薄汚い人狼なんて目じゃねぇ!
人間と幽霊の勢力が強すぎて、狼男とか絶滅するんじゃないかって勢いで押しているマジック・ザ・ギャザリング イニストラード 真夜中の狩りにおけるリミテッドの所感です。
果たして狩られているのは人類なのか、それとも人狼なのか……。狼男のメインカラーである赤緑は最弱街道を突き進んでいるような。
目次
特有のシステム
友好色ごとに役割が割り当てられており、それに従って色の優位・不利が決まっています。
今回は、白、青、黒 > 緑 > 赤 くらいの力関係です。
特に青は友好色が共に強力なので、優先的にピックしておくと自然と強いデッキになりやすいです。ピックの流れによって白青か、青黒に、それが無理そうなら青緑にと、受けが広い安定の色になっています。
逆に赤は露骨なまでにカードの質が低いので、よほど流れが良い場合を除いて避けた方が無難。
また今回はアンコモンのカードが全体的に強力で、残しておいたら負けに直結するようなカードが普通に存在します。それを除去できるカードの評価が高くなります。
降霊
墓地に落ちている状態のとき、降霊コストを支払うことで唱えることができるクリーチャーたち。青白、そして黒に少数存在します。
普通にプレイして1回、墓地から使って1回と、1枚で2回働くカードです。
前環境の出来事(エルドレイン)、履修・講義(ストリクスヘイブン)に類似したもので、それらと同様に入れるだけでカードアドバンテージが稼げます。
非常に強力なシステムで、リミテッド環境の色評価に大きく影響しています。
腐乱
アタックしたら死亡する2/2のゾンビトークンを生成する仕組みです。青と黒に採用されています。
クリーチャーがずらずら横に並ぶ展開になったとき、腐乱のゾンビトークンは最後の一押しに繋がるのですが、生け贄にしたり、タップ要員にしたりするこで真価を発揮します。
条件付きとはいえ、それなりのクリーチャー、呪文に2点火力が付いてくると考えれば、腐乱系のカードは思っている以上に強いです。
集会
集会は3種類のパワー値を持つクリーチャーを揃えることで誘発したり、起動できたりする能力語です。
最低クリーチャーが3体必要ということですが、トークンを展開することで、1枚で2枠分になれるカードがあったり、システムクリーチャーを流用したりで、意外と条件を達成しやすいです。
白と緑が対応していて、リミテッドで純粋アグロデッキを組むなら、集会を利用する場合が最も強力になります。
吸血鬼(ライフロス)
赤と黒に対応した部族であり、プレイヤーにダメージを与えていると、追加で恩恵を得られるという仕組みです。
仕様上、後手に回ると機能不全になりやすく、また赤のカードが全体的に弱いので、よっぽど吸血鬼の枚数が揃わないと強いデッキにはなりません。
クリーチャー、火力と絶妙なバランスが求められるので、不安定なリミテッド環境ではお勧めしにくいです。
狼男(昼夜)
赤と緑に対応した部族であり、昼と夜でカードが変わるという仕組みです。呪文を唱えずにターンエンドすると夜に、2回呪文を唱えると昼になります。
狼男は夜の方が強いので、夜の時間を長く維持したいのですが、全体的に軽い構成のデッキが多いので中々上手くいきません。高ランク帯になると昼夜のコントロールを失敗するプレイヤーも減ります。
赤緑といういう色がそもそもドローゴーに向いていないし、赤のカードパワーが低すぎて緑の足を引っ張っています。狼男のカードにしてもアンコモン・レアカードに依存し過ぎています。
銀弾という対策カードで狼男は即死だし、黒の除去も夜になると強くなるものがある。
村人が強すぎて人狼が生き残れるような環境ではない……(勝率が悪いので止めておいた方が良いです)。
白:A級
青と組んでの降霊テンポ、緑と組んでの集会アグロがメインになります。降霊がカードアドバンテージの塊みたいなギミックなので、息切れを防いでくれます。
アンコモン
野心的な農場労働者は出た時に平地をサーチできてマナが確実に伸ばせますし、ルーティングの餌にもなります。集会すれば3/3絆魂になれるのも強く、ライフレースを優位に運べます。
カヴォニーの黎明護衛は昼夜を入れ替えることでアドバンテージを稼げるので、除去されなければそれだけで勝てるカードです。
コモン
粒ぞろいのクリーチャーが強みです。大型は緑に勝てないにしろアドバンテージに繋がる、回避能力を持っている、対策カードにもなる優れたカードが揃っています。
上記は代表的な白のコモンクリーチャーです。大体どの色の組み合わせになっても採用されると思います。
月皇の古参兵は1マナ1/1なんですが、たびたび発生する横並び膠着において強みを発揮します。お互いに地上を固めつつ飛行のみで殴る展開になると、これ1枚が勝因になることもあります。
ガヴォニーの罠師も横並びに対して強く、やはり勝利を分けることがあります。
それ以外でも降霊持ちのクリーチャーたちはどれも優秀です。
また色の組み合わせによっては、白のクリーチャー強化スペルも重宝します。アドバンテージを取れるパンプや、フラッシュバック、全体強化と流れを左右することがしばしばあります。
青:A級
今回の青は、強者の中の強者。
