ビジュアル的な要素が前面に出ているセット「ブルームバロウ」をそれなりに回したあとの所感まとめです。
環境的には近年のスタンダードを踏襲しています。先手有利なテンポ環境なので、受け身になるとあんまり強くありません。レアがポンポン出てくるので、除去の価値も高いです。
白黒緑のアブザン色が優勢であり、部族としては兎とリスとコウモリです。コウモリはホンノリという感じですが、あとの2つは理想ムーブのための専用構築が必要です。
概要
先手有利のテンポ環境
「ちいさなしっぽの、おおきなぼうけん」がキャッチコピーだけあって、小型のクリーチャーが横並びする環境となっています。明らかにカードパワーが高かった「モダンホライゾン3(MH3)」ほどではないですが、特定の小型クリーチャーが凶悪なので、早期に決着が付く傾向があります。
各部族のメカニズムのうち、兎、リス、ハツカネズミ、トカゲ等はかなりの出力があるので、先手で最強ムーブを決めたらほぼ勝てます。昨今のドラフト環境は随分と先手有利に傾いていますが、その中でも歴代TOP3に入るくらいに先手有利なのがブルームバロウです。

コウモリ、カエルなど膠着状態になって、長期戦になりやすい部族もありますが、基本的には2ターン目に2/2を出せないと危ないです。
レア、そして除去が強い
小型の強力なレアクリーチャーが多数収録されており、序盤から高い圧力を掛けてきます。レアが平均的に強いので、直近でレアゲーと言われていた「サンダージャンクションの無法者」よりもレアゲーです。
リリース1か月時点でのレアカードの平均IWDが「ブルームバロウ」が4.4、直近の「サンダージャンクションの無法者」が3.4、「カルロフ邸殺人事件」が3.1です。ちなみにスタン外だと「モダンホライゾン3」の平均は1.7です。いかに「ブルームバロウ」がレア依存なのか分かります。
というわけで、「ブルームバロウ」はレアが一杯あるとそれだけで強いのですが、それに対応できる軽量除去の価値も高いです。一部のアンコモンもレア並の動きをするので、かなり除去依存の環境になっています。




黒はコモンに優秀な除去が2種類あるので、除去性能は随一です。緑のアンコモン《狩人の才能》は除去、トランプル付与、ドローと滅茶苦茶できます。いわゆる神アンコです。
おいでよ、どうぶつの森
10個の基本部族が存在しており、部族ごとにギミックが存在しています。
基本的には過去のドラフト環境で定番だった2色アーキ環境なんですが、部族でタグ付けしたことで分かりやすさが向上しています。そして部族の強さもまちまちです。コモンだけでも機能する部族もあれば、レアがあっても厳しい部族もいます。
兎とカエルは汎用性の高い優秀な部族で、本来だと別部族のカラーパイでも戦力になります。特に兎は爆発力と安定性を兼ね揃えているため、卓内の兎事情はある程度考慮しておいた方が良いです。クイックドラフトだとBOTが問答無用で兎を取るので注意。




