。問題だらけのシナリオ部分も、これのおかげで様になっていて、かなり救われている部分があります。後で聞き返したいと思えるまでいくと数が少なかったですが、サウンド面は確実にゼノブレイドの続編と言えるでしょう。

CVのキャスティングには特に違和感が無いです。また人気どころを起用している手堅い構成ですが、まぁシナリオとゲーム性に問題が多いため、キャラゲーとして見るには厳しい側面が強いです。多分、担当パートの違いによるんでしょうが、ブレイド関連のサブクエストの一部は及第点以上なのが救いか。

戦闘中のセリフが臭すぎる、喋りすぎて五月蠅いのは前作のゼノブレイド同様ですが、キャラクターに愛着を持ちにくいので、尚更厳しくなった気もします。あと戦闘後の掛け合いも、序盤から使わずに、中が良くなるにつれてパターンが増えていくとかにした方が良かったかな。劇中の描写の割にいきなり馴れ馴れしすぎて違和感があります。

ゲーム性

  • ソーシャルゲーム、ブラウザゲームを彷彿とさせる
  • 単調で飽きやすい戦闘
  • 煩雑なだけで拡張性がない
  • 自由度が極端に低いし、戦術性もない
  • 重篤なレベルでテンポが悪い
  • ブレイドの要素が噛み合っていない
  • 無駄な作業がアホかと思うくらいに多い
  • 敵の配置は相変わらず無計画

最大の減点要素です。もう全カットして3Dムービー集にしてしまった方が遙かにマシだったと思います。

ガードがオート、味方に掛けるバフもオートとプレイヤーが介在できる部分はかなり少ないです。そうして操作量が殆ど無いにも関わらずゲームテンポがかなり劣悪なのも問題であり、無駄に時間が掛かるだけで、やってる事が終始同じなので速攻で飽きます。小学生でも簡単なようにしたかったのかなぁ……とも思いますが、チュートリアルや装備要素が煩雑なので、初志貫徹しているとは思えません。取り敢えずゲーム速度は1.5倍位にしてもバチは当たらない位に遅く、移動速度が遅すぎて回復アイテムを取りに行くのも至極面倒。ダメージソースの必殺技「ブレイドコンボ」はダメージ倍率が高すぎる割にポンポン撃てるのですが、イチイチ目押しを入れるせいで戦闘のテンポが更に悪くなる原因に。

バフ周りがオミットされているのは、支援キャラクターであるブレイドという存在のためでしょうが、それだったら敵に掛けるデバフくらい潤沢にしないとメリハリがないです。もう少し相手にマイナス効果を与えるドライバーコンボを拡張して、これ前提にしないとダメージソースの1つであるブレイドコンボが繋がらない位にしても良かったですかね。本編だと片手間でもできる作業を延々繰り返すことになるので、詰んでる映画、アニメ等を崩す作業が捗りました。

ブレイドの育成はひたすら面倒臭いだけで、それで遊びの幅か広がるようなこともなく、装備やアビリティのスロットも無駄に煩雑なだけで、戦術性に寄与している部分は皆無です。ドライバーコンボへの依存性が高すぎるので、結局単調な力押しに終始します。同システム初実装なので問題点が噴出するのはやむを得ない部分もありますが、相当に荒削りで各要素が殴り合って自滅していると言えます。初代から存在するロール制も、ランダムブレイドと相性が悪すぎて、持っていてもエンゲージしない方がマシというケースが多々。例えユニークだろうが、ロールが合わないから死蔵するパターンが頻発し、クソ装備がひたすらドロップするハクスラみたいな状態になっています。

仮にランダムにするにしても、素直にドライバーに対応するロールのものしか出ないようにすれば良いものを……。というか折角アルスとブレイドの関係性が明確に設定されているのだから、ボスアルスを討伐したときの報酬がユニークブレイドって形にすれば良かったのでは……。折角の報酬枠があるのに、数多のクエストがお使いに終始しているのが割と意味不明です。まさか時間が無かったから、間に合わなかった分を全部ランダムにぶち込んだとかじゃなかろうな。街の発展度もなんのために存在しているのか分からない状態で、最大まで上げたら関連ブレイドが貰える位あっても良かったと思われます。

あと初代から引き続いて敵MOBの配置が無駄に密集していたり、理不尽なレベルで強い奴が混ざっていたりと、それが世界観の表現とするにはマイナスの要素になっている点は相変わらず。良かった点を無くして、悪かった点を放置しており、全体的に劣化していると言わざるを得ない状況です。

作り込み

  • サブクエストの数だけは多いが、質の面がまるで伴っていない
  • ブレイドのパターンは潤沢なのに、使い方が勿体ない
  • 3Dムービーは質と量を兼ね揃えているけど、使い方がゲームに喧嘩を売ってる
  • UIが少し分かりにくい
  • チュートリアルの説明が変
  • 飛ばせないパターン演出が多い
  • ブレイドの付け替えが面倒
  • 傭兵団の編成が面倒
  • イベント開始時にクラッシュする場合あり

