この土日でカード集めもかねてシールドを回した感想などを。
予想以上に履修と講義が強かったのと、多色化しやすい環境だと思いました。白黒のパーツが相当に優秀なので、取りあえずはそれ狙いなんですが、シールドだと3色になるパターンは多いです。
ボムレアを取れたら、大学のシナジーを多少無視しても7勝狙えます。
履修と講義が強力
スタンダードだと環境への影響が弱そうな履修と講義ですが、リミテッドではゲームの中核になるシステムです。
履修を持つカードを使用すると、サイドボードから講義を持つカードを呼び出せる仕組みで、使った時点でカードアドバンテージを得ることができます。リミテッドではそれだけで雑に強いですし、サイドボードの圧迫も影響しません。
例えばクリーチャートークンを生み出す講義を使えば、オデッセイの獣群の呼び声を彷彿とさせる動きができます。「墨獣召喚学」は3マナでパワー2のフライヤーが出せるので特に強力です。
また環境科学のカードを呼び出せるため、履修と講義は色マナの安定にも寄与します。カード枚数に制約が大きいシールドでは2色にまとまらないケースも多々あるので、環境科学の存在は3色目をタッチする場合の判断基準になります。
シールドでは講義のカードが確定6枚なので、それの当たり外れはデッキ構築に影響するわけです。レアの講義などは大味で腐りやすいカードが多く、希少性は高いのかもしれないけど当面は戦力にはならない場合が多いです。
学部の特性を生かす
今回のエキスパンションでは対抗色の組み合わせがフィーチャーされているので、そこから外れると途端に動きにくくなります。なので対抗2色、あるいは対抗2色を含む3色でデッキを組むのが自然です。
各大学の特性は以下のようになっています。
学部名 | 配色 | 速度 | 特色 |
---|---|---|---|
シルバークイル | 白黒 | 高速 | +1/+1カウンター |
ウィザーブルーム | 黒緑 | 中速 | ライフ回復 |
ロアホールド | 赤青 | 中速 | 墓地利用 |
クアンドリクス | 青緑 | 低速 | ランプ(土地加速) |
プリズマリ | 白赤 | 低速 | ビッグマナ |
個人的には、メインカラーにするなら、シルバークイル(白黒) > 3大学 > ロアホールド(白赤)だと思います。
シルバークイルは鉄板のアグロ色で2色だけも隙がないので強力です。潰しが効くし、コモンやアンコモンに強力なカードが多いので、極端な外れになりにくい安定感があります。
ロアホールドはシナジーが特殊なので、中々強いデッキになりません。レアなどに依存するので、他の学部を軸にタッチする方が向いています。
シルバークイル(白黒)
優秀な低マナ域の履修カードを持ち、除去スペルが非常に潤沢です。除去スペルがアンコモン以上なので、それに依存する側面はありますが、完成度の高いデッキになりやすいです。
魔技という仕組みがテンポ有利なので、それを序盤から利用できるという点で噛み合っています。
最序盤から圧力を掛けて、+1/+1カウンターなどで自軍を強化。敵の大物には飛行持ちで飛び越えるか、確定除去で対応するという無駄のない動きができます。
大型の地上クリーチャーとは無縁であるものの、黒の潤沢な除去スペル等で弱点を補っているため、2色で組んだときのポテンシャルは随一のものがあります。
特に「墨の決闘者、キリアン」は各大学の伝説アンコモンでは、唯一かもしれない構築レベルの逸材なので、暴れ出したら手が付けられなくなります。威迫と絆魂が両方ついているので戦闘能力も存外に高い。
問題はドラフトでは白黒人気が高くてパーツが揃いにくいことですが、それとは無縁のシールドではまずシルバークイルでの構築を目指したいところです。
ウィザーブルーム(黒緑)
ライフゲインによる強化を持つクリーチャー、優秀なスタッツを持つクリーチャーを有しており、それらを多数獲得できれば2色にまとめられるミッドレンジ型の大学です。
ライフゲインがリミテッドの環境では強いわけで、それを活用できる点は殴り合いを有利にします。黒の除去も優秀なので、無難なデッキになりやすい。
問題点としては、2色でまとめてしまうと、劣化シルバークイルになりやすいことです。緑の4コスクリーチャーがプリズマリの召喚獣と相打ちになってしまうし、「ウィザーブルームの誓約魔導士」なら黒だけでも出せる。
格闘も追加されるので除去に関しては潤沢すぎますが、攻撃面を鑑みると「血の研究者」、「本のワーム」などが欲しいところ。
プリズマリ(赤青)
序盤をブロッカーと、火力でしのいで、後から高マナ域のスペルで反転攻勢を掛けるという大学です。
序盤と後半で役割がきっちり分かれているので、カードプールが狭いシールドでは2色でまとめるのが難しい側面を持っています。序盤の火力やブロッカーがなくてノーガードになったり、終盤に叩きつける重量級スペルが確保できなかったりします。
ドラフトではその辺りが緩和されるので、ピックの流れ次第で2色の強力なデッキになりますが、シールドでは無理せず3色にする方が無難だと思います。
