カードの構成が変則的だし、コンバットが多いし、プレイの選択肢が多いしで、中々に難しい環境だと思います。
強いアンコモンが多いので、ボムゲーには成りにくいものの、ピックの流れ次第でヤバい強さのデッキになったり、ならなかったり。勝つとき負けるときが両極端。
カードパワーについては黒と緑がずば抜けているので、どちらかを採用してピックを進めると安定感が出ると思います。
目次
エンチャント・アーティファクトが多い
過去にもエンチャントが多いセット、アーティファクトが多いセットはありましたが、今回はその両方が多いとあって、かなり変則的なカード構成になっています。
特にエンチャントは強力なカードが多いので、特化色の白緑以外でも大体使うことになります。英雄譚はパックに確定で入っており、大体は当たりのカードです。およそエンチャントがブイブイ言わせる環境になっています。
クリーチャー・エンチャント、アーティファクト・クリーチャーも多数存在するので、今回の「解呪」は腐ることがありません。特に脅威度が高い「エンチャント」をゲーム外に追放できる古代への衰退は優秀な対策カードなので、BO1においても1枚か2枚は拾っておきたいです。
アーティファクトはBO1では対策する必要ないです。あんまり割りたいカードがありませんし、ほぼクリーチャー除去で対応できます。
コンバットの多い環境
忍術やETB能力(クリーチャーが場に出た時に誘発する能力)が強力なカードが多いので、コンバット時の選択肢、カードを切るかどうかの選択が難しいです。
忍術は旧神河ブロックからの再登場ですが、ブロックされなかったクリーチャーを手札に戻せるので、ETB能力などを使い回すことができます。通したら危ない誘発能力を持ったクリーチャーもいるし、怪しいアタックをブロックせざるを得ないことがあります。
ちなみに最強の忍者は河童。アンコモンなのにレアより強いため、タッチでも使う価値があるヤバい奴。
魂力も旧神河からの再録ではありますが、緑のコンバットトリックとして使うことが多いです。モード選択みたいなもので受けが広いし、元がエンチャントなのでシナジーの一環としても組み込みやすい。
換装は今回初出ですが、マナフラッド(土地多すぎ)受けになりますし、膠着したときの突破力になります。とはいえ、膠着状態を突破するなら、もっとマナ効率が良いものがあるので忍術ほどに目立っていません。
各色の方向性と強さ
およそ2色の構成で構築することになります。
色 | 評価 | 方向性 |
---|---|---|
B | 軸が弱いけど機体が一応メイン | |
B | アーティファクトとエンチャントを揃える | |
C | 侍を揃えて単独攻撃 | |
A | エンチャント特化 | |
A | 忍術特化 | |
C | 軸が弱いけどアーティファクト | |
B | 土地を伸ばすランプ(3色タッチ向き) | |
A | アーティファクトと生け贄 | |
A | 墓地利用、エンチャント再利用 | |
C | 一応改善。それぞれの持ち味を殺し合う地獄 |
純粋なカードパワーだと黒と緑が安定して強いので、まずどちらかを選択するのがお勧めです。両者とも1対多で交換できるアドバンテージカードが多めに存在し、除去も優秀なので安定感があります。
黒緑を軸にしつつ、黒が多いならば青か赤、緑ならば白や青のラインも見る感じで臨めば、極端な負けを起こしにくいと思います。
反面、赤軸を選択するとデッキ構成に苦労します。
赤緑なんてお互いの長所を生かせないため、バッドコミュニケーションも良いところ。赤には火力を除いて安定したカードがないので、避け気味で良いと思います。
今ドラフトでは赤が最弱と言っても過言ではないでしょう。
有力アーキタイプ
実際に構築する場合ですと、青黒を筆頭に白緑、黒緑、黒赤で4強だと思います。まぁ、私が7勝できたの緑+αだけなんですけどね……。
現状(2月)のMTGアリーナにおいては黒人気、青黒人気が高く、協調ピックすると緑系になることが多いです。
黒緑グッドスタッフ
墓地利用、忍術を中核として、強力なカードを何度も使ってアドバンテージを取ることに長けています。
