9月21日に適応されたPC用のアップデートにて、フォートナイトのPC版の遅延を計測したり、軽減するためのAPI「Nvidia Reflex」が組み込まれました。
対応製品であるGTX900以降のNvidia製GPUを使っているのなら、試してみる価値はあると思いますが、画質を下げている状態ではそこまで恩恵がありません。
軽く検証しましたが、各種高画質化設定をオンにしている人にこそ恩恵があるので、画質と両立を目指すときの有力オプションかもしれません。
目次
フォートナイト上の低遅延設定
DIRECTX11 or 12
パフォーマンスモードだと設定が出来なくなるので、レンダリングモードをDirectX11か、12に変えます。

設定 → 映像 → 高度なグラフィック
NVIDIA Reflex低遅延
高度なグラフィック内にある項目で、こっちが低遅延モードの本設定のようです。
- オフ
- オン
- オン+ブースト
――の3段階になっています。
Nvidia Reflexの公式ページを見た限り、CPUバウンドとGPUバウンドの負荷を軽減するAPIなので、CPUとGPUのかみ合わせを良くするオイルみたいなプログラム……という説明で良いのでしょうか。
基本的には「オン」設定が良いと思います。ブーストはGPUがアイドル状態になってもクロックを下げない設定なので、グラフィックボードに負荷が掛かり続ける諸刃の剣です。
消費電力が増え、グラボの寿命を削るのに、改善効果は1ms以下になるのは確実なので割に合わないです(Mhz単位ですから)。

上記は公式ページに記載されているグラフですが、これは最大設定だからこその部分があります。
軽くデータを取って調べてみましたが、低画質設定の環境では1msくらいしか変化していないので、体感差が発生するような数値ではないです。逆に高画質設定だと、軽減できる負荷が多いのか、こちらの検証でも10ms近い遅延を軽減できています。
レイテンシーデバッグ統計

設定 → ゲームUI → レイテンシーデバッグ統計
画面の左上にハードウェアで発生している遅延を数値+グラフで表示します。上記の低遅延モードがあんまり効果がないので、資料的に価値があるこちらの方が重要かもしれません。
下記が表示の一例。

色々と統計を取ってみたので、フォートナイトのレイテンシについて、下記にまとめてみました。環境によって前後する可能性は大なので参考程度に。
フォートナイトにおけるレイテンシ計測
比較できる環境があったので、実際に統計を取ってみました。
CPUによるレイテンシの違い
異なる環境、同じGPUで数値を取ってみました。グラボはどちらもGTX1080で、フルHD最低設定です。
低遅延モード | i7 3770k | i7 8700k | |
---|---|---|---|
オフ | 最大遅延 | 14ms | 6ms |
最小遅延 | 9ms | 5ms | |
オン | 最大遅延 | 13ms | 6ms |
最小遅延 | 8ms | 5ms | |
オン+B | 最大遅延 | 14ms | 6ms |
最小遅延 | 8ms | 5ms |
どちらも低遅延モードの影響は小さく、オンオフを切り替えても1ms前後の変化しかありません。もちろん体感差は無いですし、それによって影響が出るということも極めて少ないでしょう。
ただし、CPUによる遅延の大小が見られ、より強力なCPUであるi7 8700kの方がゲーム内での遅延が小さいです。
i7 3770kが2012年、i7 8700kが2017年にリリースされたCPUです。どちらも当時のハイクラスCPUなんですが、5年のギャップが大きいのか、あるいはDDR3とDDR4の差が大きいのか、レイテンシにおいて8msくらいの差がついています。
ゲーミングPCで性能を上げるならは、まずGPUを交換するというのが鉄則なんですが、あまりにCPUがヨワヨワだとレイテンシの増加という悪影響が出るみたいです。
画質設定によるレイテンシの違い
下記は各画質設定で低遅延モードを切り替えたときの違いです。
低遅延モード | 最低画質の場合 | 最高画質の場合 | |
---|---|---|---|
オフ | 最大遅延 | 14ms | 39ms |
最小遅延 | 9ms | 26ms | |
オン | 最大遅延 | 13ms | 29ms |
最小遅延 | 8ms | 18ms |
上記CPU比較のような最低設定オンリーだと、結局1ms前後しか変化が無かったわけですが、最高設定だと10ms以上は遅延を軽減しています。
普段から低画質設定なら、低遅延モードの影響はほぼ無いですが、高画質な設定で遊びたい人には低遅延モードは効果的みたいです。
ただし、低遅延モードで多少はレイテンシを軽減できても、高画質設定の方がそもそもの数値が悪いです。念のために最大FPSを60固定にして調べていますが、フレームレートに差がない場合でも、最高画質設定の方が遅延が大きいです。
場合によっては20ms近く遅延が増えているので、PCゲーミングでは常識になっている――要らない設定をオフにしておく方が対人ゲームにおいて有利であるという格言は事実みたいです。また低遅延モードによって多少は不利さが軽減されても、有利不利が逆転することはないですから、
対人ゲームではショボグラしか勝たん
今回はフォートナイトで裏が取れましたが、恐らくは他のFPS、TPSでも同じでしょう。
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