Tier2以降はアーキタイプとしての成立にアンコモン以上のキーパーツを要求してきます。寄せすぎると失敗したときが怖いのですが、環境的に妥協しても良いことがないので、どこかのタイミングで決め打ちした方が良いでしょう。
主だったアーキタイプ
例によっての2色環境ですが、2色ごとに部族が割り当てられており、関連カードが分かりやすくなっています。土地基盤がそこまで強くないので、無暗にタッチしても良い結果には繋がらないです。
レアが強い環境でもあるので、レアから入って、2色の部族に寄せるのが基本です。
中心色 | メイン部族 | 速度 | 評価 | 方向性 |
---|---|---|---|---|
![]() ![]() (アゾリウス) | 鳥 | 中 | C | 地上のクリーチャーを強化 明らかなカードパワー不足 |
![]() ![]() (オルゾフ) | コウモリ | 低 | B | 回復ギミック 最悪回復だけでも機能するのが強み |
![]() ![]() (ボロス) | ハツカネズミ | 高 | B | 継続的に雄姿が発動できる状況作りが重要 強い雄姿はアンコモン以上 |
![]() ![]() (セレズニア) | 兎(参考) | 中 | A | 最も横並べに優れた色 兎は部族利用しやすいので◎ |
![]() ![]() (ディミーア) | ネズミ | 中 | C | スレッショルドがリミテッドで強かった試しなし |
![]() ![]() (イゼット) | カワウソ | 中 | C | 非クリーチャー呪文の利用 可愛いが、昨今のクリーチャー偏重環境では…… |
![]() ![]() (シミック) | カエル | 低 | A | 緑だけである程度完結しているブリンクデッキ 決定力不足でグダりやすい |
![]() ![]() (ラクドス) | トカゲ | 高 | A | 環境最速、先手で強い |
![]() ![]() (ゴルガリ) | リス(参考) | 中 | A | 総合力が高い リス、カエル、ウサギ、墓地利用と受けが広い |
![]() ![]() (グルール) | アライグマ | 中 | B | 1ターンに4マナ使う 軽度のランプ系なので不安定、後手に弱い |
各色の状況
緑 > 白 = 黒 >赤 >青
アブザンカラーが優位の状況で、赤と青はメインカラーにするのは避けた方が良いです。単純にカードパワーが足りないので、相当な上澄みが要求されます。
白
兎というブルームバロウ最強部族のおかげで助かっている色です。トークン生成は白の担当、それを利用するのが緑担当で分かれているので、取りあえず白だけでも機能します。

白軸の構築になる場合、必然的に兎の枚数が重要になってくる場合が多いです。《収穫の儀式の幹事》は場に出たとき、クリーチャーを対象に取るのでアグロの白赤でも強く使えて汎用性が高いのですが、自分以外の兎があった方が当然強くなります。

コモンである《剛胆な兎》も受けの広い強カードであり、デッキの中核になってくれる白のクリーチャーです。
除去もコモンに3種類あるので、兎が流れてくるならメインに、そうでなければ補助色にと、比較的に安定性のある色だと思います。
青
カエル以外の部族シナジーにパワーがなく、カエル自体も緑頼みになっている残念カラーです。根本的にカードパワーが足りないし、直接的な除去が存在しないので、完全に一人負けの状態だと言えます。
他のプレイヤーもそう思っているのか、滅茶苦茶青いカードが流れてくるんですが、そんな状態でも勝率は奮わないので、レア絡み以外で参入するのは避けた方が良いです。
黒
あまり部族部族していない色であり、スタッツが小さめとはいえ、黒絡みのシステムクリーチャーはデッキの根幹になることが多いです。

汎用性のある強カードとしては《思考忍びの邪術師》や《風下の伏兵》が筆頭で、単独で大きな効果を発揮します。少し重いですが《ウィックの巡回兵》も除去内蔵で安心感があります。
例によって除去が優秀な色なので、相手の強力なカードを対処する能力に長けており、ライフドレインもあるので後手になったときの対応力に長けます。

赤
アンコモン以上の部族クリーチャーは優秀なんですが、それ故にメインカラーになりにくい色です。どの部族にせよ赤軸になってしまうとパワー不足になりがちで、補助に努めておきたい印象はあります。

《心火の英雄》は白赤、白黒で活用できれば非常に強力なんですが、安定性に欠けるのも事実です。
除去についてはそれなり優秀であるものの、黒や白と比べて特別に良いとは言えない状況なのも向かい風です。青ほどではないにせよ、ピックするときには注意しておきたい色ではあります。
緑
対応している部族のカードがどれも優秀であり、相方の色に関わらず使える部族ギミックが魅力の色です。クリーチャーサイズに優れており、システムクリーチャーとしても優秀なカードが多数存在します。混合部族になっても極端な失敗が起きにくいのが強みです。

単純にカードパワーが高いアンコモンとしては《烈風のヘラジカ》があり、終盤に出てくると1枚でゲームを決めることもしばしば発生します。
除去に関しては、白や黒に劣る部分がありますが、《狩人の才能》がトップクラスに強く、除去に加えて継続的にトランプル付与、ドロー付きで長期戦でも役立ちます。

関連の人気投稿