クリア後の感想と評価: Yooka-Laylee(ヨークとレイリーの大冒険)

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  • ストーリー:4点
  • グラフィック:6点
  • サウンド:6点
  • ゲーム性:3点
  • 作り込み:4点
10段階評価。6点以上でお勧め。

ゲーム概要

旧レア社のスタッフが再集合して作られた同窓会的なアクションゲームです。レア社の作ったゲームとしては、「スーパードンキーコングシリーズ」、「007ゴールデンアイ」、「パーフェクトダーク」、「バンジョーとカズーイの大冒険」あたりが有名でしょうか。私は全作プレイ済み。FPSのパーフェークトダークは、既プレイの中で一番プレイ時間が多いと思う(学校終わったらほぼ集まっていたので)。

そんなわけで、スーパーファミコン末期からニンテンドー64期に勇名を馳せたデベロッパーですが、ゲームキューブが発売された前後から有力スタッフの離脱が相次ぎ、後にマイクロソフトに売却されて、任天堂のパートナーから外れています。

本作はそんなレア社の旧スタッフがキックスターターで資金を集めて制作を始めたアクションゲームで、方向性としては先に上げた「バンジョーとカズーイの大冒険」の流れを大きく汲んでいます。

舌の長いトカゲ。木の実どころか砲弾を喰ってパワーアップするカービィーみたいな奴。生真面目な優等生タイプで、相棒のレイリーと難破船を改造した家屋で同棲中。バンジョーより有能。
ヨークの背中にくっついているコウモリ(メス)。意地悪で毒舌な不良娘。ヨークのパンツの臭いをくんかくんかしたことがあるらしい(意味深)。飛行やローリングなどの特殊移動、超音波による足止め等の担当。

キャラクターは一新されていますが、目指すところがバンカズで、またスタッフも一部重複しているので、実質「バンジョーとカズーイの大冒険3」とも言えるんですが、この手の箱庭3Dアクションの悪い部分が前2作より目立っていて、進歩性はまるで伴っていないため、プレイヤー側にも同窓会的な面を求められます。

感想と評価

ストーリー

  • キャラクターの魅力不足
  • あってないようなメインシナリオ
  • ネタがアメリカンで下品なので、人を選ぶ

グラフィック

  • 思ったより堅実なグラフィック
  • 優れた景観
  • ややデザインがありきたり
  • 謎のフレーム落ち

ありきたりではあるものの、パステルカラーで纏められたグラフィックはインディーゲームの水準ではありません。

サウンド

  • 雰囲気に合った良曲揃い
  • ミニゲーム、ボス系の曲が特に◎
  • 声がさすがに不快

ゲーム性

  • 昔馴染みの軽快なアクション
  • 進歩性がまるでない
  • すべてにおいて創意工夫に欠ける
  • 過度な探索要素
  • クイズは要るのか……

制作チームは過去に同ジャンルのゲームをリリースしていたものの、任天堂という口やかましい監督役がいなくなった性か、ゲーム部分の内容は荒削りで創意工夫に欠けています。アクション面はバンカズより洗練されて、一部のアスレチックやミニゲームは面白いのですが、如何せんそれ以外の部分に大きな欠点を持ちます。

箱庭ゲーというのは、ちゃんとした作り込みがなければ操作性や視認性が悪く、冗長なだけのゲームになってしまうのですが、本作はその悪い部分にど嵌まりしていて、とても褒められない。

探索要素に関しても、あまりに詰め込みすぎです。そこまで広くないマップに20枚もジグソーを隠しているため、無駄にややこしくて面倒臭い。マップ数が減っているのに、全体のジグソー(というかジグソーって名前では無いですが)は120個と過去最大の数。洗練されていないマップ構造と、創意工夫に欠けた謎解き、お使いの数々が続くので、アベレージとしての面白さががっくりと下がる結果に。プレイ時間が少ないというそしりを受けてでも、色々と削った方が良かったと思います。面白くない部分が延々と続くので、どうしても薄味な印象になりますし、作業感がすごいです。

ジグソーを一定量集めると、今のマップの一部が拡張され、ボスが追加されるのですが、その前後にカタルシスや仕掛けが足りてないので、探索が二度手間になっただけでよろしくないです。

作り込み

  • カメラワークが難易度に関わるレベルで悪い
  • 大ざっぱなレベルデザイン
  • 冗長すぎるフロー
  • ミニゲームの量が多い

まず恐らく多くの人が真っ先に気になるのが、カメラワークの悪さでしょう。入り組んだ場所、細い通路が多すぎるため、マップ構成からやり直さないと改善しないだろう部分が多々。それに加えてアシスト目的の変則的な強制回り込みなどが各所に存在し、不意のカメラ移動や、死角の多さに悩まされることになります。カメラの回り込みは多分、良かれと思って入れてるんでしょうが、調整ミスで完全に裏目に出ています。

このゲームの難易度は中程度(小学生くらいの子供にやらせるにはちょっと厳しいかな……というレベル)なんですが、カメラの不便さによる部分が大いに含まれています。閉所で回り込めないため見づらくて仕方ないとか、オブジェクトが邪魔で視認性が悪いままだとか、いきなりカメラが回り込みだして落ちるとか、そういうことが頻発するのでフラストレーションが溜まります。

それで無くても局所的な難易度上昇が発生するゲームなんですが、その高難易度の原因の一端が上記カメラワークの悪さだったり、操作性の悪い変身や足場だったり、説明不足によるものだったりで……。スキルによるものとは思えないため、リトライするやる気、モチベーションには繋がらないです。

その他にもスキップできない演出、煩わしいクイズ……とプレイするにしたがって悪い部分が目立つようになります。ありとあらゆる要素で作業感を増大させ、人の神経を逆なでしてくるので、 これだけでも駄作と呼ばれるに十分すぎる要素を兼ね揃えています。

総括

有り体に言って、冗長で退屈なゲームです。グラフィックはインディーとは思えないものがありますし、音楽も高い水準のものばかりが揃っています。それは大きなプラスファクターなんですが、反面、肝心要のゲームプレイ部分が煩わしく、良い部分を台無しにしています。

過去の関連作が持っていた良い部分をほぼ全て投げ出して、悪い部分ばかりが残っていると言えるかもしれません。良い部分はあっても、それを遙かに覆い隠すだけの駄目な要素で塗り固められています。

所詮は思い出補正だったのか……という諦念を覚えること受け合いです。これを最後までプレイするには、愛と根気が必要なので、それが無いプレイヤーは覚悟しておいた方が良いです。バンカズもそうではありましたが、絶対に一般向けではありません。マリオ64とかとはまるで逆方向アプローチになっています。あるいは私のバンジョーとカズーイの大冒険の評価が高すぎるだけなのか、時代の流れなのか……。この辺りがリバイバルの難しさなのかもしれませんね。

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