クエスト系、マップ、ユニークブレイドのパターン等、ゲームを構成する要素の物量こそありますが、質が伴っていません。これはオープンワールド系だと良くあることですが、オープンワールドではない本作でも同様の失策を重ねており、平均としての質を大きく引き下げています。正直、大きく量を減らしてでも良いから、もうちょっと質を高めて欲しかったです。例外は3Dムービー各種で、こちらは例年にみない量と質を持っています。

サブクエストに関してはアルゴリズムの自動生成で作って、その後で微調整や編集するのも放棄したんでしょうか、まさにサブって感じで、ブレイドが関わらない街クエストなど、基本やるだけ無駄なので一切の加点要素にはなっていません。サブクエと街の開発度とのリンクは、この水準だと外しておいて正解です。ノーヒントや、UIガイド頼みの総当たりは当たり前、二度手間三度手間になるためモチベーションがまるで沸きません。

UI周りが割と酷評されていますが、むしろUIはまだマシだった方。コンパスの感度とか明らかにおかしいですし、属性玉と弱点表示が統一されてなかったり、ソートが使いにくかったり、コンボルートの表示が雑で誘導性が弱すぎだったり、属性玉や絆の表示がぱっと見分からなかったりしますが、致命的なレベルでは無いです。チュートリアルの雑さなども、再確認する方法がないことを除けば、UIの誘導がもう少しあれば問題なかったはず。

なんで、この辺は慣れればなんとかなるので良いのですが、飛ばせない演出等々は、どうしてそうなったのか謎。コアクリスタルをもうセーブ代わりに割ってましたが、その度に同調演出が入るので地味に面倒臭い。また傭兵団の帰還時のレベルアップ等々がボタン交互押しだったり、イチイチ音声演出が入って待たされたり、レスポンスが悪くなる要素がまた多いです。

そもそも傭兵団やフィールドスキルのブレイド選択なんか、もう自動選択でも良かった筈です。無駄に条件がごちゃごちゃ付いている上、条件に合致するブレイドを自動ソートしないから、選択肢にもならない要素で時間を取られています。誰がやっても同じになる要素は機械判定にしてください。せめてフィールドスキルは一度条件を満たしたら、以降条件がなしになるで統一してください。扉の破壊や宝箱の開封はそうなのに、何故混在させるのか。

ブレイド育成要素の混在、装備枠が無駄に多いし、役割が結構被ってるなど整理されていない要素が結構あります。

あとクリティカルなバグとして、イベントの開始フラグに問題があるのか、ムービーに入るタイミングで何回かエラーを吐いてます。携帯機だからとスリープ多用していると酷い目に遭うので小まめにセーブするなり、適当に石を割っておきましょう。この辺りネット環境があれば、後々改善される筈ですけど、まぁパッチ無しでやる人もいるかもしれないので注意です。

総括

はっきり言って駄作です。軽く流すつもりだったのに、なんか5千文字越えましたが、割とフラストレーションが溜まっていたのでしょう。初代ですら悪い部分が多かったのに、更にそれが増幅されて、良い部分が大部分消えています。私としては面白くもないゲーム部分をひたすら続けないといけないのが相当堪えました。流行を取り入れたかったのかなぁとも思いますが、後追いで流行に乗ろうとして足を踏み外したか、時間が足りずにこうなったのか。

なんか発売前のファミ通レビューで点が低いみたいな流れでプチ炎上していた記憶がありますが、あのレビューはまだオブラートに包んでいて、かなり優しい表現だったと思います。これが35点なら、ドラクエ11が40点でもおかしくなくて、意外ととファミ通って一貫してるんじゃないかって思い直しました。まぁ、最初だけだから、後半の駄目な部分が見えなかった可能性も十分にあり得ますけど、取り敢えずファミ通35点は私としては過大評価に過ぎると思います。

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『クリア後の感想と評価: ゼノブレイド2』へのコメント

  1. 名前: 投稿日:2018/02/06(火) 21:34:15 ID:997a21a82 返信

    今のゲームではあまり見かけなくなった気がする「王道」を貫いたRPGでした
    酷評しているレビューも見かけましたが 確かにシステムは調整不足な部分があるものの
    それを補う「面白さ」がありました
    ただストーリーが綺麗に終わりすぎて続編 外伝の可能性がほぼないというのは寂しい所
    ゼノブレイド3もこの世界でやってほしいですが 無理だろうなぁ・

  2. 名前:匿名 投稿日:2018/02/14(水) 00:02:58 ID:b6327c44b 返信

    私も主と大体同じような感想でした。
    キャラクターに魅力もなく、ストーリーが破綻していて終始つまらなかったです。
    王道風なだけ盛り上がらない薄っぺらい展開
    キャラクターがただ大声を出しているだけで熱くも何ともないイベントシーン
    こんな駄作に発売前は期待をしてしまって、限定版まで買ってしまった自分が恥ずかしいです。