クリア後の感想と評価: THE LAST OF US Part2 (平均:5.1点)

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  • ストーリー:3点(-1)
  • グラフィック:7点
  • サウンド:5点
  • ゲーム性:5点
  • 作り込み:6点
10段階評価。6点以上がお勧め。

ストーリー

  • プロットが破綻してる
  • キャラクター描写が雑
  • 第二部以降の冗長さ
  • 世界観を生かせていない
  • 押しつけがましい作者の浅い主張
  • ゲームプレイとの相性最悪

失敗の見本市みたいな内容で、細かい所まで列挙していたらきりがないです。物語は3部構成になっており、1部の半ばくらいまで普通だけど、以降はトンデモ路線になります。失敗の見本市みたいな側面が強いです。

あくまで単体の評価として3点にしていますが、制作側の拙い主張のために作品を私物化した側面も強いので、前作のファンならもう1点ぐらい減点されるかもしれないです。

復讐譚とゲームプレイ

大きな失敗が複数ありますが、その最たるはゲームプレイと、シナリオがまるで噛み合っていないところだと思います。ゲームのシナリオというのは、どうしてもゲームプレイとの二人三脚になるのですが、本作はそんな基本を盛大に忘れています。

だからこそ敵に操作キャラクターを移すという真似ができるわけですが、そもそも題材選びにも無理があったと思います。

本作は法が機能していないポストアポカリプスの世界が舞台で、劇中で数えきれないくらいに人を殺すことになります。そんな状態ですから登場人物たちが変な道徳観に囚われると不自然になりますし、下手に因果応報などのテーマを含むと、支払った犠牲が多すぎて償い切れない流れになります。

この状態で復讐の物語を纏めようとすると、アクション映画的な勧善懲悪構造以外に選択肢がないわけで、くだんの殺害シーンから復讐者エリーを旅立たせた時点で、下手なDD論は通用しない流れになっていました。

これを回避したいのなら、感染者の跋扈する街を舞台にして、少数のターゲットに忍び寄るみたいな内容にすればよかったのです。ところが開発側は「プレイヤーに罪悪感を覚えさせたい」という意味不明な理由から真逆の選択をしました。

これによってエリーの行動は犠牲を払ってでも許される崇高な行為という補強を得てしまった。アビー一派の凄惨な死以外の道筋が許されない状況を作り出してしまったわけです。

もちろん開発はそんなこと考えてませんから、プレイヤーは序盤の間しか話の流れについていけません。開発のやりたいことと、やってることが、全然噛み合ってないのです。全てのエピソードが最後の決断へと影響を及ぼすという完成されたプロットを持っていたラスアス1とはえらい違いです。

第二部の存在意義が無い

第一部の間は復讐という強い衝動によって物語と、プレイヤーを牽引していたのですが、唐突に始まる第二部によって、それらが全て無駄になります。

汎用的な復讐譚は、復讐を達成するまでの前編、復讐後の姿を描く後編(あるいはエピローグ)という構成になる場合が多いのですが、本作では復讐後の姿を別の人物で描くという構造を取ったわけです。

そして、その目論見は当たり前のように失敗しました。

枝葉の部分をどんなに似せても、異なる人格、異なる境遇を持つと客観的に分かっているプレイヤーは絶対に同一視しません。そもそも対比構造の用法としても間違っています。

本来敵役だったアビーの不自然な持ち上げと、脈絡のない行動だけが残り、冗長過ぎるパートがダラダラ続くだけで、何の成果も得られませんでした。

というか第二の主人公にしたいなら、第一印象の悪さと独善的な行動をどうにかしないと駄目だったのでは……。

どうせ2視点構成で進むのなら、復讐する側の狂気と執念、される側が追い詰められていく恐怖と懺悔という対比で進めれば良かったのに、相互のパートが連携するでもなく、ニアミス表現も薄弱です。プレイヤー感情をぶつ切りにしてまで、操作キャラクターを変える必要があったとは思いにくいです。

欺瞞に満ちたエンディング

決定的なネタバレを避けつつ書くのが難しいですが、簡単に言えばフェミニズムの悪い側面ばかりを強調した結末になっています。というか、このパートが書きたいがために、筋書を散々歪めてきた可能性がかなり高いです。

要らない第二部が異様に長いのとか、やたら対比構造になってる不自然な構図の原因が見えてきます。それでなくても出来が悪かったのに、4点から3点に減少した理由です。

ありていに言えば、エリーを父性、アビーを母性と見立てての対立と、母性の非暴力勝利。「父性(ジョエルから引き継いだもの)」からの解放です。

農場におけるエリーの描写、筋骨隆々だったアビーがやせ細ったり、「私はもう戦わない」など言い出すのはあまりに作為的です。だから銃で撃てば終わるのに使わない。だって父性が勝ってしまったら、筆者にとっては都合が悪いから。

当然、ノンポリである多数派は意味不明になるし、嫌悪感しか沸きません。それでなくても、作り手の意図やエゴが露骨にでている作品ですが、もう隠す気もないらしい……。

別にフェミニズムを題材にするは良いのですが、世界観や整合性を無視しまくった挙句、視野の狭いテンプレ通りのフェミ思想を押し付けてくるのはどうかと思います。テーマを盛り込めるだけの構成力、筆力がないのなら、素直にエンターテインメントにしておけって昔から言われてるから……。

