144hzモニターによる体感効果や、ゲームによる戦績の変化について。
Nvidiaというグラフィックボードを提供している会社があるんですが、その会社がブログ記事にて、高フレームレート及びハイエンド機の優位性について述べていたので、それを軽く追検証した結果の投稿です。
あくまで個人の結果なので、その辺りは留意しておいてください。
上記の投稿があって、すぐに思い立ったのですが、時間が無くて遅れに遅れてしまった件……。
目次
はじめに
Nvidia曰く、
Nvidiaという会社は日本人にとってはあんまり聞き覚えの無い会社かと思います。2018年にも「トヨタが謎の半導体メーカーと提携」という見出しで話題になったくらいです。
Nvidiaは今や世界トップのグラボメーカーなので、トップとトップが提携しただけで、謎でもなんでもないんですけどね……。
そんなNvidiaが3月にブログ記事を投稿し、自社製品についてアピールしていました。
それによれば、高フレームレートの方が優位で、ハイエンドグラボを使うプレイヤーの方が戦績が良くなる統計が出ている――ということでした。
この投稿には幾つか問題点がありますが、その最たるは因果関係に由来するものです。
ゲームに対しての熱意が高い人ほどハイエンド環境を揃える傾向があるので、そもそもの発端が逆じゃ無いかという疑問が残ります。
同じ一個人による統計差ではないので、結果がリニアに反映されているか分かりにくいです。
というわけで、自分自身で60Hz環境と、144Hz環境でゲームをして統計を取ってみました。ただし試行回数が少ないことには留意しておいてください。
ゲーム環境とモニターに関して
PC環境
以下のようになっています。
- モニタ: EX-LDGC241HTB
- CPU: i7 3770k
- メモリ: DDR3 16g
- グラボ: Palit GTX1080OC
- マウス: ZA11
- マウスパッド: Hyper-X Fury S XL
いい加減にCPUをアップグレードしないとダメだなぁ……と思っているSundyおじさんです。
オーバークロックできるので、現行ミドルレンジ位の性能はあるんですが、グラボの足を引っ張っているのは間違いないです。
上記環境でPS4Proの2倍くらいの性能になるかと思います。
モニターはIO-DATAのゲーミングモニターを使っています。
高リフレッシュレート、短い応答遅延、内部遅延の減少機能付きと、ゲーミングモニターの基本は押さえています。古い機種なので、すでに廃盤だとは思います。
リフレッシュレートとフレームレート
動画というのは、動作が連続した画像の集まり。リフレッシュレート(単位:Hz)というのは、1秒間に何枚の画像を描画できるのかという目安になります。
リフレッシュレートが高いほどに、画面表示の更新が速くなり、遅延も少なくなります。
そしてなにより、高フレームレートの動画ソースと組み合わせる事で、より滑らかな映像を出力することができるのが最大の利点です。
フレームレート(単位:FPS)というのは1秒間に描画される画像の枚数で、リフレッシュレートと意味は似ていますが、こっちは動画ソース側の数値になります。
例えば、映画だと昔からの名残で24FPSですし、地上波アニメだと12FPSです。PS4のゲームだと30FPSが一番多くて、PS4proでもおおむね60FPSが限界だと思われます。
私のPC環境だと、フォートナイトは設定を最低にしたら144FPSが常時出せますが、Apex Legendsだと90FPS前後がアベレージになります。
今となっては240Hzというモニターもあるのですが、出力ソースを用意するのが大変過ぎて、今ひとつ普及していないのが現状です。高リフレッシュレートのモニターには、高フレームレートの出せる出力元(ゲーム機やPC)が無いと宝の持ち腐れ。
最新のゲームにおいて240FPSも出すなんて、まず無理なので、ゲーム環境に100万単位でお金を注ぎ込める人だけの限定的な環境になっています(あるは古いゲーム主体の人)。
PS4などのコンシューマー機だと、フレームレートが不足するので、144Hzのモニターでもリフレッシュレートによる恩恵も受けることができません。次世代機ではいい加減に60FPSくらいは最低ラインにして欲しいです。
以下、実際にテストした結果になりますが、Nvidiaコントロールパネルから出力を144Hz→60Hzに変えています。
AIM HEROにおける影響
いわゆるBot撃ちに特化したAIMトレーニングソフト。その先駆けみたいな作品です。
今となっては、色んなタイトルが出ていて、しかも無料のものまであるので、あえてコレを買う理由もなくなってはいるのですが、取り敢えず持ってたので。
144Hzの方は過去の記録があるのですが、同じコンディションの方が良いだろうと思って、3回やって一番良かったときを参照しています。60Hzの方は諦めるまで試した結果なので、試行回数としては60Hz側が有利なくらいです。
