クリア後の感想と評価: Little Nightmares (リトルナイトメア)

シェアする

  • ストーリー:8点
  • グラフィック:7点
  • サウンド:5点
  • ゲーム性:7点
  • 作り込み:7点
10段階評価。6点以上でお勧め。

追記:DLC3までプレイ(評価を上方修正しました)。

ゲーム概要

子供の頃に感じた恐怖、子供視点から描かれた20世紀初頭の社会を描いたホラーゲームです。モウと呼ばれる異界を舞台に描かれるダークファンタジーで、どこか牧歌的だけど、どこか恐ろしいという、独自の世界観を形成しています。サスペンス、ミステリ、児童文学、ホラーの良いところを兼ね揃えています。

主人公は無力な少女「シックス」。どうにも庇護欲を誘う存在なんですが、常にお腹をすかせていて一癖ある人物。そんな少女に立ちふさがるのは、どこか生々しさを帯びた異形の怪人達です。

主人公のシックスは黄色い雨合羽を着たロリ。いつもお腹をすかせていて、日夜、ヤバ目なおっさん達に追い回されてます。細くて折れそうな足がキュート。
代表的なヤバイ奴。長い手でまさぐってくる――たぶん変態だと思うんですけど……。

基本的な操作はダッシュ、ジャンプ、しゃがみ、掴むの4つだけ。ゲームとしては4章立てのアクションパズルで、軽快な操作性と謎解きのバリエーションを兼ね揃えています。プレイ時間は数時間程度なので、長大な作品ではないですが、往年のホラーを色々と研究していて、無駄の無い構成に仕上がっています。DLCも本編との重複は最小限に新しい要素を加算、物語に新しい側面を加えているので良好です。

感想と評価

ストーリー

  • 本当は怖いグリム童話みたいな話
  • 優れた寓話性
  • 仕掛けられたトリックと意外性
  • 主人公の持つ無言の魅力
  • よく出来たリドルストーリー

ホラーとして非常に良くできています。ときにはサイコホラー、ときにはパニックホラー、ときには猟奇。方向性を変えつつも世界観を崩さず、過去のホラー作品を研究、踏襲した演出の数々が見られます。

過去の類似作を多少模倣しつつも、それを発展させているのが好印象。

シナリオの外郭部分は、子供の見る悪夢という世界観に準じるものになっていて、異形から逃げ惑う少女の姿が描かれています。山あり谷あり、一筋縄では行かない部分もあって、要所要所で驚きと謎を提供してくれます。

ふわっとした表現に留まっているので、受け手の解釈にゆだねられる部分もあり、ここではネタバレを避けるために深くは触れませんが、実は残酷で残忍な話なのでしょう。

物語を説明するテキストはゲーム中に殆ど存在せず、登場キャラクターが言葉を発することもないのですが、映像と演出だけで確かな物語を作っています。信用できない語り手、重複存在などのギミックを使った演出は上手いと思いますし、その世界観を大事にしているの見て取れます。やや直喩が過ぎるのですが、文学作品としても評価できるでしょう。

ただ、それ故に受け手の解釈にゆだねられる部分が発生し、そのおどろおどろしく、重苦しい表現はどうしても人を選びます。ストーリーティングの技巧はあるのですが、大衆作品になりきれていない面は残されてしまいました。まぁ、これはホラー全般に言えることなんですが。

本稿はLittle Nightmaresを個人的に解釈し、考察したものです。DLC3までのネタバレを諸に含む可能性がありますし、ライターの意図とは異なるかもしれません。あくまで解釈の一つに過ぎないので、その点だけは留意してください。

グラフィック

  • 作り込まれた映像美
  • シンプルだけど優れたデザイン
  • SAN値に攻撃

世界観は子供の見た悪夢達ということで、海外アニメ作品を彷彿とさせるデザインになっています。無理に写実的にしていない分、CGの荒さが目立っておらず、一つの完成形たる表現を実現しています。

グラフィックで有名な作品でも十年もすれば、過去のものとなってしまいますが、本作に関してはそれと無縁でしょう。ロケーション不足のきらいはありますが、そう簡単には陳腐化しない持ち味があります。

サウンド

  • 可も無く不可もなくなBGM
  • 不気味な効果音
  • 一部の効果音に違和感

ゲーム性

  • 軽快な操作性
  • 適度な謎解きとパズル
  • 迫り来るハラハラ
  • 多様性を持ちつつも纏まりを失わないゲームプレイ
  • リプレイ性は薄い

ホラーゲームではありますが、軽快な操作性と、アクション性を持っています。

特筆すべきような斬新さ、スタイリッシュさとは無縁ですが、純粋なアクションゲームとしても及第点以上の仕上がり。パズル要素もバリエーションに富んでいて、無駄に繰り返さない分中だるみもありません。

初見殺し的な要素もありますが、よく見ればヒントとなる部分が存在し、また概ね二度目には突破できるような難易度に設定されています。ステルス要素も敵AIが少し馬鹿な位でちょうど良く、細かい演出が怪人のキャラクター性、ゲームとしての臨場感を高めています。怪人達が無闇に追いかけてくるだけではない創意工夫が見られます。

作り込み

  • 様々なホラー性を網羅
  • バリエーションに富んだパズル
  • 操作説明が不親切
  • 怪人が壁にめり込む、めり込む

長大なプレイ時間を持つゲームでは無いですが、コンパクト故に練り込まれたスリル、ホラー、パズルを提供してくれるゲームです。DLCにおいても新しい方向性のパズルを提供していて、すぐれた完成度を持っています。

けっして斬新なゲームではないものの、作りの細やかさに長けており、次回作を期待するに値する優れたゲーム体験を提供してくれます。

やや操作説明が不親切な部分があって、事前になにができるか位は説明してもよかったかなぁ……と思う部分もありますが、それ位しか欠点が見当たらない。

DLCに関して

新たなる主人公ラナウェイ=キッドを要して展開されるDLCです。全3本の予定で、現在DLC2までリリースされています。シックスが後ろで、ピーチ姫になってますが、こういうシーンは出てきません。というかシックスとは面識がありません。全力でパッケージ詐欺してきてるぞ。注意。

Depth -深淵-

DLC1では位置エネルギーをフィーチャーした内容になっており、序盤はシーソーを利用した高低差、後半は水位変更のパズルが登場します。本編同様のアクションとパズル性は健在で、初見殺し的な要素も薄れてよりパズル部分が洗練されています。

新規追加の敵役はなぞのキャミソールおばさん。禿げてるのにキャミソールとか、すげぇ変態だぜぇコイツ。

The Hideway -ひみつのへや-

ノームの存在にフィーチャーしたDLC第二弾。ノームを集めて、協力するピクミン的なパズルが追加されました。ありそうで無かった要素で、取り敢えずノームをぶん投げるゲームに。

ノームの影が子供のものになっているので……