有効色の白と共通の降霊、黒と共通の腐乱がどちらもリミテッドの軸になる中核シナジーであり、自然と優秀なカードが多くなっています。
安定を取るのなら青を優先しておいて、卓の流れによって2色目とするのが良いと思います。
有力な青のカードも極端な外れにはなりませんが、白向き、黒向きがあります。
アンコモン
スカーブの世話人 圧倒される文書管理人
青のクリーチャーが全体的に高スペック。
腐乱などのトークンがあればタッパーを量産できるスカーブの世話人は、クリーチャー横並びしやすい本環境では驚異的な性能を発揮します。エンド級のカードなので、こいつが動き始めたらまず負けません。
圧倒される文書管理人は通常時でも3マナ3/2と優秀で、降霊すると毎ターンルーティングできるフライヤー。他の降霊とも相性が良いです。
コモン
餌鉤の釣り人 難破船の選別者 異形の隼 臓器の溜め込み屋 回路切り替え 溺死者の逆襲
純粋なクリーチャーとしては臓器の溜め込み屋が特に強力です。というか、コモンのカードパワーじゃない。山札の上から3枚見て1枚ドローというのは、テーロスのレアカード「半真実のアトリス」に匹敵してます。
降霊も雑に1枚で2枚の仕事をするので、これを連打しているだけでアド差で勝ちを狙えます。例えば、餌鉤の釣り人はタフネス2の地上クリーチャーと相打ちを取りつつ、後続として1/2飛行になれます。
腐乱に関連したインスタント呪文も優秀であり、相手を減速しつつクロックを増やせます。腐乱付きのスペル枚数が多いほどに、後半に残せるゾンビの数も増えて、横並びからの突撃というフィニッシャーになるわけです。
上記で紹介したカード以外でも降霊、腐乱のカードはどれも強力なので、それをかき集めるだけでも強いデッキになります。青の安定感、躍進に大きく貢献しています。
黒:A級
レアリティの割に優秀な除去、大型クリーチャー、ユーティリティが特徴です。
青黒の形にするのがベストですが、次点の白黒も悪くはない。
アンコモン
追加の除去や強力な大型クリーチャーなどがありますが、やはり「病的な日和見主義者」が突出して強いです。腐乱と組み合わせることで毎ターン追加ドローしてくるので、放っておいたら大変なことになります。
コモン
包囲ゾンビ 戦墓の大群 オリヴィアの真夜中の待ち伏せ 貪り食い
クリーチャーは腐乱利用できるものが強いです。包囲ゾンビは3体タップで1点なので、横並びしやすい現環境では結構なダメージ量を稼ぎ出してくれます。
戦墓の大群は5マナと重めのゾンビクリーチャーですが、コモンとは思えない打点を持っており、ついでに墓地対策もできるという優れもの。黒の神話レア「穢れた敵対者」の追加コスト1回のスタッツ + 墓地対策ということで、とてもコモンの性能ではない。
黒のコモンには墓地対策や、追放除去など、環境に即した呪文も完備されているので、この辺りが黒を採用する大きな理由になっています。
赤:C級
間違いなく最弱の色で、メインカラーにするのは避けたいです。
コモンクリーチャーの質が悪すぎて、白、黒ならまだしも青にすら完全に負けています。採用するならアンコモンのカードを軸に、少数精鋭にとどめる方が良いです。
アンコモン
熱錬金術師 炎の媒介者
火力呪文を条件として悪さをするカードたち。赤を積極的な理由で採用するなら、この辺りが複数確保できていないと駄目な気はします。
炎の媒介者は裏返るとスペルをカードアドバンテージに変えられるようになります。すぐに息切れしてしまうという赤の欠点を補ってくれる優良カードです。
コモン
月の憤怒獣の切り付けは、夜になると1マナで撃てるので便利。
新生子の衝動はたったの1点なので地味ですが、存外に役立つ場合が多いです。インベイジョンにあった「加撃」と比べると相当に強くなった。赤黒で使うと一番良いか。
あと相当に重いですが、忌み者の火刑は殆んど確定除去だし、対象をリムーブするので頼りになります。
緑:B級
白緑アグロにするか、青緑アグロにするか。赤緑は環境的に負け組なので避けましょう。
緑系の狼男については悪くないんですけども、サイズがでかすぎて入って1、2枚だったり、フラッシュバックのトークンの方が強かったり……。
アンコモン
蟻の隆盛は2体の3/3が出てくるので、最高で1対4交換ができる凄い奴。
ドーンハルトの導師は見た目が地味なんですが、1枚で集会リーチになり、6マナでプチ樫の力を何度も撃てるようになります。序盤は壁役になり、後半はマナフラ受けになるので、白緑だと特に輝きます。
コモン
プレイアブルなクリーチャーは多いですが、アドバンテージに繋がる影野獣の目撃や風変わりな農夫が特に重要です。緑を積極的に採用するなら、この辺りを複数枚取れたときにしましょう。
白緑型なら集会持ちの「収穫祭の歩哨」も強く動けます。
その他
マルチカラー系のカードは1部を除けば強力にできているので、タッチできるようならタッチを狙った方が良いです。
それをサポートしてくれるカードや、残しておいたら負けてしまうクリーチャーを処理してくれる銀弾などがあるので、小粒ながらに無色のカードも輝いています。
なんか銀弾のせいで赤緑が尚更死んでいる気がしないでもない。
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