従来型
3分にわたって出現するターゲットを撃ち続けるというシンプルなモード。上記のように無数に現れる的を、消えるまでにプチプチ潰していきます。
中難易度でも残り40秒くらいからのLv10ウェーブがきつい。最後まで完遂できたら、軽く50万点を軽く超えますが、プロの登竜門くらいの難易度はあるんじゃないでしょうか。
結果は以下の様になりました。
項目 | 60hz | 144hz |
---|---|---|
命中精度 | 92% | 94% |
命中間隔 | 0.32秒 | 0.3秒 |
総スコア | 35万 | 43万 |
スコアに随分差が付きましたが、命中率の差は2%程度です。
それとは異なり、明確に差が付いているのがターゲットを破壊する間隔で、144Hzの方が2Fくらいは速くなっています。
60Hzと144Hzなら、描画遅延の差は0.01秒くらいの筈なのですが、実際には3倍も差が付いていました。不思議と言えば、不思議。
これぐらいなら差を埋められるかと思ったんですが、無理しても命中率がついて来なくて、結局断念しました。144HzだとAIMは自然に速くなるみたいです。
機銃掃射
追いAIMの訓練用。左右にランダム移動する的をひたすら狙うモードで、レレレ撃ちしてくる相手への対応の再現って感じです。
2番ボタンのアサルトライフルを使い、トリガー引きっぱなしで的を追っています。
項目 | 60hz | 144hz |
---|---|---|
命中精度 | 35% | 45% |
命中間隔 | 0.12秒 | 0.11秒 |
スコア | 29万 | 49万 |
結果としては命中率に対して劇的に反映されました。
私は追いAIMが苦手な方なんですが、60Hz時の命中率低下が大きいです。外しているという体感はあるんですが、「ここまで外れてるか?」とは思いました。
10%も差があるので、追えてるつもりでも、ぜんぜん追えてないみたい。
144Hzになると動く目標を追尾する能力が大幅に向上します。
フォートナイトにおける影響
PC版フォートナイトでの統計です。
疲れるから、普段はやらないガチムーブ。勝率重視です。
取り敢えず、ボタン連打で即降りするのは変わりませんが、その後は事故らないように、事故らないように行動しています。不利な位置では、基本的には闘いません。
それぞれ25回の試行回数になっています。本当は30回を予定してましたが、面倒になったので5回短縮しました。
勝率
ソロにおける勝率は、60Hz時に20%、144Hz時に29%でした。
およそ固定量の差だと10%未満、比率での差なら33%程度になりました。
どちらもラスト10残留率は80%くらい。60Hz時に木に引っ掛かって、降下にすら1回失敗していますが、結果的にはあんまり変わっていない。
そりゃ戦いを拒否しまくっているので、当たり前なのかもしれませんが、ラストの戦いで差が付いてます。
KD比
KD比は60Hz時に2.5、144Hz時に4.4でした。
比率で言うと58%も伸びてます。
1マッチの平均キル数で見ると、144Hz時に平均1キル程度は増えるみたいです。
逃げる敵は追っかけてないし、キルを取ろうともしてないので、キルムーブだったら、勝率と引き替えにもうちょっと伸びるかも。
何だかんだでAIMへの影響力が大きく、ショットガンのHS率、スナイパーライフルの命中率に強い体感差があります。
体感の平均だとショットガンの平均ダメージ量は80前後だと思うのですが、60Hzだととにかくスカ辺りが多いです。
スナイパーライフルも敵の頭が追えないので、中距離で使うのが結構しんどいです。
総論
60Hzと144Hzでは、144Hz側が圧倒的に有利です。
60Hz→144Hzの変化はまだしも、144Hz→60Hzに下げたときの違和感がスゴイです。144Hzでプレイしていても、フレームレートが落ちると違和感が出てくるんですが、それが一辺に来たのがつらい。
画面がガクガク状態に見えて、ちょっと気持ち悪くなりました。しばらくすると慣れましたが、PC主体になっている弊害でしょうか。
AIMにおいては速度への影響が少しと、動く的へのトラッキング能力に大きな差が付きます。
バトロワにおけるKDもそれを反映して増化しており、勝率も明確に伸びるみたいです。バトロワの場合、そもそも交戦回数が少ないので、平均キル数が1増えただけでもKDが増減しやすい気はします。
またフレームレート依存のゲーム内要素も多々あるので、フレームレートが高いに超したこともないでしょう。例えばフォートナイトのAIMアシストは、フレームレートに依存して強くなるらしいです(追検証はしていませんが)。
まとめとしましては、Nvidiaの数値は多少は盛られている気がしますが、私が試した範疇では極端に外れていません。GTX世代間に纏わるKD差などは、括り方がガバガバすぎて参考になりませんが、フレームレートとの相関関係はポジティブな結果になっています。
