フォートナイト: v14.1以降の低遅延設定について(Nvidia Reflex)

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9月21日に適応されたPC用のアップデートにて、フォートナイトのPC版の遅延を計測したり、軽減するためのAPI「Nvidia Reflex」が組み込まれました。

今後はApex Legends、Cod BOCW、Valorantなどにも実装される模様です。

どれくらいの効果があるのか不明量ではあるものの、GTX900以降のNvidia製GPUを使っているのなら、試してみる価値はあると思います。軽く検証しましたが、各種高画質化設定をオンにしている人にこそ恩恵があるみたいです。

フォートナイト上の低遅延設定

レイテンシー調整

設定 → 画面 → (レイテンシー調整 他)

Nvidia ReflexのAPI読み込みをするか、しないかの設定みたいです。これをONにしておかないと、遅延メーターの表示もできません。

レイテンシー調整2

レイテンシー調整のすぐ下にある項目で、こっちが低遅延モードの本設定のようです。オフ、オン、オン+Bの3段回になっています。

Nvidia Reflexの公式ページを見た限り、CPUバウンドとGPUバウンドの負荷を軽減するAPIなので、CPUとGPUのかみ合わせを良くするオイルみたいなプログラム……という解釈で良いのでしょうか。

軽くデータを取って調べてみましたが、低画質設定の環境では1msくらいしか変化していないので、体感差が発生するような数値ではないです。逆に高画質設定だと、軽減できる負荷が多いのか、10ms近い遅延を軽減できるみたいです。

ブースト(オン+B)

GPUがアイドル状態になってもクロックを下げない設定みたいです。

CPUの処理待ち状態でGPUに余裕がある場合、電力消費を抑えるために、通常はGPUのクロックを下げます。ブーストをオンにしていると、このクロックダウンを防ぎ、CPUから命令が来た時に最高のパフォーマンスを発揮するようになります。

要するにGPU稼働率を下げない機能なので、場合によっては消費電力が跳ね上がります。

レイテンシーデバッグ統計

設定 → ゲームUI → レイテンシーデバッグ統計

画面の左上にハードウェアで発生している遅延を数値+グラフで表示します。上記の低遅延モードがあんまり効果がないので、資料的に価値があるこちらの方が重要かもしれません。

下記が表示の一例。

色々と統計を取ってみたので、フォートナイトのレイテンシについて、下記にまとめてみました。環境によって前後する可能性は大なので参考程度に。

フォートナイトにおけるレイテンシ

比較できる環境があったので、簡単に統計を取ってみtました。

CPUによる違い

異なる環境、同じGPUで数値を取ってみました。

グラボはどちらもGTX1080で、フルHD最低設定です。

低遅延モードi7 3770ki7 8700k
オフ最大遅延14ms6ms
最小遅延9ms5ms
オン最大遅延13ms6ms
最小遅延8ms5ms
オン+B最大遅延14ms6ms
最小遅延8ms5ms

どちらも低遅延モードの影響は小さく、オンオフを切り替えても1ms前後の変化しかありません。

もちろん体感差は無いですし、それによって影響が出るということも極めて少ないでしょう。

ただしCPUによる遅延の大小が見られ、より強力なCPUであるi7 8700kの方が低遅延モードの有無に関わらず、ゲーム内での遅延が小さいです。

i7 3770kが2012年、i7 8700kが2017年にリリースされたCPUです。どちらも当時のハイクラスCPUなんですが、5年のギャップが大きいのか、あるいはDDR3とDDR4の差が大きいのか、レイテンシにおいて8msくらいの差がついています。

i7 3770kの方はシーンによる遅延の振れ幅も大きく、処理が重くなると1フレーム近い遅延が生じています。

ゲーミングPCで性能を上げるならは、まずGPUを交換するというのが鉄則なんですが、あまりにCPUがヨワヨワだとレイテンシの増加という悪影響が出るみたいです。

画質設定による変化

下記は各画質設定で低遅延モードを切り替えたときの違いです。

低遅延モード最低画質の場合最高画質の場合
オフ最大遅延14ms39ms
最小遅延9ms26ms
オン最大遅延13ms29ms
最小遅延8ms18ms

上記CPU比較のような最低設定オンリーだと、結局1ms前後しか変化が無かったわけですが、最高設定だと10ms以上は遅延を軽減しています。

恐らくは画質向上の設定が色々付いている状態だと、低遅延モードで削減できる処理が増えるためでしょう。

普段から低画質設定なら、低遅延モードの影響はほぼ無いですが、高画質な設定で遊びたい人には低遅延モードは効果的みたいです。

ただし、低遅延モードで多少はレイテンシを軽減できても、高画質設定の方がそもそもの数値が悪いです。念のために最大FPSを60固定にして調べていますが、フレームレートに差がない場合でも、最高画質設定の方が遅延が大きいです。

場合によっては20ms近く遅延が増えているので、PCゲーミングでは常識になっている――要らない設定をオフにしておく方が対人ゲームにおいて有利であるという格言は事実みたいです。

低遅延モードによって多少は不利さが軽減されても、有利不利が逆転しないという点は踏まえておいた方が良いでしょう。

今回はフォートナイトで裏が取れましたが、恐らくは他のFPS、TPSでも同じでしょう。

要するに、

対人ゲームではショボグラしか勝たん

悲しいけど、これが現実なのよね……。