アンコモンの闇叫びが黒緑の動きを象徴しており、場に出た時点で墓地からカードを釣り上げて1枚得するし、威迫持ちなので忍術の種としても使いやすい。これを忍術で戻して出し直せば、ETB能力を再利用して更に手札を増やせます。
今回の黒と緑は純粋にカードパワーが高いし、それらを使い回す手段も複数あるので、長期戦において強みを発揮します。
7勝サンプル1
初手で「絶・望・招・来」が取れたので、なんとか使おうとしてたら答えてくれたパターン。クアドロプルシンボルがきつ過ぎるので、マナ基盤優先のピックをした割りに粒が揃いました。
7勝サンプル2
慣れてきて冒険しなくなった後の黒緑。サイドボードまで綺麗だったので、流れを読み切った回だった模様。除去が少なめになったので、魂力パンプを代わりに入れてます。
白緑エンチャント
デッキの大半をエンチャントで構成し、エンチャントの再利用などでアドバンテージを稼ぐ低速なデッキです。
クリーチャーはエンチャントを兼任しているもので固めたいです。そうすることでエンチャントを参照しているサーチ、墓地回収などが最も強く使えます。
今回の白は緑と並んでエンチャントが豊富なのですが、カードパワーは黒や緑にちょっと劣ります。緑軸に白を足していくという形になるのが理想形。
7勝サンプル1(タッチ黒)
白緑で入れたいカードが無かったのと、2色土地が複数取れたのとで、タッチ黒で英雄譚だけ入れました。なお、それでも英雄譚が足りなくて、伝説のサツキが不発気味でした。
7勝サンプル2
初手に取った赤のアツシを使いたかったけど、2手目に河童が流れてきて心が揺らぎ、気が付いたら緑のドラゴンが入っていたパターン。
青黒忍術
ブロックされにくい飛行クロックの数と、忍術に関連したカードで固めるアーキタイプ。今回は地上が止まりやすいので、飛行の強さが目立っています。
忍術によってETB能力を使い回したり、英雄譚を使い回したりします。
小型のクリーチャーを早期から展開していくため、長期戦になると息切れしやすいのが欠点です。アドバンテージが取れる補助カードがあれば勝利数が伸びやすいです。
プレミアドラフトだと人気が高くて、他のプレイヤーと色が被りやすく、最も構築のハードルが高くなっています。クイックドラフトだとその辺りの事情が緩和されると思います。
7勝サンプル
赤黒アーティファクト
恐らくは今環境において最速のアーキタイプで、アーティファクトに偏重した構成を取ります。
アーティファクト関連のカードで構成されている赤に、カードパワーの高い黒が加わって、かなりの高速展開を実現しています。
赤の受けが悪いので、ピックの方向修正が難しいのが欠点です。
各色の有力カード
ピック優先度が高い頻出カードの紹介です。
今回はあんまりレアが強くないので、よっぽどじゃない限りはレアピック勢の私でも躊躇することが多いです。強いレアも勿論ありますが、アンコモンや英雄譚のパワーが高くて、その対抗馬になっています。
白
エンチャントを軸としたデッキに使われるので、初手で取る可能性があるコモン、アンコモンというと、やはりエンチャント関連になることが多いです。
エンチャント、アーティファクトの数だけパワーアップする魅智子の真理の支配は、緑白だと修正値が凄い。普通にゲームを決める打点を発揮するので2マナとは思えない強さを持ちます。
神憑く相棒は忍術などで再利用でき、潤滑剤になれる無難チョイス。忍術で回されるときついカードがあるので、取りあえず2マナでブロッカーを出せるのは大事です。
あと最初から狙うようなものではないですが、皇国の契りという6マナソーサリーは白系の強力なフィニッシャーなので、中盤あたりで流れてきたら拾っておきたいです。
青
語られざるものの警告が圧倒的な強さ。アンコモンなのでラウンド初期に流れてくることも多く、青参入のきっかけになれるポテンシャルを持っています。上から4枚も見られたら、何かしら良いカードが引けるでしょうし、飛行付きマローが最後に出てきます。
月回路のハッカーはちょっとパワー不足ですが、エンチャントでもあるので緑や黒とは相性が良い忍術要因。忍術のコストも軽いので、色々胡散臭い動きができます。