今PC版60Hzでここから戦績を伸ばしたいのなら、買い換える価値は高いと思います。練習するにしても、結果がでないとモチベーションが続きません。それを鑑みるなら、60Hz環境からのステップアップは、まず真っ先に考えるべきだと思います。
投資価格は安くても2万、グラボの性能不足なら+数万は掛かりますが、マウスやマウスパッドと違って、肌に合わないからダメってことも無いでしょう。最終的には個人差によるものが出てきますが、ある程度はコンスタントに反映されるというのは大きな魅力だと思います。
[…] リフレッシュレートが上がる=画面が滑らかになると、FPSの戦績が明確に上がることが複数のサイトで検証されています(1,2)。画面移動が激しいFPSではエイムがしやすくなるためです。 […]
csゲーでもハードウェアチートがだいぶ深刻になってきてると思うわ
bo4は本当にひどいね、ある程度以上動けてるパーティと当たったらほぼ間違いなくマウスか連コンが混ざってると思う
csでも勝つならプレイ環境を整えるのはほぼ必須になってきた感はある
そのせいでbo4は発売一ヶ月くらいですぐに最近の流行りの流れから外れていったよ
バトロワゲーと違って同じ相手と1ゲームやる必要があるからハードウェアチート問題が対戦にもろ影響してる
ある意味ではハードウェアチートの類だからね
PCゲームのPvPはチート問題(疑惑)といい歪なんだよ
そもそも歪じゃないPVPなんて見たことないんだが
どのゲームも味方を罵ってる連中ばっかりじゃん
フレームレート・リフレッシュレートに関するオンゲーの記事に、オフゲー・解像度の話…さすがです
CS機界隈で『人間に144fpsは認知できないから60fpsで十分』論が度々目に付くんだけど
そんなもん高フレームレート表示の環境がない人間の戯言ですわ
144と240ならまだしも60と144の違いがわからない人間がそうそういる訳がない
人口減で苦しむPCゲームユーザーが、それでも一定数PCに嚙り付いてるのは
一度高級な体験をしてしまうと水準を下げられないのだろう
解像度下げてFPS維持してるのが高級な体験と言っていいものか
オフゲーではFPSじゃなくて解像度重視って人結構いるでしょ?
結局は負けたくない、もしくは不利になる要素だからFPS上げてるんじゃないかと思う
対戦ゲームという観点では実にしょうもないね
解像度の話なんてしてなくね?そもそもオフゲーの話なんて誰もしてないし
PCは低スペックでも設定落とすことで60FPS以上を出せるから144FPS出せる高級体験って話でしょ
CSは60がリミットだし、上を知ると戻れなくなるってだけの話
この人は高級な体験って表現が引っ掛かったんかな。「別に勝ち負けにはこだわらないけど144に慣れてしまったら60なんかに戻れない」みたいに受け取った感じ。それにしても解像度・オフゲーが出てくるのは謎だけど
上の人のコメントが言いたいのは逆の「勝ち負けにこだわる以上は144fps以上に貼り付けるよう設定を落とさないといけない場合がある」だと思います。
解像度とfpsはトレードオフの関係があり、昔からQuakeやCS:GOなど解像度を下げてfpsを確保するプレイヤーがいました。
結局のところ、フォートナイトの引き伸ばしや影無し設定など、勝つために本来の表示設定から乖離させてまで高fpsを保つ姿勢が滑稽だという話だと思います(私自身はゲームをするにあたって最も重視すべきは高fpsだと思っているので、個人の好みだとは思います)。
あとfpsと戦績に関する記事なのでオフゲーの話が出てきてもおかしくは無いと思うのですが…事実Aim Heroで検証を行っていますし。
別にオフゲーだろうがオンゲーだろうがグラフィック設定などは本人の自由なんだから本人の好みをより満たす環境はまさしく高級な環境でしかないでしょ
13fpsぐらいだったACVもちゃんと30fps、60fpsだったらゲーム体験が変わってたのかな……
PS5ではちゃんと60fpsだすようなゲームにしてほしいですね
4gamerでも取り上げられていた記事で、とても印象深い記事でしたが、まさか実地で検証する人がいるとはw。凄く面白かったし、参考になりました。
また、この辺のことへの理解の無さが、今日でもあるチート疑惑の炎上、、古い話だと馬(動画投稿者)さんとか、プロになる前のstylishnoobのチート疑惑に繋がったんでしょうね、あの当時、動画投稿サイトは30FPSが上限でしたし。
7、8年前だけど、馬(動画投稿者)さんが生配信している時に、持ち前のハイスペックなPCを紹介していて「フレームレートの高さは戦績に関わる。ハイスペックであるほど有利になる。高性能なデバイスを揃えるほど有利になる。そんなの当たり前じゃないですか」そういう旨の事を断言していたのが印象に残っている。
当時はアホばっかで「スペックなんて関係ない腕次第」みたいなプレイヤーや論調も多かった中で、ハッキリ「フレームレートが高ければ高いほど絶対に有利」と断言していて、目の覚める思いがしたのを記事を読みながら思い出しました。
馬懐かしいな