緑をタッチしてクアンドリクスの土地加速を加えると、盤面の取り返しが強力になって勝ち筋が生まれやすいです。壁役も用意しやすくて安定感が増します。
アンコモンまわりのカードパワーが高めなのでボムレアに依存しないし、色が揃いやすいドラフト向きかもしれないです。
クアンドリクス(青緑)
カードアドバンテージを獲得することに関してはトップクラスの大学です。
反面、カードパワーが低めです。また主人公陣営っぽいのが原因なのか、履修、魔技に対する依存性も強いので、2色でまとめると貧弱なデッキになりやすい欠点を持っています。
その分、他の色をタッチするには適していて、プリズマリとの組み合わせは相性抜群です。メインカラーとして採用する際には、どれくらいドロー、土地サーチを取れるか、履修カードを取れるかで判断すると良さそう。
それにボムレアを放り込んで3色、4色でまとめると爆発力のあるデッキになります。かなりジャンク色の強いデッキになりがち。
ドラフトよりも色がまとまりにくいシールド向きかもしれないです。
ロアホールド(白赤)
墓地利用を前提とした大学なんですが、それ故にデッキがいびつになりやすい欠点が目立ちます。
デッキの軸となるアンコモンのカードが他の大学に比べてピーキー過ぎて使いにくい。大学に対応した初学者、誓約魔導士も他の大学より見劣りします。
シナジーを重視し過ぎて、取りあえず入れても仕事をするカードが少ないので、墓地利用は諦めてアグロにまとめる方が強いんじゃないかとすら……。レアの墓地関連カードがあってなんとか……という印象の大学です。
シールドだと肝心のシナジーもほぼ形成できないので、メインカラーにはなりづらく、ティムール(青緑赤)にタッチされているパターンの方が輝きます。
シールドデッキの一例
以下はシールドで7勝したときのデッキです。
デッキ
1 練達の対称主義者 (STX) 138
1 湿地帯のグロフ (STX) 121
1 節くれだった教授 (STX) 133
1 本のワーム (STX) 123
1 優等生トロール (STX) 134
2 魔道士の決闘 (STX) 137
1 構内ガイド (STX) 252
1 絡み罠 (STX) 145
1 詰め込み期間 (STX) 170
1 血の研究者 (STX) 166
6 沼 (STX) 371
1 詩人の羽ペン (STX) 82
1 アーチ道の公共地 (STX) 263
2 ウィザーブルームの学舎 (STX) 275
2 ヒルの狂信者 (STX) 75
1 悪意の打ちつけ (STX) 74
1 シルバークイルの誓約魔道士 (STX) 233
6 森 (STX) 375
1 魂浸し、ダイナ (STX) 178
1 湿原のスペクター (STX) 87
1 尊大な詩人 (STX) 63
1 活力の注入 (STX) 194
2 平地 (ELD) 250
1 戦闘学の教授 (STX) 11
1 終身書唱師 (STX) 88
1 シルバークイルの命令 (STX) 232
サイドボード
1 拡張解剖学 (STX) 2
2 殲滅学入門 (STX) 3
1 スピリット召喚学 (STX) 236
1 謹慎補講 (STX) 7
1 墨獣召喚学 (STX) 195
黒緑のウィザーブルームにタッチ白の構成です。
対抗色2色がセットテーマになっているので、それ絡みの2色か、3色かにまとめるのが基本形です。白黒のシルバークイルが1つ抜けているので、シールドでは白黒を目指したいところなんですが、パーツがまるで足りていなかったのでこの時は断念しました。
ボムレア「詩人の羽ペン」と、「節くれだった教授」が出たので、それを利用するデッキになっています。特に詩人の羽ペンは盤面の支配力が異様に高いので、序盤に展開できれば敵のプランを容易に崩壊させられます。
問題点はウィザーブルームの軸となるライフ回復シナジーを持つカードが少なすぎることで、触り程度に決まれば良いかなという形になっています。「血の研究者」があと1、2枚あったら、もっとすんなり勝てるデッキになったとは思います。
あとサイドボードの講義が弱いです。環境科学が無いので、タッチ白にするかすごく迷いました。結果的にタッチで入れた「戦闘学の教授」が、ロングゲームで活躍したので入れて結果オーライでした。
正味、すごく中途半端なデッキだったわけですが、シールドではドラフトほどのパワーは求められないので、運さえあれば十分に7連勝が狙えるみたいです。
メインカラーのウィザーブルームも、環境トップとみられるシルバークイルほどは強くないですが、噛み合って7ターンで決着がつくパターンもありました。シールドだと色が散らばるのでキーパーツが揃うかどうかに左右されますし、ドラフトだと色の流れを加味する必要があるので、どの辺りで白黒を諦めるのかという判断が必要かもしれません。
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