グラフィック

  • キャラクターの表情が自然
  • 豊かなテーマパークと自然の表現
  • 細かい武器改造演出
  • カメラワークの悪さ
  • 変わり映えのしない景観

抜群のムービーワークは近年の作品を踏襲しており、特に人の表情などに優れています。アクションシーンのカットも迫力があります。

劇中に出てくる博物館や水族館の作りは力が籠っており、本作の数少ない良シーンである過去回想に彩りを加えました。

キャラデザに関してはジョエルが異様にイケメン、アビーが異様にゴリラ。

シューターとしてはFOVの狭さが気になりますが、PS4の性能だとやむを得ないところでしょうか。30FPS以下の環境はやっぱりつれぇなって思いました。

サウンド

  • 優れた吹替え
  • 優れたエンディングテーマ
  • 足音が聞こえない
  • 地味すぎる劇中のスコア

流石も流石な吹替えで、私みたいな素人からすると完璧な仕事をしたなって思います。やっぱりシナリオがアレだったことが残念過ぎますが……。

劇中のBGMに関しては、かなり印象が薄いです。思い出せません。

細かいことを言えば、操作キャラクターの相槌にちょいちょい違和感がありました。パターン不足なのか、純粋にキャラブレなのか。

なお音響周りで一番気になったところは、敵の足音とかが全く聞こえないところです。聞き耳との兼ね合いといっても、3D音響系は明らかに今一つでした。

ゲーム性

  • 良くも悪くもオーソドックス
  • 序盤の探索要素が良い
  • 操作性の悪いTPS
  • 戦闘の発展性に欠ける
  • 成長要素が弱い

オーソドックスだけど、なんか操作性の悪いTPSです。カバーアクションとかもないから、ちょいちょい不足を感じます。この辺りは前作を概ね踏襲しています。

序盤は世界の広がりを感じる良いマップデザインになっていて、探索要素もうまく機能しています。アイテムのストック上限が少ないことが残念ポイントではあります。

中盤あたりからは段々と手抜きになってくるので、似通ったシチュエーションばかりになって、マンネリ感が増大します。感染者の存在感も急速に低下しており、それを使った仕掛けや武器があっても良いかな……と。

ポストアポカリプスなのにゾンビポジが空気化しているシナリオを多少なりともカバーできたかも。

回想パートはゲーム進行の妨げになっているので、もうちょっと絞った方が良いと思いました。まぁ、最たるを言えば、ほぼ要らないパートが色々あるんですけどね……。どうせ持ち越せないのなら、過去パートでの戦闘を減らして、もっと成長性やストック数を増やすようにした方が良かった気がします。

作り込み

  • 目立つバグ無し
  • リトライが速い
  • ロード時間がほぼない
  • 竜頭蛇尾
  • 盛大な穴がある
  • 続編として大きく間違っている

いわゆるユーザービリティなどに関する評価ですが、技術スタッフに関しては優れた仕事をしており、特にリトライの速さは特筆するべきものがあります。

先にもあげたとおり、パート構成に難があるので、ちゃんとリソースを振り分ければ、もっと良いプレイフィールになったと思います。

点を付けにくいのは、やっぱりシナリオ面がまるでユーザー感情をまるで考えていないことです。続編としての在り方も失敗が目に見えており、なんでこれでゴーサインになったのか理解できません。

全体的なクオリティは高いものの、足かせになっている部分が多く、平均したら6点くらいかなという妥協の点になっています。

総括と後書き

7年越しの続編となった大作TPSですが、蓋を開けてみたら酷いことになっていました。設定や構成を抜本的に見直して、復讐譚としてのプロットを完遂させていれば、平凡くらいの評価は付けられたでしょうが……、まぁ1作目の評価には遠く及ばなかったでしょう。

私もあんまりやる気が起きなくて土日にちょろっとプレイするくらいで相当時間が掛かりました。

後半に息切れしている面はあるものの、明らかに高クオリティでお金が掛かっているゲームなんですが、極端すぎる欠点があるとボトルネックが生じます。ラスアス2は明らかにストーリーが足かせになってしまいました。

シナリオ担当が解説を発売して間もなくに投稿するという異例の事態になりました。ジョエルと結び付けて非難の矛先を反らそうとしていたんですが、露骨すぎるフェミ描写をしておいて、そんなバレバレの嘘付くんだ……って思いました。

本稿では続編であるという点を抜きにしていますが、前作のファンだともっと低評価になってもおかしくはない。本作の評価以上にIPや会社に与えたダメージが大きそうです。失敗のパターンとしてはスタウォーズ EP8とか、けものフレンズ2とかに似ている。

シナリオ単体としてはよくある失敗作であるものの、それを続編でやってしまうものだから、炎上するべくして、炎上したんだと思います。BF5のポリコレ批判など、ちょっと過剰反応じゃない?と思うこともあるんですが、今作に限っては当然の結果だったと思います。

『クリア後の感想と評価: THE LAST OF US Part2 (平均:5.1点)』へのコメント

  1. 名前:匿名 投稿日:2020/07/15(水) 14:52:25 ID:3c0158150 返信

    いつもの辛口レビューがこんなに心地いいなんて
    第2部はもうちょっといい見せ方あったんじゃないかと思ってしまいますよね。最悪、序盤のように時系列通りにエリーと交互に展開していくやり方にでもしていればもう少しマシだったのではないかとさえ
    まぁそれでもアビーの第一印象は最悪なんだけどな!第2部での行動も半分くらい理解出来ないんだけどな!

  2. 名前:匿名 投稿日:2020/07/16(木) 08:53:32 ID:1aef9321f 返信

    ・前作の旅してる感じがなくなってる事
    ・キャラの関係が最初から最後まで変わらない
    ・復讐の鬼になったはずのエリーも楽しく会話しながら追いかけてるから大学生の旅行みたいで微笑ましかった

    ラスアス1はオープニングからグッと引き込まれたけど2はそこ失敗してレズだのゴリラ女だの女の足を引っ張る男だの洋ゲー全開でつまんなかったです