レアだと現実チップや、現実の設計者、タメシ、発明的反復といったボムがありますが、アンコモン以下だと初手で取りたいカードは先に挙げたアンコ英雄譚くらいです。カードパワーは赤に次いで低いと思うので、積極的に参入する色ではなさそうに感じられます。
どちらかというと、タッチして強いところだけ入れる色だと思います。
黒
ボムレアが多いですし、レア以外でもボム級カードが多い新神河での優遇色。
アンコモン
梅沢敏郎の生涯は悪名高き「梅沢の十手」を英雄譚にしたものですが、いきなり相手の計画を滅茶苦茶にできる1枚。これでも原型の十手より相当に弱いというのが恐ろしい。私も当時現役だったのですが、十手1枚で10枚くらい処理された悪夢が……。
波止場の料理人、夜の長い陰も簡単にアドバンテージを取れるカード。下手なレアよりよっぽど強いのであった。
コモン
ウィルスの甲虫は白ワンコの逆版ですが、やはり2マナを埋めつつアドバンテージを失わない点、使い回しに向いているところで環境に即しています。黒コモンの最強クリーチャー。
ねじれた抱擁は対応して付け先を除去されると困るものの4マナの確定除去です。除去られる危険が高いのなら、クリーチャー以外に付けるのも一つの手です(アーティファクトにも付けられます)。
大牙勢団の襲撃は2点ドレイン+威迫付き2/2が1マナというお買い得さ。他に取るものが無かったときに早め確保はあり得ると思います。
赤
全体的にパワー不足なので、特定のレアやアンコモンがないと参入しにくいです。赤黒だったら霜剣山の精錬者は欲しいですが、入れたくないデッキも多いのが欠点です。
双弾の狙撃手は2点火力を飛ばせる除去兼、到達持ち兼、アーティファクトという欲張りセットです。赤を使うのなら大体入る。
熊野と活火山の対峙は安定の強い英雄譚で、1、2と展開できれば相当に強い動きになります。赤はアンプレのカードが多いのですが、取りあえず確保して様子見しても良い一枚。
緑
黒と並んでカードパワーの高さが魅力です。極端な外れのカードが少ないですし、エンチャントがかなり強いです。
ボムレアも多くて、1枚で決着が付くこともしばしば。
アンコモン
機械壊しの河童は最強の忍者です。エンチャント追放が刺さりやすく、大型エンチャントを消せれば、相手のターンを無かったことにできる1枚。単純に接死で地上を止められますし、ブリンクなどと組み合わせるのも強い。
花咲く蹴獣は4/4到達というスタッツにカード1枚が大体付いてくる強カードです。1枚で飛行クリーチャーの大半を止めることができて、相打ちでも1対2交換になります。
天空に至る母聖樹も2ターン後に6/6到達になるし、森限定とはいえ手札が2枚増えます。
コモン
エンチャントが大体強いので安定感がありますが、初手で取る可能性があるとなると上記の4枚あたりでしょうか。
樹海の保護者は4マナ4/4相当でコンバット能力の魂力を備えている優秀な1枚。シナジー性の高さも魅力で、どの色の組み合わせでも大体4マナ域を埋める最良のカードになります。
お前犬なのかという大狸はマナサポートになりつつ、後から更生の季節で拾えば良いと、柔軟な動きができるクリーチャー・エンチャントです。トランプル付きで決定力も高い。
達人のとがめはこのところ増えてきたコモンの一方格闘で、接死持ちと組み合わせて手に負えない大物も対処できます。
アーティファクト
ドラフトで無色のアーティファクトが強いということは珍しいのですが、今回はアーティファクトを拾いたくなることが多いです。
探照灯の相棒はコモンの中でも上位に入るカード。忍術と相性が良く、生み出すトークンは黒の威迫に対しての抑止力、緑の巨大生物に対するチャンプ要員になります。環境的に必要とされている1枚。
アンコモンのアーティファクトクリーチャーは、どれもアドバンテージを生み出してくれます。隔離用構造物だけは青向けですが、回路の修理屋、都和市の案内ボットはの色でも入れておいて損はありません。
問題はどのデッキでも入るから、アンコモンになるとほぼ流れてこないことですが……。
ドラフト参考になりました!
案内botはあまり見ないけど、ドローできる無色のアーティファクトなので可能性感じました。
コモンの多色土地のお陰で三色目にすぐタッチできる上にシナジー環境かつケツデカ生物多くてドラフト苦手民には難しいと思った(コナミ